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VTuberは仮想化コミュニケーションのけん引役になるか:佐野正弘のITトレンドウォッチ

1億総バーチャル化時代の到来も近い?

佐野正弘(Masahiro Sano)
2019年5月11日, 午後12:00 in 3Dcg
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今回は、最近人気のVTuberから、VRとコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

CGなどによる仮想のキャラクターに扮して動画を配信するバーチャルYouTuber、いわゆる「VTuber」が注目されるようになったのは2017年末頃から。2018年にはインターネットネット界隈で大ブレイクし、多くのVTuberが誕生。最近では人気VTuberが雑誌のグラビアを飾ったり、テレビに出演するなど、一般での知名度も大きく高めているようです。

YouTuberとVTuerの決定的な違いは、ビジュアルがCGによるキャラクターだということ。実際にトークをしたり、動いたりするのは人間なのですが、そのビジュアルは全く異なるキャラクターであるという点が、従来のYouTuberとは異なる層の人気を獲得して人気が高まったといえます。

ミライアカリ
▲VTuber人気の高まりから、筆者もさまざまな取材でVTuberを目にするようになった。例えば人気VTuberの一人「ミライアカリ」は、2018年に実施された「東京ゲームショウ2018」の公式バーチャルキャスターに就任していた

人気の拡大とともに、VTuberにも多様性が生まれてきているようです。VTuberが人気となるきっかけを作り出したのが「キズナアイ」だったことから、VTuberといえば女の子のビジュアルというイメージが強く、現在でも確かに女性キャラのVTuberが多いことに変わりはないのですが、最近ではVTuberにも多様性が生まれてきており、男性のほか、動物や全く異なる生物など、さまざまなビジュアルのVTuberが登場してきています。

■誰でもVTuberになれるアプリが多数登場

一見すると誰でも手軽にできそうなVTuberですが、実際にデビューするとなるとYouTuber以上に高いハードルがあります。そもそもVTuberになるには他のキャラクターを勝手に使う訳にはいかないので、自身のビジュアルとなるオリジナルのCGキャラクターを用意する必要があり、美少女になるにしても絵心やモデリングなどのスキルが求められます。

さらにそれを動かすには高性能のパソコンや、自身の動きを反映させるためのさまざまな機器を用意する必要がありますし、口や顔の動きだけでなく、身体を動かすとなるとなおさら高度なハードウェアが必要となり、その分出費がかさんでしまいます。もちろん個人で全て用意することも不可能ではありませんが、容易ではないことは確かで、実際のところ人気のVTuberなどは企業がプロデュースしているケースも少なくありません。

ですが最近では、VTuberデビューのハードルを下げるため、手元のパソコンやスマートフォンでキャラクターを作成し、動かして動画にできるアプリやサービスが増えているようです。

例えばIVRという企業が提供するVTuber支援サービス「Vカツ」は、多数のパーツを組み合わせてキャラクターを作成し、実際に動かしたり、他のアプリやサービスで利用できるよう「VRM」という形式で出力したりできる仕組みを用意しています。またドワンゴがS-courtと開発した「カスタムキャスト」というスマートフォンアプリでは、スマートフォン上で美少女のキャラクターを作成し、顔の動きをトラッキングして表情を付けた映像配信ができる仕組みを備えています。


Vカツ
▲IVRの「Vカツ」はパソコンだけでなくスマートフォン版も提供。服装から顔、体系に至るまで細かくカスタマイズしてキャラクターを作成可能

またグリー傘下のWright Flyer Live Entertainmentが手掛ける「REALITY」では、さまざまなVTuberのライブ配信を視聴できるだけでなく、アプリ上でキャラクターを作成して直接ライブ配信できる仕組みを用意しています。さらにトライフォートの「GooMe」というアプリでは、顔だけでなくカメラを用いて腕の動きもトラッキングできるなど、より高度な表現をスマートフォンだけで実現する取り組みを進めています。

