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性能の割に安い「ZenFone 6」で起死回生を図るASUSの狙い:週刊モバイル通信 石野純也

フリップ式のカメラを搭載

石野純也 (Junya Ishino)
2019年8月21日, 午前11:15 in mobile
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Ittousai, 8月13日
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ASUSが、日本市場向けにフラッグシップモデルの「ZenFone 6」を発表しました。発売は23日を予定。価格はRAM6GB、ROM128GBのモデルが6万9500円、RAM8GB、ROM256GBのモデルが8万2500円と、Snapdragon 855を搭載したハイエンドモデルとしては、比較的安価に抑えられています。ASUSの直販だけでなく、家電量販店やMVNOを通じても販売されます。

ZenFone 6は、フリップ式のカメラが最大の特徴。端末の背面からぐっとせり上がって回転し、カメラが前面を向くギミックを備えています。

これによって、ディスプレイ側にインカメラを搭載する必要がなくなるため、画面占有率を高められるほか、メインカメラをイン、アウト両方で使えるため、一般的に画質が抑えられがちなインカメラで高画質な写真を撮影できるようになります。

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▲カメラ部分が回転し、イン、アウト両方で同じカメラを利用できる

カメラがモーターで動く仕掛けを利用し、パノラマ撮影を自動で行う機能も搭載しました。スマホでのパノラマ撮影は、ユーザーが自ら端末を動かすスタイルが一般的ですが、それだとどうしても速度が一定にならず、合成に失敗してしまうことがあります。モーターでカメラを回転できるZenFone 6では、その問題を解決。端末を固定しているだけで、キレイなパノラマ写真を撮影できます。

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▲音量キーでカメラの角度を調整できるほか、自動でパノラマ写真を撮ることも可能

実際、筆者も展示会場にあった実機でパノラマ写真を撮ってみましたが、他のスマホと比べると操作が簡単。ダイナミックな写真を撮るには、うってつけの端末といえます。「カメラを収納する」という仕掛け自体は、OPPOなどのスマホでもおなじみですが、基本は上下に動くだけ。パノラマ撮影は、ZenFone 6の機構をうまく生かした機能といえます。

この方式の場合、顔認証を利用するたびにカメラが回転するのが難点ですが、スピードが速かったため、あまり気になることはありませんでした。背面には指紋センサーも搭載しているため、画面のロックを解除するたびにカメラが駆動するのがうっとおしいという場合は、そちらを使うといいでしょう。

ハイエンド端末としては、指紋センサーも画面に埋め込んでほしかったところですが、手に取ったとき、人差し指が自然に当たる位置になるため、使い勝手は悪くありません。

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▲指紋センサーは背面に搭載

「ワンランク上の贅沢」をモットーにしてきたASUSのスマホは、同じクラスのスマホと比べ、コスパに優れているのが特徴でした。

発表会では、ASUSの会長であるジョニー・シー氏が、「ZenFoneシリーズを投入し、それによってSIMフリースマホ市場を開拓してきた」と語っていましたが、MVNOの黎明期を支えたメーカーといえるでしょう。

ZenFone 6も絶対的な価格は高く見えるかもしれませんが、Snapdragon 855を搭載したハイエンドモデルと考えると、かなり頑張った価格設定になっていることが分かります。

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▲発表会には、この日のために来日したジョニー・シー会長が登壇


SIMフリーのハイエンド、狙いは「分離プラン後」

一方で、最近では、ファーウェイという強力なライバルの台頭によって、その優位性が徐々に薄れていたのも事実です。特にミドルレンジでは、liteシリーズを立て続けに投入してきたファーウェイが強く、SIMフリースマホ市場でも3位のポジションに甘んじていました。

調査会社MM総研が5月に発表したSIMフリースマホの市場シェアデータによると、1位のファーウェイがシェア33%なのに対し、ASUSは18.2%と、押され気味。シェア18.5%のアップルにも抜かれていました。

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▲MM総研が発表したSIMフリースマホの市場シェアでは、ASUSが3位に転落している

グローバルでもASUSのスマホ事業は苦戦気味で、戦略の転換を余儀なくされています。ミドルレンジ以下の端末を乱発していた状況を改め、特徴のあるハイエンド端末に注力する形に舵を切っていました。

シー会長によると、その方針は「日本でも変わらない」とのこと。ミドルレンジモデルをまったく出さないというわけではないと思いますが、価格の安さだけを売りにしたようなモデルは、減っていく可能性が高そうです。

ただ、ミドルレンジは、SIMフリースマホ市場の主戦場でもあります。ZenFone 6のようなハイエンドモデルは、どちらかといえば大手キャリアが得意とするところ。ミドルレンジが手薄になってしまうと、日本でのシェアに影響が出てしまうおそれもあり、端末とのセット販売をしてきたMVNOにも痛手といえます。

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▲SIMフリースマホの主戦場は、3万円以下のミドルレンジ。写真は3月に発売した「ZenFone Max Pro(M2)

とはいえ、シー会長は、この状況も徐々に変化すると見ているようです。同氏は、『日本でも分離プランが導入されると聞いているが、それによってトレンドは変わってくると思う』と語っていました。

確かに分離プランが義務化されれば、大手キャリアがハイエンド端末を大幅に値引くことが難しくなります。それによって、ミドルレンジのボリュームが増えることが予想される一方で、価格が同じであれば、あえてキャリアから端末を買わず、SIMフリースマホを選ぶという選択肢も現実的になってくるかもしれません。

大手キャリアとMVNOの端末価格を同じ土俵で比べられるようになるため、あえてMVNOでハイエンド端末を使う人も今よりは増えてくるかもしれません。ハイエンド端末として見たとき、突出した特徴があり、なおかつ価格に優位性があればASUSのスマホが選ばれる——シー会長のコメントは、そんなシナリオを描いているふうにも聞こえました。

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▲3社で分離プランがスタートし、10月からは端末購入補助も厳格に規制される

また、SIMフリー市場でシェア1位のファーウェイも、米中貿易戦争といった"火種"を抱えています。実際、主力としていた「P30 lite」も、キャリアやMVNOの多くが発売を延期し、その勢いには急ブレーキがかかりました。すでに販売は再開しているとはいえ、米国の制裁下にある事実には変わりなく、一部には不安を感じているユーザーもいるはずです。ZenFoneシリーズがその穴を埋めることができるのか、今がまさに正念場といえるかもしれません。





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