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仮想通貨騒動で停滞したブロックチェーンが再び盛り上がるのはなぜか(佐野正弘)

利活用は本格的に進むか

佐野正弘(Masahiro Sano)
2019年7月2日, 午後12:30 in Blockchain
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矢崎 飛鳥, 10月29日
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米フェイスブックは2019年6月18日、スイスに新しい子会社「Calibra」を設立し、仮想通貨「Libra」を用いた金融サービスを2020年より提供することを明らかにし、話題となっているようです。

フェイスブックはLibraの提供によって、フェイスブックが提供する「Messenger」や「WatsApp」などを通じてLibraによる送金をしたり、決済したりできるようになることを目指しているようです。またLibraのプロジェクトにはフェイスブックの他、Lyftやebay、Spotifyなどのインターネット企業や、ビザ、マスターカードなどのクレジットカード会社も参加していることから、その規模の大きさも注目を集める要因の1つになっているといえるでしょう。


▲Facebookは子会社を通じ、仮想通貨「Libra」を活用した金融サービスの提供を発表。Libraの送金や貯金、決済などへの使用ができるようになるという

ですが仮想通貨と聞くと、現在はネガティブなイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。一時は大きく盛り下がった仮想通貨、ひいてはそれを支えるブロックチェーンに関する取り組みですが、ここにきて再び盛り上がりを見せているのはなぜかを考えてみたいと思います。

仮想通貨やブロックチェーンが注目されたのは、やはり2017年から2018年の年の初頭にかけて、ビットコインなど仮想通貨の価格が急速に高騰したことにあります。それによって個人投資家などからの関心が高まり、仮想通貨の取引所やマイニングなどに参入する企業が急増。仮想通貨取引所のテレビCMが連日放映され、マイニングに必要な高性能のグラフィックボードが人気となり店頭から姿を消すなど、その盛り上がりは思わぬ所にまで余波をもたらしたというのは、記憶に新しい所です。

ですが2018年に入ると、バブルがはじけて仮想通貨の価格は大暴落。それに加えて、2018年2月にはコインチェックが仮想通貨を流出するなどの問題が起きて仮想通貨に対する信用が大きく揺らいだほか、感染したパソコンなどを使って勝手に仮想通貨をマイニングするマルウェアが登場するなどしたことから、仮想通貨に対するネガティブな印象が広がっていったといえます。

ですがよくよく考えてみると、仮想通貨はブロックチェーン技術がもたらした成果の1つに過ぎません。そもそもブロックチェーンは「分散型台帳」とも言われるもので、1つの台帳を、多くの人達(が持つコンピューター)が直接通信しあうP2Pのネットワークで共有し、発生した全ての取引を記録するという技術です。情報の追跡がしやすい上に偽造や改ざんなどがしにくいことから、特定の企業や団体などに依存することなく、デジタルデータの価値を証明できることが、ブロックチェーンの重要なポイントなのです。

価値を証明できるからこそ、ブロックチェーンによって仮想通貨の仕組みが実現できた訳ですが、当然のことながらブロックチェーンはデジタル通貨のためだけの技術ではありません。それゆえ他にもさまざまな場面で、ブロックチェーンの活用は期待されているのです。

例えば仮想通貨の1つとして知られる「イーサリアム」は、その上でさまざまなアプリケーションを開発できる、プラットフォームとしての側面も持ち合わせています。それゆえイーサリアムのプラットフォーム上で開発された、「DApps」と呼ばれる分散型アプリケーションもいくつか登場しています。

その一例として、イーサリアムのDAppsとして人気のある「CryptoKitties」というゲームを挙げてみましょう。これは猫を交配させて新しい猫を誕生させ、育てていくシンプルな育成ゲームなのですが、大きなポイントは誕生させた猫のキャラクターの価値が、ブロックチェーンによって保証されているということです。

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▲イーサリアムのDAppsとして提供されているブロックチェーンゲーム「CryptoKitties」。従来のゲームとは異なり、キャラクターの価値が保証されているのが大きな特徴となる

それゆえ従来のゲームのように、ゲームの運営側が恣意的にキャラクターの中身を操作することはできませんし、ゲームの運営会社がつぶれてキャラクターが消滅することもありません。キャラクターが自立した価値を持っているので、その売買をクリアな形で実現できるというのが従来のゲームと大きく異なる違いとなっており、それがゲームに新しい価値をもたらす可能性があるとして、注目されているのです。

ブロックチェーン=仮想通貨、という印象が根付き、その仮想通貨でトラブルが相次いだことが、ブロックチェーンにとってマイナスな印象を与えてしまったことは確かでしょう。ですがそれは、デジタルデータに価値を持たせるというブロックチェーンの技術自体の可能性を変えた訳ではありません。ゆえにネガティブなイメージが広まってもなお、ブロックチェーンに注目して積極的に取り組む企業は増えているのです。

実際フェイスブック以外にも、ブロックチェーンの活用を公にしている企業はいくつか存在します。国内での代表的な例を挙げますと、LINEは2018年9月にブロックチェーンを活用したプラットフォーム「LINE Token Economy」の提供を発表しており、2019年5月にはその上で動作するDAppsの1つ「4CAST」を正式リリースしています。

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▲LINEはブロックチェーンを活用した「LINE Token Economy」を提供。独自の「LINK Chain」の上で流通する「LINK」などのコインとDAppsを提供して新しいプラットフォーム構築を進めている

またLINEに関しては最近、海外で展開している仮想通貨取引所を、近く国内でも開設するのではないかという一部報道がなされています。LINE側はそれに対して「決定している事実はない」とのコメントを発表していますが、この報道を受ける形でLINEがブロックチェーンに関して何らかの新しい動きを見せるのではないか?という見方が広がっているようです。

また楽天も、2018年にブロックチェーン技術を用いて楽天のポイントを仮想通貨化し、世界各国に展開する「楽天コイン」構想を打ち出しています。この構想は構想まだ大きな動きを見せていませんが、楽天は2018年に仮想通貨取引所の「みんなのビットコイン」を買収し、2019年3月に「楽天ウォレット」へと名称変更。サービス開始が当初予定の2019年6月から今夏以降へと延期されていますが、今後サービス開始とともにブロックチェーンへの新たな動きを見せてくる可能性はありそうです。

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▲楽天は2018年に実施された「Mobile World Congress 2018」で「楽天コイン」の構想を発表。楽天のポイントをグローバルで流通するため、ブロックチェーンを用いた仕組みを構築するという

またハードウェアに関しても、HTCがコールドウォレット機能を持つ「Exodus 1」を発表していますし、サムスン電子も「Galaxy S10」に、「Samsung Blockchain Wallet」という仮想通貨のウォレットを提供しているようです。より小規模な企業であれば、日本での発売が話題になったコールドウォレット搭載の「FINNEY」や、ブロックチェーンのネットワーク上で通話やメールなどができる「XPhone」など、スマートフォンにブロックチェーン技術を取り入れるという動きはいくつか見られ、現在も積極的に進められていることが分かります。

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▲いくつかのスマートフォンメーカーもブロックチェーンに力を入れており、HTCはコールドウォレットを標準搭載した「Exodus 1」というスマートフォンを投入している

一時大暴落した仮想通貨も最近は上昇傾向が続いており、バブルの頃までとはいかないものの、再び値を戻しつつあるようです。新しい技術は大きな変動を経て徐々に受け入れられていく傾向にあるだけに、ブロックチェーンも仮想通貨の価格上昇とともに信用を取り戻すことで、利活用が本格的に進んでいくことになるのかもしれません。



「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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