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サンソフトお蔵入りのFC版『ターミネーター』プロモビデオ発掘。プロット変更がライセンスをターミネート

T-800:サラ・コナーはどこだ

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年7月9日, 午後01:40 in AV
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1990年8月、サンソフトは『ラフワールド/[rʌf] WORLD』と称する近未来SFアクションゲームを日本で発売し、その1か月後には米国でも『Journey To Silius』というタイトルで発売しました。違いはタイトル画面と主人公キャラの外観ぐらいですが、この2作品はもともとまったく異なるゲームとして売り出される予定でした。

1989年、ラスベガスで開催されたWCES(現在のCES)において、サンソフト・オブ・アメリカは映画『ターミネーター』をファミコン向けにゲーム化することを告知しました。会場ではT-800として知られる若きアーノルド・シュワルツェネッガーのあの写真を使ったポスターや、ゲームをプレビューする映像が流されていました。

プレビューとは言っても、まだ開発は進んでいなかったため、映像は多くが映画からそのまま流用されており、実際のゲームの画面はタイトルグラフィックといくつかのカットシーンが映し出されるのみの状態でしかありませんでした。それでも「映画そのまま」で「驚くほどリアルな」グラフィックを実現すると豪語し、人々の期待を煽っていました。

まだインターネットが普及していなかった当時、プレス関係者向けには資料やプロモ映像を収めたビデオテープが配布されていました。このほど、ゲーム資料保存グループ「Gaming Alexandria」は当時配布されたターミネーターのプロモーションビデオを収めたテープを発掘して公開しています。



その年の後半になり、サンソフトはようやく完成したファミコン版『ターミネーター』を、映画のライセンスを管理するCreative Licensing Corporation(CLC)へと持ち込み、創設者のRand Marlis氏にデモを見せました。ところが、Marlis氏はそのデモを見てサンソフトから『ターミネーター』のライセンスを引き上げてしまいます。その理由は、ゲームに現代の世界やサラ・コナーが登場せず、未来の世界でスカイネット率いるターミネーターの軍隊と戦うカイル・リースを主人公としたものになってしまっていたから。開発にあたった日本のチームに対し、サンソフト・オブ・アメリカ側からは情報提供も入力もなかったことも原因のひとつかもしれません。

もはやゲーム自体が「映画そのまま」ではなくなってしまっていたことに関し、Marlis氏は「企画段階で具体的な内容が提示されれば、それが権利者の許容範囲か判断できたはずだ」と述べています。

その後、サンソフトが得るはずだった「初の『ターミネーター』ゲーム化」の称号は1990年にBethesdaが発売したPC向けの3Dシューティング『The Terminator』に贈られることとなり、ファミコン向けとしては1992年にパック・イン・ビデオが発売した『ターミネーター2』まで、ターミネーター関連の作品は出ませんでした。一方、宙に浮いたサンソフトのターミネーターはその後、タイトルと一部のグラフィックを変えて『ラフワールド/[rʌf] WORLD』として発売され当時のゲーマーの間ではなかなかの佳作との評価を得ました。

もしも、サンソフトがライセンスを失っていなければ、ゲームのなかでカイル・リースがスカイネットを打ち破り、いまのような映画『ターミネーター』シリーズの迷走はなかったかもしれません。



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