トライフォート
▲VTuberのライブ配信アプリ「GooMe」では、VTuberのキャラクターの作成に加え、顔だけでなく上半身の動きもトラッキングする仕組みが用意されている

■仮想現実の"ソーシャル化"に期待

VTuberデビューしやすくする環境が急速に整いつつある背景には、それだけVTuberがビジネスになると企業側が見ていることの現れといえ、VTuber人気が拡大するにつれそうした動きは一層加速していくでしょう。ですがそうした取り組みが行き着く先として、筆者は仮想化コミュニケーションと仮想現実(VR)の利用拡大に期待を寄せています。

VTuberの登場によって、仮想化されたキャラクターを通じてコミュニケーションすることに楽しさを感じる人が増えていること。そしてVTuber支援アプリなどで自身のキャラクターを作成し、それを動かして動画にすることが簡単になりつつあること。それらが相互につながり合えば、VTuberとの視聴者という"1対多"会話から、友達同士、あるいは家族同士が、互いに仮想化されたキャラクターに扮して"1対1"あるいは"多対多"のコミュニケーションをするということが起きうる訳です。

ソフトバンクマルチアングルVR
▲2019年3月22日にソフトバンクが福岡ヤフオク!ドームで実施した、5Gを活用した多視点でのVR試合観戦の実証実験より。VR空間を通じて試合を観ながら多人数でコミュニケーションできる仕組みが用意されていた

しかもVTuberのキャラクターは3DCGのものが多く、VRとの相性や親和性が非常に高いものです。それゆえVTuberを通じてコミュニケーションがVR空間へと広がれば、VRデバイスの普及も加速していくと考えられるでしょう。動画やゲームなどのコンテンツを楽しむVRでは広がりに限界がありましたが、それを通じてコミュニケーションをするようになり、日常生活に欠かせないものとなれば、VRデバイスを利用する機会が増え、一般化が進んでいくのではないでしょうか。

しかもVR界隈では、ここ最近「VRChat」に代表される、さまざまなキャラクターに扮してコミュニケーションする"ソーシャルVR"が急速に広まっています。またドワンゴらが設立したバーチャルキャストが運営する同名のサービスも、他の配信者に入り込める「凸機能」用意されるなど、VR空間内でのコミュニケーションを強く意識しているようです。コミュニケーションを意識したVRは、既に広がりを見せつつあるのです。

バーチャルキャスト▲ドワンゴとインフィニットループは2018年に「バーチャルキャスト」などを展開する合弁会社を設立したが、こうした動きもVRによる仮想化コミュニケーションの流れを象徴するものだ

とはいうものの、VTuberのようなキャラクターになって会話したい人なんて、限られているのでは? と思うかもしれません。ですが実は、キャラクターを通じた仮想化コミュニケーションは、既に多くの人が経験しているものなのです。実際過去を振り返ってみても、「ハンゲーム」や「モバゲータウン」が人気の時代から自身の分身となる「アバター」を着飾りながら、他の人達とコミュニケーションするという文化は、幅広い層に定着していました。

また最近の事例としても、アップルが「iOS 12.1」で、「グループFaceTime」と「ミー文字」を活用し、自分の顔だけでなく、さまざまな顔や動物のキャラクターに扮して多人数でのコミュニケーションが可能となっています。これも方向性こそ違えど仮想化コミュニケーションの一種といえ、そうしたコミュニケーションが今後広がる可能性を示唆しているといえます。

ミー文字▲「ミー文字」と、iOS 12.1で実現した「グループFaceTime」の組み合わせによって、さまざまな絵文字キャラクターを用いた多人数での仮想的なコミュニケーションが可能になっている

2018年に映画「レディ・プレイヤー1」が日本でもヒットし、VR空間でさまざまなキャラクターに扮してコミュニケーションできることが注目されました。VTuberの先には、そうしたVRと仮想化コミュニケーションの大衆化があるのではないかと、筆者は考えています。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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関連キーワード: 3DCG, AR, avatar, communication, SNS, VirtualReality, VR, VTuber, XR
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