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猛威を振るうトランプ台風。漁夫の利を得るのはどこ?:本田雅一のウィークリー5Gサマリー

影響拡大で需要を広げるのはGalaxyか、Xperiaか、はたまたPixelか

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年5月27日, 午後05:00 in 5g
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Ittousai, 8月13日
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"5G"とは直接の関係はありませんが、来日中の米トランプ大統領が署名した大統領令が、世界第2位のスマートフォンメーカーでもあるHuaweiの事業に甚大な影響を与えています。

日本は無関係かというと、そうでもなく、日本の部品メーカーが得意とする領域で発注のキャンセルが大量に出れば、一時的な業績に少なからず影響が出るのではないでしょうか。また生産調整が難しい半導体......特にメモリ(フラッシュもDRAM)は価格下落から大きな影響が出るかもしれません。

一方、グローバルでのスマートフォン出荷台数は、2019年に14億台を少し切る程度(IDC予測・正確には13億9490万台)と予想されていますが、このうち"少なくとも"2億台以上はHuawei製端末が占める見込みでした。というのも、Huaweiは2017年におよそ1億5000万台、2018年では2億台以上を出荷と急成長しており、おそらく今年は(北米では販売されていないにもかかわらず)2億5000万〜3億台程度の端末を出荷すると推測されていたわけです。

世界ナンバーワンのSamsungは年間出荷台数で3億台を割り込んでいることもあり、今年はナンバーワンがSamsungからHuaweiに交代する可能性が高かったのです。


"トランプ台風一過"に笑うのはSamsungとApple?

上位モデルにフォーカスしているAppleとは異なり、価格面で幅広いラインナップを持っているSamsung。近年は統合する方向ではあるもものの、国ごとの市場環境に合わせてモデルを用意してきました。グローバルでのナンバーワンを支えていたのはそうしたミドルクラスを含めた出荷台数で、それはHuaweiも同様です。

Samsungの場合、日本を含めた成熟市場ではSシリーズとNoteシリーズを主力にしていますが、新興国ではAシリーズなどミドルクラスが主力。シェア回復を狙ってSamsungはミドルクラスのモデルにも、上位モデルに近い外装仕上げを施し始めていましたから、Huaweiが減速すればミドルクラス端末での市場においてはSamsungがシェアを伸ばすことになるでしょう。

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一方でハイエンドモデルに関しては、そのままHuaweiの市場がSamsungに引き継がれるとは考えにくいところです。なぜなら、中国市場において"Huaweiとシェアを争っていた"一番のライバルはAppleだったからです。

Apple製端末は高価であるものの、質感や一貫性のある操作感、アプリのエコシステムなど、体験の質が整えられていることもあり(中国ではGoogleが事業を行っていないため、PixelもなければGoogle Playなどアプリマーケットや各種関連サービスもありません)、高級端末としてiPhoneが人気でした。

そのiPhoneが中国市場でのシェアを下げるにつれて伸びていたのがHuaweiだったのです。もちろん両社に完全な相関があるわけではありませんが、市場の成熟とHuawei製端末の完成度向上、独自SoCを用いて驚きのカメラ機能・スペックやAI機能を搭載し、Androidを採用する他のスマートフォンメーカーに対しても、独自の立ち位置を築いていたと言えます。

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Huaweiは必要な部材、部品を確保しており、当面は生産が続けられると話しているため、Google Mobile Service(前回のコラム参照)の継続的な提供ができなくなり日本や欧州での販売が滞ったとしても、中国では事業を続けられるかもしれません。

しかし、Huaweiが本来得意としているのは通信事業者向けのB2B製品やその補修サービスなどです。サーバや基地局制御の装置などで使われているプロセッサ(x86プロセッサを生産しているグローバルでたった二社しかない会社は、ご存知の通りどちらも米国企業)が使えないとなると、Huaweiは徐々に力を落としていくかもしれません。今後、人材流出や市場での存在感が薄れれば、中国国内でも本業ではないスマートフォン事業への投資が滞り、Huaweiから他社へのシフトが進む可能性は高いのではないでしょうか。

その結果、OPPOやXaomiのような中国メーカーがさらにデザインや機能を洗練し、Huawei製端末の後釜を提供することになるかもしれません。あるいは(米中摩擦による消費者感情の悪化などの可能性もありますが)Appleが中国市場でのシェアを回復することも考えられます。


日本国内だけで言えば......

