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「Uber Eats配達トラブル」をネット炎上視点で分析する(おおつねまさふみ)

「食べ物を粗末にする」というタブー行為

おおつね まさふみ, @otsune
2019年10月8日, 午前10:30 in Deliveries
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先日、フリージャーナリストの石野純也さんがUber Eatsを利用したとき、配達トラブルが発生した。運営側の電話サポート対応が悪かったことを含めて苦言をTwitterに投稿したところ、大きなネット炎上騒動になった。

経緯としては以下のような流れになる。

石野さんは配達された料理のスープがこぼれていてグチャグチャだったので受取拒否をした。配達員は「本部に確認します」と言い立ち去った。その後、マンション共用部に料理が捨てられていたのを発見した。これは酷いと運営に電話で問い合わせたところ、対処できないので警察に言ってくれと対応を拒否された。配達員の氏名を聴いたが個人情報なので回答拒否され、捨てられた料理の片付けも拒否された。

2019年10月5日に投稿されたツイート

その後、Uber Eats運営は各メディアの取材に対してコメントを発表し、事態を深刻に受け止めている。配達員の悪質な行為には警告をしていると主張している。

ネット炎上騒動という視点でこの出来事を捉えると重要なポイントがいくつか存在する。

まず第一のポイントとして文化の問題がある。日本では特に食品を粗末に扱ったり、食に関する顧客の自由を制限するような行為は文化的にも風習的にも非常に炎上しやすい現状がある。

スープがこぼれてグチャグチャになってしまったとはいえ、容器に食品が入っている状態で廃棄されている写真は「食べ物を粗末にするな」という感覚に反する悪い行為に見えてしまう。(フードロスが社会問題となっているように、目に見える状態で食べ物を捨てるというのに抵抗がある人は多い)

いわゆるインスタ映えのためにアイスクリームやタピオカドリンクを注文して、撮影後に食べずに廃棄する若者の行動が批判されたこともある。

また、テレビのバラエティ番組やYouTuberの動画で、食べきれない量の料理を頼んで食べ残すと視聴者から苦情を受けることになる。

そして、博覧会やテーマパークやスポーツ観戦などのイベントでも、お弁当の持ち込みを禁止したり売店の食事が貧弱だったり、品質から考えて不当に高額だったりすると炎上する。

このように、食に関する不謹慎や不誠実な行為は特に反感を持たれて炎上しやすい。

飲食業界やコンビニなどでは業界内ではフードロスはある程度はどうしても発生してしまう仕方のない現象となっていて、期限の切れた弁当などは捨てられてしまう。しかし、あからさまに客の目につく状態で捨ててしまうと拒否感が発生するので、こっそりと見えない場所に隠して捨てている。

おそらくUber Eatsの運営面でも、ある程度の配達事故やミスは最初から想定されているはずだ。

(配達員が指定場所に到着してからユーザーが受け取りをせずに10分が経過するとキャンセル扱いになって、配達員がその料理を食べたり処分しても良い。という深夜ラジオ構成作家の配達員経験にもとづく証言もある)

しかし「返金したから良いだろ。細かい文句を言うな」と解釈されてしまう場合もあり、誠実な対応に見えるように気をつける必要があった。

次のポイントは商慣習の問題。Uberの本国であるアメリカでは、小売店やサービス業では顧客が気に入らなかったら返品返金で対応するという商慣習が一般的になっている。欠陥率を極限まで無くして良品100%を目指すよりも、不良品であれば返金対応してしまうほうが総合的なコストが少なくなり合理的という考え方のようだ。

これも日本の顧客の感情面では品質面が曖昧で不誠実に見えたり、真剣に取り組んでないと受け取られがちな慣習だったりする。

石野純也さんの事例だと、料理がグチャグチャであっても受け取った上でクレーム電話をして全額返金を受ければ良いという反論が存在した。しかし、これは「食べ物を粗末にする廃棄行為をお客さんに押し付けている」と受け取られることになり、良い手法とはあまり言えない。

配達員がフードロス発生を引き受けたとして。処分方法も気を使う必要がある。マンション共用部に料理を捨てることは言語道断で、最低でも許可されたゴミ箱の中に突っ込んでおかないといけない。

また、他の配達員と思われる投稿で「受取拒否された料理が邪魔になった。次の配達業務に行くために捨てたかったのでは」という推測があった。しかし通常の解釈であれば今回の騒動は「受取拒否されたので、あてつけとしてマンション共用部に捨てて腹いせをした」と思われてしまう。

一般的にネット炎上では、食品を粗末にするなどなにか不謹慎な行為をした人には「反省してほしい・制裁を加えてほしい」という心理が必ず発生する。そして「同じことが起こらないという安心感がほしい」という不安に対する対応が求められる。

ここを曖昧にしたり言及を避けたりせず、当事者側からなんらかの具体的な声明を出すことが望ましい。

そして日本においては食に関する炎上のしやすさを配慮して、特に飲食にまつわる業界は本国以上にきめ細かい運営手法が必要になっている。

ネット社会以前ではユーザーと会社の間で内々の話し合いで済んでいたトラブルが、SNSのパワーにより広く話題になるようになった。

「何かあったら返品返金すれば良い」というスタンスだけではなく、文化や風習も配慮してSNSで苦言を広められないような納得感のある対応が要求されていると言えるだろう。



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関連キーワード: deliveries, food, issue, trouble, uber, Uber Eats
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