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若者に人気の「TikTok」は YouTubeに並ぶ存在になれるか:佐野正弘のITトレンドウォッチ

いくつかの課題も

佐野正弘(Masahiro Sano)
2019年4月12日, 午後01:00 in internet
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今回は、昨年から急速に人気が高まっているショート動画共有サービス「TikTok」について、触れていきたいと思います。

現在ではテレビCMなども展開していることから多くの人はご存知かと思いますが、TikTokは音楽と組み合わせた15秒のショートムービーを作成・配信できるスマートフォンアプリです。中国のバイトダンスが提供しているサービスであり、中国発祥ながら現在では10代を中心とした若年層を中心に世界的な人気を獲得。2018年には日本でも大ブレイクしたことから注目を集めました。

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▲TikTokは2018年、Google Playの「BEST OF 2018」でエンターテイメント部門の大賞を受賞するなど大きな注目を集めた


音楽に合わせた動画を1アプリで作れるTikTok

TikTokの動画は非常に短く、手軽にたくさんの動画を視聴できることから、スマートフォンを積極利用しておりコンテンツの消費が非常に早い若年層にうまくマッチし、ヒットしたといえるでしょう。日本における2018年第4四半期のMAUが950万に達していることからも、その人気の高さを見て取ることができます。

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▲TikTokは2018年代4四半期のMAUが950万に達するなど、積極的な利用がなされている様子がうかがえる

しかしながらショートムービーの共有サービスといえば、これまでにもツイッターの「Vine」やDonutsの「MixChannel」など、いくつかのサービスが若年層を主体に人気を獲得したことがあります。ではそれらのサービスとTikTokとはどのような点が違うのかというと、やはり音楽に合わせた動画をアプリ1つで手軽に作成できる点といえるでしょう。

従来、音楽に合わせた動画を作成するには複数のアプリを使う必要があり手間がかかりましたが、それが1つのアプリで済むようになったのは、作り手側にとって大きなメリットといえるでしょう。実際TikTokは、音楽に合わせて口パクやダンスなどのパフォーマンスを披露する動画が人気となってヒットした経緯がありますし、その手軽さゆえにYouTuberならぬ「TikToker」、つまり人気のTikTok動画投稿者を多く生み出す要因にもなっている訳です。

また必然的に動画に音楽を活用する仕組みでもあることから、音楽との親和性も非常に強く、最近ではTikTokでブレイクする楽曲も生まれてきているようです。そうしたことからTikTokは、2018年10月にAWAと提携するなど、音楽レーベルや配信事業者などとのパートナーシップを拡大しています。

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▲TikTokは音楽関連の事業者との関係を急速に強めており、2018年10月にはAWAと提携。2018年12月にはアプリ間の連携を実施するなどして関係を深めている

さらに2019年4月には、アーティストの新人発掘プロジェクト「TikTok Spotlight」を開始することを発表。音楽業界に対しても急速に影響力を高めている様子を見て取ることができます。

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▲サービスの仕組み上音楽との相性がよいこともあり、2019年4月にはTikTokを活用した新人アーティストの発掘プロジェクト「TikTok Spotlight」を始動させている


TikTokが狙うはYouTube対抗巨大プラットフォーム

音楽に強く若年層の利用が積極的ということもあり、若者向けのサービスと見る向きが強いTikTokですが、最近その動向に変化が見られるようになってきたようです。その1つが、動画のジャンルに多様性が生まれてきたこと。音楽に合わせて衣装を変えるファッション動画や、15秒で料理を完成させるレシピ動画など、TikTokの特性を生かしながらも幅広いジャンルの動画が増えているようなのです。

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▲口パクなどのパフォーマンスだけでなく、ビデオログや実用系など幅広い動画が投稿されるようになってきているという

もう1つは年齢層の広がりです。中国のTikTok「抖音」は既に幅広い層の利用者を獲得しているそうで、日本でも26歳以上のユーザーが3割程度を占める状況とのこと。日本におけるTikTokのテレビCMを見ても、当初は若い世代を意識したキャッチーな内容であったのが、最近ではややシックな内容のものに変化するなど、より高い年齢層を獲得するべく変化が出てきている様子がうかがえます。

