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それって誰のためのサービス?プレ5G、7Payから得られる教訓:本田雅一のウィークリー5Gサマリー

結局使うのは消費者

本田雅一, @rokuzouhonda
2019年7月10日, 午前07:30 in 5G
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あまり皮肉っぽいことは書かない主義なのですが、個人ブログ的な連載なので、少し許してくださいませ。このところ、"それ、誰のためにやってるの?"というサービスや商品を見かけるたび、それを手がけた人たちは何をモチベーションに仕事をしているのか、いまひとつ理解に苦しむことがあります。

意図はわからなくないのだけど、それわざわざ○○じゃなくていいんじゃない?ってやつです。たいていの場合、その"お印"があれば何かしらの予算がつくから何かやろうぜとか、バズワードゆえに上から"とにかくやれ"と指示されたから突貫工事でやってみましたとか。

もちろん、そういうところから新しい価値が生まれることがあるとは思いますが、さぁさぁもう少し落ち着いてもいいんではないの? と思うわけです。

......って何の話かというと、5Gプレサービスに関連した発表やセブン・ペイのお話。5Gプレサービスに関しては、まぁしょうがないことはしょうがないわけですよ。だって、もう目の前に迫っている状況で、何かをやらねばならない。しかしやるべき"何か"は、いったいなんであるかもわからない。そんな状況下でバズる話を発信しなければならないというのは並大抵のことじゃありません。

"5G"を活かしていなくても、それは5Gである

当たり前のことなのですが、新しい技術が出てきたからといって、アプリケーションがいきなり変わるわけじゃありません。さまざまな意見、さまざまな考えを持つ人がいて、新しい技術から発想を飛ばして新しい使い方が生まれ、さらに新しい使い方が別のアプリケーションをもたらす。これまで、そのようにして色々な技術が進歩してきました。

そうは言っても、「では何をする?」と突然問われ、、それが聞いたこともないようなテーマだとしたら、すぐに始められるわけもありません。そんなケースではまず"今までと同じ使い方"を新しい技術で行ってみる、そんな実に無難なやり方から始まることが多いものです。無難だから意味がないのか? というと、"必ずしもそうではない"でしょう。

5g

先日、石川 温さんが5Gの電波をたっぷり浴びてらっしゃいましたが、5Gのパフォーマンスを体験すると、これまでとは発想が変化するかもしれないですよね。

特徴を活かしていなくたって、5Gに触れる人が一人でも多くなれば、"こんなことをしてみたい"という考えが生まれるものです。ぶっちゃけた話、5Gを活かしていなくとも、5G NRを使っていれば5G通信なんですから。もっとも、やはり"インスパイア(感化)"を受けるようなトライでなければ、とは思いますよね。

さて、少々長ったらしく始めましたが、今週、5G関連の話題でインスパイアを受けるようなトライアルはあったでしょうか? もっとも話題になったのは、ソフトバンクが実施する5Gプレサービスを使って、FUJI ROCK FESTIVAL 19をVRで楽しむというイベントでしょうか。大人気のフェスですから、そりゃもちろん......と思いたいところですが、よくよく確認してみるとちょっと疑問アリのプランでした。

フェスの良さってなんだろうね?

VRとは仮想現実のことですから、大人気で人が多く、ステージ間の移動は大変、トイレも長蛇の列と、楽しいけれど何かと困難も多いFUJI ROCK FESTIVALがバーチャルで体験できるなら、そりゃ素晴らしいに違いありません。

5g

ただ、ソフトバンクが発表しているシステム構成を見ると、これまでなら光回線を用いなければならなかった通信区間を5Gに置き換えることによって、FUJI ROCK FESTIVALのような広域かつ常設会場ではない場所でも充分な品質の映像を送受信できる......ということで、VRとは直接関係がないような......。

というのも会場の映像を送信する部分に、こちらもソフトバンクが協賛する5G回線を通じてYouTube Liveで映像を配信。この映像を会場にあるソフトバンクブースで5G回線を通じて受信し、会場を模した仮想フェス会場の空間にバーチャル投影。仮想空間に映し出されるステージの映像が楽しめるだけでなく、他の参加者との交流も図れるのだとか。

すなわち、光回線の引き込みが難しい環境の元、高品位な映像のアップロードとダウンロードを無線で行うということなのだけど、いくらなんでももう一捻り欲しくないですか? と思ったのは僕だけでしょうか。

ところで、フェスの良さってなんでしょうね?

確かに会場内の移動は大変ですし、スケジュール的にステージ間移動が無理な場合もあります。そんなときにサクッとお目当てのアーティスト映像に辿り着けるのはありがたいでしょうけれど、それがVRである必然性は感じません。

その場の空気、同じアーティストを囲んで他のファンと一体になる感覚、生ならではの迫力などにほかならないわけで、フェス会場でVRヘッドセットを被って、VR空間に貼り付けられた映像を観るのであれば、フェス会場内の他ステージを疑似体験できる閉鎖スペースに仲間と一緒に入れる、とかの方が楽しそうなうえ、より多く人に楽しんでもらえそうですが......。

もっとも、実際にはFUJI ROCKの観客動員数に見合うだけのすんごい多くのヘッドセットが用意され、周りが昼なのか夜なのかすらよくわからなくなるぐらいの没入感で、会場にいるってことをついつい忘れてしまうような企画なのかもしれません(汗) 新たにインスパイアされたお友達が生まれるか。会場からのレポートを期待したいところです。

(5Gはまったく関係ないのだけど)ところで7Pay(セブンペイ)って必要なんですかね?

