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携帯料金、競争もとめ劇薬投入 スマホ割引『上限2万円』の根拠は

総務省会合、『長期契約特典』もやり玉に

石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年6月18日, 午後02:10 in smartphone
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総務省は、携帯電話販売を巡る制度を検討する有識者会合にて、今後の携帯電話販売の動向を大きく左右する規制案を提案しました。

この提案は6月に成立した改正電気通信法に付随する省令案として出されたもの。スマートフォンなど携帯電話端末の販売にともなう値引きの上限を「2万円」とするほか、2年契約型のプランの解約金を上限を「1000円」に制限するなど、具体的な金額も提示されました。


■端末値引き"根絶"目指す総務省

携帯電話の料金制度を検証するこの有識者会合は、これまで15回に渡って開催されていますが、「2万円」や「1000円」という具体的な金額は、前回6月11日に非公開で開催された第14回会合にて初めて提示されたものです。出席した有識者からは、金額設定の根拠を問う意見が続出しました。

改正電気通信事業法では、「通信契約の継続を条件とした端末値引き」が禁止されています。禁止される値引きの具体案として総務省が示したものには「2年契約のプランを選んだ場合のみ端末を安くする」「通信サービスとセットでのみ端末を値引き販売し、単体販売は行わない」といった例も含まれます。こうした販売形態は現在の携帯電話販売の大部分において当てはまります。禁止はかなり踏み込んだ措置と言えるでしょう。

総務省の目的は携帯電話市場を競争市場にするという政策を進めることにあります。会合で配られた説明資料の冒頭では、「基本的な考え方」として、端末割引について「2年を目処に事実上『根絶』する」という強い言葉で方針を示しています

総務省

■見込み収益「3万円」より"一段階低い"割引上限

携帯電話端末の値引きについて、2年後の"根絶"までの移行措置として「上限2万円」という値引き上限額が提示されました。また、発売から24カ月を過ぎた製品は「在庫端末」として5割(半額)までの値引きを許容。さらに、製造が中止されて24カ月が経過した製品は8割までの値引きを認めるという、携帯キャリアの在庫処分への配慮を盛り込んでいます。

ただし、この「2万円」という金額の算定根拠は不明瞭で、有識者からの指摘が相次ぎました。総務省の試算では、現在キャリアが1人のユーザーにスマホを販売したときに得られる見込み利益について「3万円」と算出しています。

野村総合研究所の北俊一パートナーは「2万円の値引きは、いささか根拠が希薄だ」として、納得できる算定根拠を示すべきと指摘しました。

総務省は「2万円」の値引き上限について「3万円という試算は現在の市場を想定したもの。より厳しい規制によって市場の変革を促したい。2万円は競争市場へと確信するための"一段階下回る"金額として設定した」と説明しました。

総務省

また、前回の非公開会合で総務省側提示され、降ってわいたように提起された「解約金上限1000円」案について総務省は「スイッチングコストを低減(他社への乗り換えをしやすく)し、競争市場への抜本的な改革を促すという私たちの意思を示したもの」と説明。その根拠として、ユーザーアンケートで「8割のユーザーが納得する金額」として1000円を提示したとします。そして、2年契約のプランと契約期間無しのプランの料金差についても「月あたり170円」を上限とするよう定めています。

これはつまり、総務省は政策的に「2年縛りを無くしていく」というスタンスを明確にしたということ。「2年契約を実質的に禁止する」という施策にほかなりません。

情報通信政策論の専門家である慶應義塾大学 大学院の黒坂達也特任准教授は「エビデンスに基づいた政策形成が求められる中で、今回の総務省の施策決定のあり方には課題があることを指摘せざるを得ない」と、政策決定プロセスの不透明さを批判しました。


総務省

■「長期ユーザーへの特典」も規制対象に?

総務省はあわせて、「長期ユーザーへの値引き」も規制対象とする方針を示しています。これは大手キャリアなどで実施されているもので、たとえば2年契約の更新時に3000円相当をポイント還元するプログラムなどが存在します。

大手キャリアはこれらのプログラムを長期ユーザーへの還元策として導入していますが、総務省は「2年維持なら9500円還元、といった形になると、転出への抑止策になる」と、キャリアの"逸脱行為"を懸念しました。この規制の是非を巡っては有識者からの意見が別れています。

総務省

競争法を専門とする中央大学の西村暢史教授は「還元は消費者にとっても有益なこと」として政策の理念に沿っているかを実体的に判断する必要性を示しました。

慶応大学の黒坂特任准教授は「MNO(大手キャリア)とMVNOの長期割引の内容は明らかに異なる。MNOのみなさんが(還元を)頑張りすぎているところも見受けられる」と長期利用者向け割引に格差があることを指摘しつつ、「MNOとMVNOは、必ずしも同じ市場で競争しているわけではない」として、規制する必要性については疑問を呈しました。これはつまり、「料金が安いからMVNOから選ぶ」「充実したサポートが必要だから大手キャリアを選ぶ」といったように、それぞれのユーザーが必要なサービスを絞りこむなかで、長期割引は必ずしも大きな足止め要因になっているとは言えないという指摘です。

電気通信分野を専門とする弁護士の森亮二氏は、長期ユーザーへの還元について「拘束的効果が行きすぎると良くないというのはその通りだが、"拘束の是正"は究極の目標ではない。"消費者保護"を実現するという目標に沿って判断すべき」と言及。総務省が料金を下げることを要請しながら長期ユーザーへの還元を規制を検討している状態を「アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいるようなもの」として批判しました。



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Source: 総務省
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