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「IoT」はなぜガジェットを面白くしていないのか(佐野正弘)

間接的には生活に大きな影響を与える

佐野正弘(Masahiro Sano)
2019年7月9日, 午後04:30 in IoT
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今回は「IoT」について触れていきたいと思います。IoTはInternet of Things、つまりあらゆるモノがインターネットにつながることを示す概念で、多くの企業がIoTに関する取り組みを打ち出していることから、その言葉を聞いたことがあるという人は多いかと思います。

IoTの概念が注目されるようになった2015年頃は、ちょうどスマートフォンが飽和傾向になりつつあった頃であり、IT産業の成長を推し進める"次"のテクノロジーが求められていた時期でもありました。それゆえIoTの概念を取り入れたインターネットにつながる"モノ"が、「IoT」関連のデバイスとして取り上げられ、大きな注目を集めるに至った訳です。

その代表例として挙げられるのが、スマートロックや窓の開閉を知らせるセンサー、スマートフォンと連動して情報を伝えるゴミ箱や傘立てなど、スマートホームを司る機器の数々だったといえます。インターネット経由で家電などをコントロールするスマートホームは、一般消費者にもIoTの概念が伝わりやすいプロダクトであったからこそ、注目されたといえるでしょう。

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▲「Qrio Lock」などのスマートキーは、IoTへの関心が高まった時に注目されたプロダクトの1つだ

ですが以前にも取り上げた通り、その後スマートホームが現在大きく盛り上がっているかというと、必ずしもそうとはいえません。他にもIoTを分かりやすく示すプロダクトがそれほど多く生まれている訳ではないことから、ガジェット好きの心をくすぐるキーワードとはなっていないのが現状といえるのではないでしょうか。

ですが一方で、今後の成長領域の1つに「IoT」を掲げ、積極的に取り組む企業は少なくありません。例えばソフトバンクはかねてより、注力分野として「AI」と「データ」に加え、「IoT」を掲げ積極的に取り組む姿勢を示しています。

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▲ソフトバンクはかねてより、IoTを注力する技術の1つとして掲げている

市場ではあまり盛り上がっていないにもかかわらず、企業がIoTに熱い視線を送るのはなぜでしょうか。それはIoTがあらゆる産業のデジタル化を推し進める上で、重要な技術になると見られているからです。

これまでのIT技術で業務の改善が進んだ仕事といえば、事務や経理など、主として三次産業の一部職種に限られていました。その理由は、IT技術がパソコンやスマートフォンを中心に進化してきたため。こうしたデバイスは、オフィスや外出先などで利用するものであったことから、主として机上でする仕事のIT化を進めることにつながったといえます。

ですが一方で、製造業や建設業などの二次産業、農業や漁業などの一次産業に関しては、机上で仕事が収まる訳ではないため、IT化が難しかったといえます。もちろん労務の一部をIT化することはできたのですが、パソコンが建設機械などを直接動かせる訳でもなければ、魚を獲ることができる訳ではないので、ITで改善できる業務には限界があった訳です。

ですがIoTの概念が広まれば、パソコンやスマートフォンだけに限らない、あらゆる機器がインターネットにつながり、その上で動作するクラウドやAIなどをフル活用できるようになります。そうなれば、例えば建設業であればネットワークを介した建設機械の遠隔運転などができるようになりますし、農業であれば従来勘に頼っていた、苗を植えたり収穫したりする時期の判断を、センサーから読み取った天気や気温の情報などを基にAIでするということも可能になる訳です。

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▲NTTドコモが宮城県で2016年に実証実験を実施した「水温センサ付きブイ」。ブイに水温センサーを装着し、携帯電話回線を通じて水温をクラウドに送る仕組みで、従来は舟を出して計測する必要があった水温の測定を、IoTで自動化するという事例の1つだ

それゆえIoTはあらゆる産業や業界をデジタル化し、業務効率化につなげられるとして、法人向けのビジネスでは熱い視線が送られている訳です。特に今後は、IoTのネットワークの本命とも言われている「5G」が日本でもサービス開始されることから、それに合わせてIoTを活用したビジネスが拡大していくものと考えられます。

......と、ここまで聞くと、やはりIoTが我々に影響を与えるものにはならないのか、と思ってしまうかもしれません。ですが間接的にであれば、我々の生活に多数のIoT機器が入り込み、生活に大きな影響を与えるものになっていくと考えられます。例えば電気やガスの自由化と共に設置されるケースが増えている、スマートメーターなどは生活に密着したIoT関連機器の代表例といえるでしょう。

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▲日本瓦斯がソラコムと共同開発した「スペース蛍」。ガスメーターの使用量を読み取り、無線通信でクラウドに送信、収集するデバイスだという

では、それがガジェット好きの興味をそそるものにつながっていくのかというと、今後その可能性が高まるのではないかと筆者は見ています。なぜなら法人向けのIoTに関する取り組みが加速することによって、IoT向けの通信サービスや無線通信モジュールの利用が広まり、さらに低コスト化も進むことによって、法人向けだけでなく、コンシューマー向けのさまざまな機器に搭載しやすくなると考えられるからです。

例えば「ポケトーク」などに代表される自動翻訳機は、世界各国で利用できるIoT向けの安価な通信サービスが登場したからこそ、実現できたものといえるでしょう。他にも子供やお年寄りの"みまもり"を目的とした機器を中心として、IoT向け通信サービスの利用は広がっており、今後一層機器のバリエーションが広がっていく可能性は高いと言えます。

通信機能をデバイスに搭載するとなると、その通信料をどう支払うか?という問題が出てきますが、これも先例を見ると解決は容易といえます。実際ポケトークは2年間の通信料とセットで販売するという仕組みを採用しており、今後登場する機器も、契約の複雑さを回避するため同様の仕組みが取られる可能性が高いと考えられるでしょう。

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▲ソースネクストの「ポケトーク」は単体での販売だけでなく、2年間使用できるソラコムのSIMとのセットで販売されている

IoTがガジェットを面白くするにはもうしばらく時間が必要でしょうが、そうした時期はいずれ確実に来るのではないかと、筆者は考えています。




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