もっとも日本市場はやや特殊な状況です。

ご存知の通り、政府方針もあって通信料金と端末料金の完全分離が進められた結果、ハイエンド端末が以前よりも割高に感じられるようになっています。もちろん、"支払い方"が変わっただけ......ではあるはずですが、景気とは気分で変わるもので、やはり絶対的な金額が高く見えると二の足を踏んでしまいます。

そのうえ、スマートフォン端末の価格は画面の大型化やカメラ機能の充実など、さまざまな要因で実際にコストが上昇しており、それは最終的な端末価格にも反映されています。肌感覚で言えば、ここ2年ぐらいで3割以上は値上がった感じでしょうか。

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Huaweiの端末も、もちろん最新のハイエンド製品でNTTドコモが販売する(現在は予約受付停止)P30Proが最新・最上級の端末としてEngadget読者にも注目株だったのでしょうけれど、Huaweiがもっとも存在感を示していたのはP30およびP30 Lite......とりわけP30 Liteの価格設定でしょう。

3万2880円でありながら、内蔵カメラはトリプルカメラ構成で、35mm版換算で17ミリ相当の超広角レンズや、HuaweiらしいAI画像処理、マルチフレームを合成する夜景モードなど、高価になり続けるスマートフォン端末に買い替えを躊躇していた消費者を振り向かせるには充分な魅力を備えています。

iPhoneに低価格モデルが投入される気配がないことから、こうしたエントリーからミドルクラスの価格帯でHuaweiが伸びるだろうことは誰もが予想していたことです。では、どこのメーカーがその穴を埋めるのか? 単純にはシャープやソニーに期待したいところですが、ソニーはミドルクラスが手薄なためシャープが漁夫の利を得ることになるかもしれません。

一方で意外に販売台数が伸びるかも? と思っているのがPixel 3a/3a XL。機能的にはシンプルですが、価格的にはHuaweiミドルクラスに近く、AI技術を用いた幻想的な画質も、そのテイストは違うものの近しいですしね。

トランプ大統領が、いつまでHuaweiに対する制裁を続けるのかにもよりますが、キャリアやMVNOも、このままの状態が続けばHuawei製端末に代わる別端末を販売せざるを得なくなるはずです。いや、すでに調達に動いていると見るべきでしょう。

最終的にキャリアやMVNOがどこのメーカーの端末に注力するのか。数か月もすれば、その結果は数字として現れてくるに違いありません。

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少しだけ5Gの話もしておくと

ところで、成熟市場と言われているスマートフォン端末ですが、それでも5Gネットワークの整備が進んだ後には、買い替え需要が喚起されてグローバルでの出荷台数が回復に転じると見られています。

こうしたテクノロジが変化するタイミングでは、主役となるメーカーが交代することはよくあるものです。あるいは5G技術を多く抱え、基地局などインフラ技術を本業とするHuaweiが、自社SoCはもちろん、自社モデムを擁し、価格帯性能比に優れた端末でSamsungを大きく超え、世界一になっていくだろうというのが、当初の筆者の予測でした。

今回のことで、その予想は修正せざるを得ませんが、Huaweiがそこにいなければ、他メーカーがその需要を満たすでしょう。確かにHuaweiに匹敵する、SoC、カメラ技術、生産技術などを持ち、サプライチェーンの中で影響力の大きいメーカーは簡単に現れないでしょうから、AppleとSamsungが笑うだけで終わる可能性もありますが、もしかすると"意外な新人"を生み出す結果になるかもしれません。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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