PS4期待のGhost of Tsushima開発者インタビュー。制作のきっかけは黒澤明

予習は「七人の侍」で

田沢梓門
田沢梓門, @samebbq
2020年05月21日, 午後 06:00 in PS4
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PlayStation 4用最新ソフト「Ghost of Tsushima」(ゴースト・オブ・ツシマ)。同作を開発したSucker Punch Productionsのクリエイティブ・ディレクターJason Connell(ジェイソン・コーネル)氏への、インタビューの模様をお届けします。

「Ghost of Tsushima」は文永(十三世紀後半)のモンゴル帝国による日本侵攻をテーマにしたオープンワールド時代劇アクションアドベンチャーです。日本侵攻の足掛かりとして対馬に上陸した元寇に立ち向かうために主人公である武士の境井仁が、侍の道に反した邪道な戦い方に手を染めることを決意し、冥府から蘇った者「冥人(くろうど)」として戦います。

発売予定日は7月17日。通常版の価格はパッケージ版・ダウンロード版ともに6900円(税別)、特別なスキンなどが付属するデジタルデラックスエディションは7900円(税別)です。

5月15日に公開されたプレイ動画では、全編がモノクロとなり、さらに傷やかすれ、フィルムグレイン効果までを施した「SAMURAI CINEMA」モードと、被写体深度や色彩の調整エフェクト効果を追加できるフォトモードなどが発表され、話題を呼んでいます。

今回インタビューではJason Connell氏に作品の詳細をはじめ、影響を受けた作品や日本の文化についてお聞きしました。

――まずは、「Ghost of Tsushima」の制作のきっかけを教えてください。

Jason Connell氏(以降Jason):随分昔のことになりますが、確か時代劇映画の「十三人の刺客」と「七人の侍」を見たことがきっかけです。Sucker Punchはこの2作が好きな人がとても多く、ああいうゲームを作りたいねという話をしていました。

また、企画当時は中世日本を舞台にしたオープンワールドアクションは全くなかったという点も制作に至った理由の1つです。いちアーティストとして中世の日本の美しさをゲーム作品で再創造できるというのは夢のような仕事でした。

――映画が制作にインスピレーションを与えたことについてですが、Jasonさんの好きな作品や監督について教えてください。

Jason:先ほど述べた「十三人の刺客」と「七人の侍」以外に、個人的に影響を受けた作品としては黒澤明監督の作品ですね。「乱」「蜘蛛巣城」「影武者」「夢」は美術、アクション、ストーリーが素晴らしいです。

――黒澤明監督の作品を観たことのない若いゲーマーも多いかと思います。そんな彼らに「Ghost of Tsushima」の予習として観て欲しい作品があれば教えてください。

Jason:もし一本選んで若いゲーマーに勧めるとしたらやはり「七人の侍」です。ジャンルの古典でもありますし、ストーリーが素晴らしいです。まったく違う構成ですけれども「Ghost of Tsushima」とも多少共通する部分はあると思います。

――ゲームの内容についていくつか質問させていただきます。オープンワールドはプレイヤーがどこにでも自由に行けるのが魅力の1つですが、本作は決まったストーリーというのがあるのでしょうか。

ゲームの流れとしては自由に移動していいものなのでしょうか、あるいはある程度ストーリーに沿ってプレイするかたちになるのでしょうか。

Jason:これまで展開してきたSucker Punch Productionsのゲームと同じく、本作もしっかりとしたストーリーラインがあります。本作に関しては主人公の境井仁が侍として育てられたにも関わらず、元寇という圧倒的な勢力に対抗するために、戦い方を変えたり新たな戦い方を見つけるというストーリーです。

プレーヤーがこのストーリーを進めたいという気持ちに駆られるような仕上がりになっていると思います。ですが、同時にオープンワールドとしてもプレイヤーは自由に移動して様々な事ができる作品になっています。

――作品での「お守り」要素について詳しく教えてください。

Jason:お守りを集めることで、プレイヤーのプレイスタイルに合った能力を多少強化することができます。プレイビデオの中に出てきたのはお守りを入手できる小さな祠でしたが、大きな神社も登場予定です。そこではパズルなどが用意されています。

アイテムという点では現時点では詳細を語れませんが、時代背景が分かるものや、鎧や兜などの装備も豊富にあります。

――「SAMURAI CINEMA」モードの実装と、各国で発売するタイトルでも日本語音声を追加するという構想は、企画初期からあったのでしょうか?