こんな与太話で済ませて1本というわけにはいかないので、先週末からすんごく疑問に思っていることをひとつ書きます。

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杜撰なシステムや、トラブル発生後の対応の遅さ、当事者意識の低いどこか他人ごとのような記者会見など、セブン・ペイにまつわる疑問はいっぱいあるのですがは"そもそも"の話で言うならば、セブン-イレブン・ジャパンがセブン・ペイを開発した理由がよくわからんのです。

いくつか仮説を立てながら、考えてみましょうか。

・QRコード決済の方がNFC決済より導入しやすい!

決済インフラがない、もしくは機材が導入しにくいお店でも、低い初期導入コストで利用しやすく、個人間送金をするのにも便利だよね。そんなところがQRコード決済の良さでしょう。しかしFeliCaがこれだけ普及した日本において、QRコードが便利な場面はそれほどありません。

政府によるキャッシュレス社会実現の後押しなどもあって、各社がしのぎを削っている昨今。昔のように初期コストや手数料が高すぎて導入できない! なんてことも少なくなくなってきました。まぁ、手数料に関しては所詮、キャンペーンで無料なだけでしょ? というのもありますが、それを言うならばQRコード決済だって手数料はありますからね。

地方の小さなレストランでも、複数の決済サービスに対応した端末が導入されている中、すべてのPOSレジが非接触ICカード決済に対応しているというのに(しかもセブン-イレブン・ジャパン自身、nanacoを提供しているのに!)、あらためてセブン・ペイを導入する理由は......うーん、謎ですよね。

・QRコード決済はスマホユーザーがみんな使えるし、お手軽で手早い

QRコード決済が最初にひろがった中国本土であれば、確かにこうした利点もありました。中国の場合、従業員に現金を扱わせたくないということもあったようで、みんながスマホな中でモールのフードコートやカフェなどを中心に一気に広がった......なんてことを聞いたのは、もう何年も前の深圳でのできごと。

日本の場合、オンラインでQRコードを生成して決済しなくとも、そもそも安全な決済システムが普及しているうえ、決済そのものの速度も非接触ICカード決済の方が早いですよね。そもそもアプリを起動しなくていいですし。

それに対応端末に関しては、グローバルモデルは別として、国内向けに販売されているAndroid端末がモバイルFeliCa対応になったのはずいぶん前のことですし、iPhoneでも7以降は対応。Apple Payが対応するサービスはモバイルFeliCaほどではありませんが、必要充分な決済サービスを網羅しています。

・独自の決済システムに誘導することで系列店舗に顧客を誘引したい

おそらくこういう意図なのかなぁ......とは想像しているのですが、それ、本当に顧客を惹きつけるでしょうか?

QRコードを使った決済サービスを使っているみなさんの多くは、おそらく"たくさんのポイントがつくから"でしょう。初期の頃は20%ぐらいの金額が戻ってくることも多かったわけで、それは利用しない方が損ってな話です。

実際、筆者自身、昨年末に得たPayPayのポイントをコンビニで使い続け、使った金額の一部が還元されるのを繰り返し、4月末ぐらいまでは一回もPayPayに入金したことがありませんでした。その後もワリカン時にPayPayで受けとることもあり、いまだに自分のお金を入金していません。

つまり、何が言いたいかというと、こういうお得なこと、あるいは個人間送金で受けとったクレジット以外で積極的に使うモチベーションは(現時点では)ありません。たとえセブン・ペイを立ち上げ、使ってもらったとしても「何らかのお得」を提供し続けない限り使い続けてもらうことは難しいのではと思うのです。

実際、セブン-イレブンで他のQRコード決済が利用できますからね。他にお得な決済サービスがあれば人は簡単に乗り換えます。ならば、これまでのように単なるクーポンコードの発行サービスに留めておけば、今回のようなことは......(以下自粛)。

それは誰のためのサービスですか?

セブン・ペイで支払いしてもらい、アプリで電子クーポンを発行することで再訪してもらう。そのサイクルを作ることができれば、セブン-イレブン・ジャパンにとってはプラスなのでしょう。おそらくファミリマートも同様の意図があるのだと思います。

でもね。使うのは消費者です。

なぜQRコード決済なのでしょう。流行だから? クーポンをアプリに送り作ることができるから? それとも1対1でプロファイルが明らかな顧客とつながり、購入履歴などから最適なクーポンの発券ができるから? いずれにしろ、消費者が"ワタクシゴト"として考えられるサービスでない限り、ユーザーの定着は難しいのではないでしょうか。だって乗り換えのコストがほとんどないんだもの。明確な"割り戻し"はワタクシゴトだけど、他の要素はたいした利点がないか、どちらかといえば店舗や決済サービス運営者側の都合ですからねえ。

5g

ソフトバンクの5Gプレサービスに対しても厳しいことを書きましたが、単にイベント的に面白いというだけではなく、体験する人、そして体験する人の話を聞く人。みんなが自分自身の体験に置き換えて想像できるようなことであれば、きっと「WOW!」というものになるでしょう。まだ時間はありますから、期待したいですね。




「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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