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HUAWEI P30 Proまでの進化に見る、スマホらしいカメラとは:佐野正弘のITトレンドウォッチ

「写実的」は好まれない?

佐野正弘(Masahiro Sano)
2019年4月4日, 午後05:40 in mobile
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今回からEngadgetさんでお世話になることになりました、佐野正弘と申します。主として携帯電話業界を追いかけていますが、ここではより幅広い分野のデバイスやサービスを取り上げていければと考えています。

今回は、ちょうど2019年3月26日に、フランス・パリでファーウェイ・テクノロジーズが発表したスマートフォン「HUAWEI P30」シリーズの発表会を取材してきましたので、同社のPシリーズを切り口としながらスマートフォンカメラが今後どのような方向に進化していこうとしているのかについて、触れていきたいと思います。

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▲ファーウェイの新しいフラッグシップモデル「P30 Pro」。背面に4つのカメラを搭載し、0.6倍の超広角撮影から、デジタルズームで最大50倍までの撮影が可能なほか、暗い場所での撮影に一層強くなっている

ファーウェイは現在、カメラに非常に力を入れているメーカーの1つとして知られていますが、そのきっかけとなったのが2016年に発売された「P9」シリーズです。ファーウェイはP9シリーズで初めてライカと提携し、レンズをはじめ同社の技術やノウハウをスマートフォンに取り入れることにより、カメラ機能の大幅な改善を図ったのです。

中でも注目を集めたのがデュアルカメラ機構です。一方のカメラにモノクロ、もう一方のカメラにRGBのイメージセンサー(画素数はともに1200万画素)を搭載し、モノクロセンサーで被写体な細かな陰影を取り込み、そこにRGBセンサーの色情報を合成することで、高い表現力を持つカメラ実現したことが大きな注目を集めました。筆者も当時ロンドンで実施された発表会を取材し、その表現力に驚かされたことを覚えています。

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▲ライカと共同開発したカメラ「HUAWEI P9」。モノクロとRGBのデュアルカメラ構造で精細な表現を実現していた

P9シリーズ以前にもスマートフォンにデュアルカメラを採用するという動きはいくつかあり、ファーウェイ自身も日本で2015年に発売した「honor6 plus」で、既にデュアルカメラ機構を採用していました。ですがライカ品質を取り入れたP9シリーズのデュアルカメラは非常に大きなインパクトを与えたようで、それ以降デュアルカメラを搭載したスマートフォンが次々登場。ファーウェイがスマートフォンカメラのトレンドをけん引する存在となるきっかけを作ったのです。

その後ファーウェイは、同じ2016年に発売した「Mate 9」シリーズでモノクロセンサーの画素数を2000万に高め、画素数の差を生かすことで最大2倍までのハイブリットズームを実現。スマートフォンで画質を落とさずにズームできることが人気となり、翌2017年発売の「P10」シリーズにも同じ仕組みを採用しています。

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▲「P10」シリーズは「HUAWEI Mate 9」2000万画素のモノクロセンサーを採用し、ハイブリットズームに対応

翌2018年に発表された「P20」シリーズ、特に日本ではNTTドコモから発売されて話題となった最上位モデルの「HUAWEI P20 Pro」では、4000万画素という大型のイメージセンサーとAIを用いた手ブレ補正機能によって、夜景など暗い場所での撮影に強くなりました。また新たに800万画素の望遠カメラを搭載し、5倍までのハイブリットズームが可能になるなどズーム機能も大幅な強化がなされています。

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▲「HUAWEI P20 Pro」では3つのカメラを搭載し、ハイブリットズームで画質が落ちることなく5倍までのズームが可能に

ですがこの頃から、ファーウェイのカメラはライカらしさをイメージさせる写実的表現を重視した絵作りから、端的に言えば撮影する人が「こうなって欲しい」と思う、綺麗さを重視した絵作りをするようになったともいえます。そのことを象徴するのが夜景の撮影で、確かにP20 Proで撮影した夜景はとても美しいのですが、一方で「明るすぎて不自然に見える」という声も聞かれるようになってきました。

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▲P20 Proのカメラは暗い場所の被写体をとても明るく映し出してくれるのが大きな特徴となっていた

またフロントカメラに関しては、そもそもP20シリーズ以降のフラッグシップモデルはライカ仕様ではなくなっています。その理由についてファーウェイの関係者は、スマートフォンでのセルフィーに求められる写真がライカの方向性と違ってきたためと答えていました。

確かに現在、フロントカメラを用いてセルフィーを撮影する人の多くは、自然な写りよりも、アプリなどで美肌加工を積極的に施し「見せたい自分」が表現できることを求める傾向にあります。しかもファーウェイは元々美肌加工機能に力を入れているメーカーの1つでもあったことから、消費者の意に反してライカらしさを守ることよりも、美肌機能を求める声に応えることを重視した結果、こうした判断に至ったといえるでしょう。

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▲ファーウェイはフロントカメラの美肌機能にも力を入れていることもあり、P20シリーズ以降フロントカメラはライカ仕様ではなくなっている

消費者は「見たままの画」を求めていない?

もっともスマートフォンのカメラで、消費者が欲しい絵を映し出すことに力を入れるという動きは、ファーウェイに限ったものではありません。フロントカメラの美肌機能の進化ぶりは言うまでもありませんが、最近であればグーグルの「Pixel 3」シリーズなども、AIを駆使して夜景を明るく映し出す「夜景モード」を搭載しており、ファーウェイと同様暗い場所でも非常に明るく撮影できることに力を入れている様子を見て取ることができます。

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▲グーグルの「Pixel 3」シリーズも、AIを駆使して暗い場所を明るく撮影する「夜景モード」を備えている

一方で消費者は、スマートフォンのカメラに「見たまま」を映し出すことをあまり求めていないようにも見えます。例えばソニーモバイルコミュニケーションズは、同じソニーグループ内でデジタルカメラやイメージセンサーを手掛けていることもあり、Xperiaシリーズのカメラではその資産を生かして写実的な表現を重視してきました。ですが消費者からは逆に「写真が青っぽく見える」など不満の声が多く挙がるなどして、芳しい評価を得られていません。

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▲Xperiaシリーズはカメラに優位性を持つソニーの資産を生かした自然な絵作りが特徴だったが、スマートフォン利用者にはあまり評価されていない

そうしたスマートフォンカメラの人気・不人気を見ていくと、多少極端な言い方をするならば、多くの消費者は自然な姿ではなく、自分が理想とする姿の写真を撮影できることに満足感を抱く傾向にあるといえそうです。それゆえ大衆的なデバイスでもあるスマートフォンのカメラには、今後も消費者が見たいものを見せることを重視した機能進化が求められることになるのでしょう。

もっともそうした表現が、全ての場面において好ましいかどうかは別問題ですし、写実的な表現を求める人は、やはり従来のカメラによる表現を選ぶことになるかと思います。ファーウェイはP30 Proの発表会で「Rewrite the Rules of Photography」、つまりカメラのルールを書き換えるというフレーズを掲げていましたが、ある意味その言葉が示したのは、スマートフォンのカメラが従来のカメラを塗り替えるというよりもむしろ、別の形へと変化して独自の道を進んでいくということなのかもしれません。



「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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