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IIJの「eSIM」を検証、iPhoneでデュアルSIMの使い心地は:週刊モバイル通信 石野純也

料金プランの拡充は今後の課題

石野純也 (Junya Ishino)
2019年7月10日, 午後01:50 in mobile
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IIJが、コンシューマー向けのeSIMサービスを、7月18日に開始します。当初はベータ版という位置づけで、料金も「ライトスタートプラン(eSIMベータ版)」の1種類のみ。高速通信可能なクーポンもシェアできなかったりと、ドコモ回線を使ったタイプDやau回線を使ったタイプAよりも、仕様は制限されますが、オンラインで即発行でき、その場でiPhone XS、XS Max、XRといった対応端末にダウンロードできるのは手軽です。

料金は6GBまでの高速通信が可能で月額1520円と、まさに格安SIMらしい設定。iPhoneの場合、eSIMは2枚目のSIMとして機能し、設定するとSIMカードスロットに入れた1枚目のSIMカードとのDSDS(デュアルSIM/デュアルスタンバイ)になります。そのため、1回線目を維持しつつ、データ通信だけをIIJmioに切り替えることが可能。1回線目の大手キャリアの段階制プランにしておけば、2回線合わせて料金を節約できます。

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▲料金は月額1520円で、6GBまで高速通信を利用可能

国内回線を使った初のeSIMサービスですが、その使い勝手はどうでしょうか。サービス開始に先立ち、検証用としてメディアに配布されたeSIMのプロファイルをダウンロードしてみました。まず、設定ですが、これは他のeSIMサービスと同様、QRコードをiPhoneで読み取る形になります。アップルはeSIM設定用のAPIも用意しており、海外を見るとこれを使ってアプリを開発、公開しているキャリアもありますが、IIJはサービス開始を優先し、どちらかというと手軽に実現できるQRコードを採用したそうです。

アプリの方が、アカウントの作成から契約、プロファイルのダウンロードまでがワンストップになるため、ユーザーの手間は減る一方で、そもそもApp Storeでアプリを探し、それをダウンロードする手間がかかります。アカウントの作成もiPhoneからになってしまうため、住所などの細かな情報を入力するときは、PCでやりたいもの。それを考えると、QRコードを読み取る方式でも、特に問題はない印象もあります。

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▲発行されたQRコードを読み取ると、プロファイルのダウンロードが始まる

残念ながら、今回は発表会会場で配布されたQRコードを読み込んでみただけで、アカウントの作成はできませんでしたが、実際には、IIJmioに会員登録し、「mioID」と「mioパスワード」を作ったあと、eSIMの契約を済ませてから、契約を結ぶことになります。ベータ版ではプリペイドがなく、月額で料金が発生するため、通常のIIJmioと同様、クレジットカードの登録も必要になります。その後、eSIMを申し込んで発行されたQRコードを読み取って設定するという流れになるはずですが、今回はテスト用ということで、それ以前はスキップ。配布されたQRコードを、カメラで読み取りました。

iPhone側の操作は、「設定」 「モバイル通信」 「モバイル通信プランを追加」をタップするだけ。カメラが起動するので、eSIMの設定情報が書かれたQRコードを読み取ります。QRコードの読み取りは、ほぼ一瞬。画面に全体が表示される前に読み取りが終わっていることもあるため、実際にはもっと広角で周囲の情報をスキャンしているようです。その後、iPhoneの画面に表示された指示に従い、主回線、副回線の設定やSIMカードへのラベルづけを行っていくと、ピクトが2つに分かれ、DSDSの状態になります。

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▲QRコードを読み込むとすぐにプロファイルのダウンロードが始まり、「副回線」にIIJmioの回線が設定される

