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ミキ「京都市盛り上げ隊」問題から読み解く、ステマに手を染める企業とインフルエンサーの本音

日本でも法規制の一歩手前

おおつね まさふみ, @otsune
2019年11月2日, 午後03:17 in Instagram
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京都市が国際映画祭のPR事業としてステルスマーケティング(以下ステマ)を100万円で芸人コンビに依頼していたことが10月28日の京都新聞で報道されて論争を呼んでいる。Twitterでステマ投稿をしたのはM-1グランプリ2018に決勝進出もしている吉本興業のお笑い兄弟コンビ「ミキ」の二人。(上記写真はミキ 亜生 弟@mikiaseiのTwitterより)

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「京都市盛り上げ隊」と銘打ったPR事業は420万円で吉本興業に委託されたもので、その中にTwitterでの宣伝投稿が1回につき50万円、2回の投稿で100万円であることが契約書に記載されていたという。「京都市盛り上げ隊」が、市役所が行うPR事業としては予算が高すぎるなどの批判も出ていたが、一般的なプロモーション費用としては妥当な相場と言える金額ではあるだろう。

■関連リンク
古都をさらに活気づける「京都市盛り上げ隊」が京都市長を表敬訪問!(よしもとニュースセンター)

SNSマーケティングでは予算感としてだいたい1フォロワーにつき5円が相場である(発信者本人には3円ほどが渡される)。他にも論点はいくつか存在するが、もっとも問題視されているのはTwitter投稿が市と芸人の関係性を隠したステマに該当することだ。

日本でもステマは法規制の一歩手前



なぜステマが行われてしまうのだろうか。

それは、宣伝依頼者や広告代理店や発信者には、PRや宣伝であることを出来れば隠して、曖昧にしておきたいというホンネが存在するからだ。企業は読者から「どうせ宣伝なんで本気では無いんでしょ」と思われてしまうことを避けたい。情報発信者が個人の好みや選択で購入・利用した物品をオススメとして投稿するのと、金銭や利益供与によって仕事としてPR投稿するのでは、情報受信者(読者)から受ける印象が確実に変わる。そのガッカリ感を曖昧にした投稿で回避したいという理由がある。

そもそもステマは違法ではないという意見もある。しかし、アメリカFTC(連邦取引委員会)ではかなり以前から問題視されており、2009年に依頼者と発信者の関係性を開示する義務を法整備し、違反したら広告主が法的責任を負うことになった。ステマ宣伝投稿をしていた海外セレブたちもFTCから直接的に警告を受けて、関係性を明示をするように改めている。

日本においても消費者庁が2012年に景表法ガイドラインで「ステマは不当表示」と警告している。この流れに危機感を抱いて、広告業界団体ではWOMJガイドライン等で自主規制の基準を整備した。つまり日本では法規制の一歩手前の状態で、業界をあげて自主規制で踏みとどまっている状態と言えるのだ。

WOMJガイドラインでは、金銭や利益供与があるのなら「プロモーション、PR、AD、ambassador」などをハッシュタグで明示することを求めている。

今回の京都市と芸人の騒動においては、この関係性の明示が存在しなかった。また「京都市盛り上げ隊」というハッシュタグの存在によりPR投稿だと読者に伝わるのではという意見もあったが。

WOMJガイドラインでは条件として
① 「仮の組織・団体名」は、組織・団体の名称だと容易に判断できるようなものである(例:「**委員会」「**研究会」「**クラブ」は可、「**女子」「**大辞典」は不可)
② 「仮の組織・団体名」で検索すれば、その公式ウェブサイトや公式アカウントが容易に見つかる

と明記してあり、条件には合致しない状態であるのでガイドライン的にはステマと判定されることになる。現実問題として、多くの読者がそれぐらい暗黙的に読み取れるのでは? という虫の良い判断で擁護するのは苦しい状況と言える。(個人的にも、普通に投稿にPRと書けば良かったのにと思う......)

■関連リンク
WOMJガイドライン(2017年12月4日release) - WOMマーケティング協議会

PRタグを付けない闇営業の存在

そしてもう一つ、ステマをしたい心理として別の理由が存在する。それは、情報発信者の闇営業という行為だ。今回の吉本興業と芸人の事例では当てはまらないが、他の一般的な情報発信者であるインフルエンサーにはステマをする動機がある。

インフルエンサーたちを呼んでパーティー形式でプロモーションイベントをやる、「パーティービジネス」というのが存在する。とあるインフルエンサーが仕掛けたスタイルの宣伝手法で、アパレル企業やブランド企業から広告費をもらい、イベントを開いてたくさんのインフルエンサーを呼んで宣伝投稿をしてもらうというものだ。

会場に設置してあるロゴが入ったボードの前で写真撮影をしてもらい、SNS投稿をするのが各インフルエンサーの業務である。ギャラは40万円から50万円ぐらいが相場で、一日に複数か所のパーティーを回るトップインフルエンサーも存在する。

インフルエンサーのマネージメントを扱う芸能事務所の中には、演者とクライアントとの直接連絡を禁じるところもある。しかし、インフルエンサーの中には金銭目的や交友関係や個人的依頼から事務所を通さずに、いわゆる闇営業として宣伝投稿を引き受ける事例も存在する。その場合はPRタグをつけると闇営業だと事務所にバレるので、ハッシュタグを付けたくない。なので金銭を個人的に受け取っていたとしても、関係性の明示はせずにタグなし投稿をすることになる。

ただ、アメリカ発祥の外資系企業はPR表記を明記する条件をインフルエンサーに強く求める事が多い。FTCの規制が厳しい本国におけるプロモーションルールの基準を適用しているのだと考えられる。

また、投稿時にPRタグを付けていた場合であっても、数日から数週間が経過したらこっそりとタグを外すインフルエンサーも少なくない。動機としては、PR明記の宣伝投稿が過去ログに並んでいるとダサいと感じるという風習があるからのようだ。

依頼主と発信者の金銭的な関係性を明記しないステルスマーケティングは、多数の読者がナメられていたり良心が悪用されていると言える。アメリカFTCも「欺瞞的」とステマ行為を強く非難している。

PRであることを明記して損なわれる読者の関心は、そもそも「本人が仕事抜きで選んだ商品なんだな」という嘘のイメージなわけだから、最初から存在しない。曖昧にして誤魔化したいという関係者のホンネからして、もう通用するようなものではないだろう。

日本においてもアメリカFTCのような法規制が必要になる状況を、関係者みずからの行為で招いていると言える。吉本興業を含め、若者向けのインフルエンサーマーケティングに強みのある事務所は、早めにプロモーション活動における関係性明示の徹底に手を付けるべきだろう。



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