Jason:どちらも企画の初期段階から実装してみたいということ話してきました。日本語音声についてはSIE JAPAN Studioが協力してくれて、彼らが素晴らしい仕事をしてくれました。名前を聞いただけで海外のファンも喜ぶようなキャストを起用していてとても嬉しいです。

白黒の「SAMURAI CINEMA」モードについても実装にあたっていくつか工夫を施しています。元々本作は非常に鮮やかな画面作りをしています。メニューなどもわかりやすいように色を使って区別していました。それらについては、このモードでは同じ形で違う色というUIでは意味をなさないので、アイコンのデザインを少し変更しました。

Engadget

――本作はフォトモードがとても充実しています。プレイ動画以外にSNSでゲーム写真を投稿する文化はゲームプロモーションの観点で重要な要素になっているのでしょうか?

Jason:プロモーション目的ではなく、熱心なファンに向けての機能です。大作ゲームは非常にグラフィックが綺麗で、それらをフォトモードを利用して撮影された写真がSNSに多く投稿されています。その中にはアートとして高いレベルに達している作品もあります。

「Ghost of Tsushima」も、プレイしていてここはいい景色だなという場面がたくさんあります。ファンの方々にはフォトモードを利用して、ゲーム内での思い出を写真作品として残してほしいです。SNSで素晴らしい作品をみてみたいです。

――「Ghost of Tsushima」の公式Twitterにて、日本の古流武術の専門家の方が作品作りに協力しているとした投稿がされていました。彼らどういったかたちで作品に関わったのでしょうか?

Jason:本作では何名かの専門家が制作に協力しています。Twitterで紹介した2名は非常にゲームが好きだということで、実際にシアトルのスタジオに来てもらいました。私たちのゲームをプレイしてもらい、様々なフィードバックを受けました。

彼らは太刀、打刀、薙刀、槍などの武器を持ってきていて武器の使い方のレクチャーや演舞の披露もしました。我々はその演舞の模様をモーションキャプチャーしたのですが、驚くべきことが起きたのです。

モーションキャプチャー用のカメラはかなり高速な動きを捉えることのできる高性能な機材です。しかし、カメラは彼らの動きを捉えることができず、ゆっくり動くようお願いしなければなりませんでした。これは侍の動きの速さと恐ろしさを実感できた、印象深いエピソードです。

――最後の質問です。以前に実施されたパネルセッションで「鎌倉時代に美しさを感じた」といった発言がありましたが、それについて詳しく教えてください。

Jason:ゲームを制作するにあたっての調査で博物館に足を運びました。時代別に鎧を展示している場所で、鎌倉の大鎧に強く惹かれました。時代劇映画の多くは鎌倉時代以降の室町時代後期や江戸時代が舞台になっています。なのでこういった大鎧という装備見たことがなかったのです。

いわゆる大袖と呼ばれる肩の部分や、兜の精巧な装飾に美しさの虜になりました。大鎧の単なる戦いの道具ではなく、侍の名誉を飾るかのような美しさにこだわりを感じたのです。大鎧との出会いに感動し、美しさを秘めた鎌倉時代に愛着を持つようになりました。

式正の鎧・大鎧(日本服飾史より

――今回はお忙しいなかご対応いただき、ありがとうございました。

今回のインタビューを通して、日本の文化に対して深い理解と研究によって「Ghost of Tsushima」が開発されたことが分かり、期待度がさらに上がりました。いちゲーマーとしてはJason氏が影響を受けたという黒澤明監督の作品などを鑑賞しつつ、7月17日の発売まで待機しようと思います。

関連リンク:「Ghost of Tsushima」製品サイト

(C)Sony Interactive Entertainment LLC.

 
 

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