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二転三転したスマホ購入補助、auの「かえトク」ついに始動(石野純也)

4度目の正直となるか

石野純也 (Junya Ishino)
2020年2月21日, 午前10:10 in Au
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auを展開するKDDIは、サムスン電子製のフォルダブルスマホ「Galaxy Z Flip」のお披露目と同時に、端末の"新しい買い方"を発表しました。それが、残価設定方式の「かえトクプログラム」(以下、かえトク)です。これまでのアップグレードプログラムとの違いは、まさにこの残価があらかじめ決められているところ。法令を遵守しながら、何とかお得さを出そうとしているところに、KDDIの工夫の跡が見え隠れします。

「かえトク」導入の背景

ここでは、かえトクそのものの仕組みを理解するため、まずはスマホのアップグレードプログラムをおさらいしておくことにします。元々、KDDIは、2017年に分離プランへと主力の料金プランを切り替えたのに伴い、48回の割賦を開始。その半分の支払いを免除する「アップグレードプログラムEX」を導入しました。この点については、他社を先駆けていたのは事実です。

アップグレードプログラムは、分離プランによって見かけ上、高額化してしまう端末代金の負担感を抑えるために導入された経緯があります。24分割を48分割にすれば、1カ月あたりの支払いは1/2になりますが、その上で24回分の支払いを免除すれば、割引がなくても事実上、端末代は半額になります。元々の端末価格によって、最終的な支払額が異なるため、ある意味、対メーカー的にもフェアな仕組みではありました。

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▲分離プラン導入に伴う端末価格の負担感を軽減するため、2017年に「アップグレードプログラムEX」を導入

このアップグレードプログラムに追随したのがソフトバンクで、「半額サポート(現・トクするサポート)」で対抗しています。正式なサービスとしての導入が遅かったのはドコモで、昨年、新料金プランで端末価格と通信料金を分離したのに伴い、ハイエンドモデル限定の形で「スマホおかえしプログラム」を開始しました。

ただし、KDDIやソフトバンクが半額だったのに対し、ドコモは36回の割賦中、12回分のみを免除する形で、免除額だけを見ると、他社より少なくなっています。これを補うため、ドコモは端末の粗利を削り、価格そのものを安く抑えました。

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▲ドコモが昨年6月に開始した「スマホおかえしプログラム」は、端末代の最大1/3が免除される仕組み

旧プログラムは総務省から「待った」がかかる

アップグレードプログラムで先んじていたKDDIやソフトバンクですが、そこに総務省から「待った」がかかります。電気通信事業法改正に伴い、アップグレードプログラムで免除される額と、一般の中古業者に下取りに出した際の差額が、「端末購入補助」と見なされるからです。この考え方自体は以前からありましたが、改正・電気通信事業法では、その額が2万以内に規定されてしまいました。

元々の価格が高い端末は、免除額も大きくなりますが、同時にこれは、中古業者の下取り価格と乖離する可能性も高くなることを意味しています。すべての端末が該当するわけではありませんが、一部が抵触してしまうと、プログラムとして提供することが難しくなります。結果として、免除額を1/3に抑えたドコモはセーフと判断されましたが、KDDIとソフトバンクはアップグレードプログラムの変更を余儀なくされました。

ただ、2社ともドコモ方式を採用し、免除額を抑えるのでは......との予想は裏切ってきました。代わりに繰り出したのは、ウルトラCとも言えそうな制度の改定。プログラム自体を他社ユーザーにも開放し、規制の大前提だった「端末と通信契約が紐づいた場合」という条件を崩してきたのです。

自明なことではありますが、端末は端末として販売するのであれば、通信契約のための補助には該当しなくなり、いくら割引しようが文句のつけようがなくなります。KDDIのサービス名称は、このときに「アップグレードプログラムDX」に変更されました。

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▲昨年9月には、自社回線縛りをなくした「アップグレードプログラムDX」を発表

一方で、2社とも、SIMロックがかかったままの販売を続けたことから、"抜け穴を突いたのでは"との批判を浴びました。端末は端末として販売しても、その端末が特定の回線でしか使えなければ、事実上、一体販売と変わらないのではないかというのがその指摘です。法律や省令の解釈を巡って、制度自体が徐々に変わっていくところは、「これぞニッポンの伝統芸」と言いたくなってきますが、結果として、2社とも他社に開放した後のアップグレードプログラムも、修正をする必要が生じてしまいました。