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▲IIJmioの回線はデータ通信のみのため、デフォルト回線には1枚目のSIMカードを選択しておくといい

eSIMとはいえ、回線はあくまでIIJのフルMVNOと同じ。実際にはドコモから借りた回線ではありますが、加入者管理機能を独自に運用しているため、ネットワーク名にはきちんと「IIJ」と表示されます。設定されるプロファイルも、IIJのSIMカードのものになるため、通常のドコモが発行したSIMカードをiPhoneに挿したときとは異なり、APNの設定もできるようになります。電話はできませんが、IoT機器向けなどのために用意された「020」で始まる電話番号も割り振られます。

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▲「020」で始まるIIJmioの回線が追加され、iPhoneがDSDSになった

ちなみに、APNは空欄でも通信できましたが、筆者の環境ではインターネット共有が利用できませんでした。この場合は、APN設定のインターネット共有欄に手動で入力する必要があります。APNは「iijmio.jp」、ユーザー名「mio@iij」で、パスワードは「iij」でOK。これは、タイプDやタイプAで提供されているIIJmioのサービスと同じです。いずれにしても、既存のタイプDやタイプAと異なり、APN構成プロファイルをダウンロードしなくてもいいため、設定が手軽にできるのはうれしいポイントといえます。

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▲APNは空欄でもOKだが、インターネット共有が利用できなかったため、その部分は手動で入力

では、実際に速度はどの程度出るのでしょうか。MVNOは大手キャリアから借りた帯域をユーザーでシェアしているため、特に時間帯の影響を大きく受けます。お昼や出退勤の時間などに速度が遅くなるのは、それだけ使っているユーザーが多く、借りている帯域が不足しているからです。eSIMはフルMVNOとしてIIJの回線ともいえますが、大元はドコモ回線。つまり、IIJのドコモ回線を使うユーザーが多いと、そのぶん速度が出づらくなります。



まずは14時台の結果。下りは2Mbps強で、ドコモ回線をそのまま使ったときの速度と比べるとお世辞にも速いとはいえませんが、ブラウザでサイトを見たり、SNSアプリを使う程度であれば、あまり問題はなく、読み込みも比較的スムーズです。サイトの作りにもよりますが、軽いものであれば、速度が遅いことは感じないでしょう。上りは10Mbps以上出ているため、データ量の大きなファイルのアップロードもできそうです。

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▲14時台の速度は2Mbps以上で、Webの読み込みはまずまず快適

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▲16時台はやや速度が低下したが、まだ許容範囲

ただし、サラリーマンや学生がお昼休みに突入する12時台は、速度が一気に低下し、1Mbpsを大きく下回ってしまいました。試しにSafariを立ち上げ、Google検索を経由してEngadgetを表示させてみましたが、サイトがなかなか現れません。待つこと1分、ようやくトップページにアクセスすることができました。我慢強い人なら待てるかもしれませんが、率直にいうと、かなり厳しいと言わざるをえません。

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▲12時台になると、一気に速度が低下し、1Mbpsを割り込んでしまった


▲検索から本サイトのトップが表示されるまでにかかった時間は約1分

このような時間帯には、回線を切り替えるしかないでしょう。それができるのも、DSDSのメリット。1回線目として、時間帯の影響を受けづらい大手キャリアの回線を残しておけば、お昼などだけそちらに切り替えればいいからです。とはいえ、あまり主回線で使いすぎてしまうと、そのぶん料金が上がってしまい、eSIMを追加した意味が薄くなってしまいます。最大限節約するには、1回線目を1GB未満に抑える必要があるため、計画的に切り替える必要があります。

eSIMの特徴である、気軽さも、もっと生かしたいところです。2回線目に設定して料金を下げるだけでない選択肢もほしいというのが、率直な感想。気軽に、かつスピーディーに契約できるため、やはりプリペイド方式とは相性がいいはずです。大手キャリアでギガ不足になったときにeSIMで追加分を買い足せたり、出張などで大容量通信が必要なときだけ一時的にeSIMを使えたりすれば、eSIM本来の魅力をもっと引き出せるでしょう。

とはいえ、あくまで今はベータ版という位置づけ。通信速度や料金プランの拡充など、本サービス開始までに改善してほしい点は多々ありますが、新しい技術なだけに、まずは温かい目で見守っていこうと思いました。



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