ジャンルや利用者層の拡大によってTikTokが狙うのは、やはりYouTubeに対抗し得る、世界的に影響力のある大規模なプラットフォームになることではないかと考えられます。既に中国で大きな顧客基盤を持ち、なおかつ日本の他にも米国など多くの国で成功を収めているTikTokが、そのポテンシャルを秘めているのは確かでしょう。

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▲TikTokは日本だけでなく、米国やタイのApp Storeでもランキング1位を獲得したことがあるなど、世界的に人気を獲得している

若年層の「親嫌い」をAIで克服

さらにもう1つ、TikTokがポテンシャルを持っていると感じるのがAIです。バイトダンスは元々AI技術に力を入れている企業であり、TikTokもそのAIを活用することで、利用動向からその人の嗜好に合わせた動画をお勧めしてくれる機能に力が入れられていますが、このAIが大きな力を発揮するのが、若年層とより上の年齢層を、同じサービス内に共存させられることです。

若年層は基本的に、自分達が利用しているサービスに、親世代となる30、40代以上の人達が入ってくることをかなり嫌う傾向にあります。ですがサービス提供側としては、可処分所得が少ない若者向けに特化したサービス設計にしてしまうとビジネス拡大の余地がかなり狭められてしまうのが悩みどころです。しかしながらTikTokでは、AIを活用して若い人には若い人が見たい動画、40代には40代が見たい動画をリコメンドすることにより、同じサービス間で異なる世代が接触することを避けられるようにしているというのです。

日本版TikTok動画を米国版TikTokには投稿できない

これまで多くの動画共有サービスが登場しましたが、YouTubeに対抗し得るだけの大きな勢力を獲得するものは登場していません。それだけに、多くのポテンシャルを持つTikTokが、形は違えどYouTubeに匹敵する規模にまで成長することに期待する向きも多いのは確かです。しかしながら急速に人気を高めたサービスだけあって、そこに至るには多くの課題があることも忘れてはなりません。

中でも大きな課題となりそうなのは、TikTokの特徴でもある音楽に関してです。というのもTikTokに使用する楽曲の使用許可は、基本的に各国毎に取得しているものであるため、権利上の理由から例えば日本のTikTokで作成した動画を、米国のTikTokで公開することはできないのです。

そうしたことからバイトダンス側では、現在楽曲の許諾取得を世界的な形に広げることで、日本で作成した動画を他の国のTikTokでも見られるようにしていく取り組みを進めています。そうした許諾の取得が順調に進み、動画のグローバル化がなされていくかどうかは、TikTokが真にグローバル規模のサービスとなる上で、非常に重要な意味を持つといえるでしょう。

YouTuberばりに「TikTokで稼ぐ」仕組みは整備途上

そしてもう1つは、動画を投稿するクリエイターに金銭面で還元する仕組みが未整備だということ。TikTokはサービスの面白さが動画投稿の増加につながっている部分がありますが、熱しやすく冷めやすい若年層の利用が伸びを支えてきただけに、いずれ"飽き"が来てしまう可能性も否定はできません。そうした時が訪れてもなお、動画投稿者に対してのモチベーションとなるのがクリエイターへの還元策ですが、TikTokはまだこの部分があまり整備されていないのです。

既に一部の国ではクリエイターに課金する仕組みなど、何らかの還元の仕組みも始まっているようで、日本でも2019年に入ってからクリエイターの育成プログラムを立ち上げ、人気TikTokerの育成を推し進める方針を示しています。それゆえ今後環境整備は急速に進んでいくものと考えられますが、投稿者のモチベーションを高めるにはより積極的な取り組みが求められることになるかもしれません。

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▲TikTokは日本でも2019年よりクリエイター育成プログラムを開始。ただし国内でクリエイターへの直接的な課金や還元などの仕組みを提供するかについては未定だという

そうした課題をクリアし、TikTokが若者だけではない、より多くの人達に利用されるサービスとして定着できるのかどうか。今後大いに注目されるところです。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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