この指摘に対し、KDDIとソフトバンクは対応が分かれました。ソフトバンクは、他社ユーザー向けにSIMロック解除の仕組みを構築したのに対し、KDDIはドコモとほぼ同じ「アップグレードプログラムNX」を開始。EX DX NXと経て、いったんは、アップグレードプログラムを巡るドタバタ劇は、終幕を迎えたかのようにも見えました。

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▲「アップグレードプログラムDX」の翌月には、「アップグレードプログラムNX」を発表。総務省対応で、ドタバタと内容が変わっていった

ところが、やはり免除額が1/3だと、端末代は割高に見えてしまいます。電気通信事業法改正以降、端末の販売、特にハイエンド端末のそれには急ブレーキがかかっており、テコ入れが求められていました。3月には各社が5Gの商用サービスをスタートさせますが、5Gのサービスを享受するには、当然ながら端末の買い替えが必要になります。ユーザーの移行が順調に進まなければ、エリアを拡大させる必要性が薄くなり、さらに端末の買い替えが進まないという負のサイクルに陥ってしまうおそれもあります。

人気端末ほど残価を高く設定

かえトクは、その状況に先手を打ったとも言えます。発表会で、KDDIのコンシューマ事業企画本部 副本部長の松田浩路氏が、「5G時代には色々な端末が出てくるので、どんどんのこのプログラムで浸透させていきたい」と語っていたのは、そのためと言えるでしょう。割引額が一律で1/3だったアップグレードプログラムNXに対し、かえトクは、「2年後の予測をして、機種ごとに発表する」残価ぶん、ユーザーの支払額が免除されます。

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▲端末ごとの残価をKDDIが設定。25カ月目以降に買い替えると、これが免除される

残価率は最大で40%強。KDDIの松田氏が一例として挙げていた64GBのiPhone 11では約41%、同時にお披露目されたGalaxy Z Flipでは約33%と、端末ごとに開きはありますが、人気の端末は、おおむねアップグレードプログラムNXよりも、免除される金額は大きくなります。これは、下取りのニーズが高いため、残価の割合がアップするからです。

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▲iPhone 11の残価率は40%を超える

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▲Galaxy Z Flipは、残価が約33%に設定された

一方で、「BASIO」シリーズのように、残価率が20%に抑えられてしまっている残念な端末もありますが、KDDIによると、元々こうした端末は、アップグレードプログラムの対象外になっていたとのこと。最低限の下取り額が設定されたことで、こちらも以前より、お得に購入できる可能性が高くなりました。

中古スマホとして売ったお金で、残価の返済も可能

もちろん、ユーザーは端末を中古業者に販売して、そこで得られたお金を残価の返済に充てることもできます。また、かえトクは、改めて他社のユーザーにも提供されることとなり、いわゆる端末購入補助の制限対象から外れました。先の松田氏も、記者からの質問に答える形で、「今回のプログラムは、auユーザー以外にも提供しているので、差額の2万円という話はあまり(影響が)なかった」と語っています。

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▲au以外のユーザーを対象にすることで、端末購入補助の制限はクリアした


残価設定の不透明さは否めない

ただ、ズバッと端末価格の1/2なり1/3なりの支払いを免除するアップグレードプログラムと比べ、少々仕組みが複雑になっていることは否めません。どの機種に、いくらの残価が設定されているのかが分からなければ、支払いがいくらになるのか、計算すらできないからです。

変数が多くなれば、それだけ計算も複雑になるため、ユーザーがきちんとついてこられるのかが心配になるところ。残価以外の割賦が終わる2年後に、ユーザー自身が行動を起こさなければならない点も、混乱を招く原因になるかもしれません。

とは言え、かえトクは、KDDIがようやく確定的なスマホの買い方として打ち出されたプログラム。「どうすれば受け入れてもらえるかは、市場投入をしてから様子を見ていきたいが、デジタル媒体や店頭も含めて訴求し、分かりやすくお伝えしていきたい」(松田氏)と、本腰を入れていく方針です。二転、三転していたKDDIの販売方式ですが、三度目の正直ならぬ、四度目の正直として定着していくのか、見守っていきたいと思います。


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