「タッチパッド」や「養成ギプス」にもなるLineFORM。変形機構を備えた紐型インターフェースをMITが発表。

関根慎一 (Shinichi Sekine)
関根慎一 (Shinichi Sekine), @sekine_s
2015年11月19日, 午前 11:10 in interface
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MITメディアラボのTangible Media Groupは、紐状インターフェース『LineFORM』を発表しました。

"日常の中に存在する、自在に変形する紐"をコンセプトとし、紐状(線形)であることの特徴を活かして、様々な形状に変形させることで、ひとつのインターフェースを複数の用途に対応できます。

一見して蛇のようにも見えますが、その本質はあくまでも"線状のデバイス"。表面にはタッチセンサーを備え、形状変化だけでなく、デバイス表面からの入力も可能です。同グループのリリースにおいては、着信通知、照明、データ伝送、行動記録/再生外骨格、定規、ベクターデータ操作ツールといった多様な用途を提案しています。
製作者は同グループに所属するKen Nakagaki氏、Sean Follmer氏、Hiroshi Ishii氏。

"線状の素材が自由に変形できたら、未来のコンピュータや道具はどう変わるのか?"、"どのような新しいインタラクション(相互作用)をデザインできるのか?"との疑問を出発点として、Shape Changing Interface(変形するインターフェース)に関する研究に取り組む中で、"線"の可能性に気付いたのが開発の動機といいます。

ハードウェア的にはモーターを直列に接続した構成となっており、ユーザーの操作を検知するセンサーも統合されています。機能としてはLineFORM自体のリアルタイムな形状検知に加えて、形状の固定も可能。部分的に固定を解除することもできます。

動きの固さも調整できることから、腕に巻きつける形でLineFORMを装着し、装着者の運動を記録・再生することで、リハビリやスポーツのトレーニングなどに活用する"養成ギプス"的な使い方が紹介されています。


モバイルデバイスとしては、スマートウォッチのような触覚通知や入力モードとしての平面形成のほか、形状変化による視覚的な機能の認知も行えます。一例としては、手首に巻きつけた状態で待機し、着信があると先端で腕をつついて通知する、あるいは、電話の形状に変化して、耳と口をカバーするという使い方が挙げられました。


このほか、任意の形状に変形させて定規として使ったり、CADデータの形状を再現して、直接操作する方法を提案しています。

本機は"線状のデバイス"としてのコンセプトを形にする最初のステップとして位置付けられており、将来的にはより細く、より柔軟かつ高機能な紐型インターフェースに進化する可能性があります。そのために空気圧技術や形状記憶合金などの採用も検討しているとのこと。今後、一般向けにプロトタイプ展示を行う可能性はありますが、具体的にはまだ未定です。


インタラクティブディスプレイinFORMなどで知られるTangible Media Groupが発表したLineFORMは、線という形状の可能性に気付かされるインターフェースであり、自在に変化し、複数の用途に対応できる"一本の紐"を身に纏う未来を私たちに提案しています。

今は技術的な制約を多く抱えているということですが、用途の幅広さと変形というロマン要素は非常に魅力的です。

プロトタイプにあたるLineFORMでは線状デバイスの可能性を提示する意味で、ひとつのデバイスにより複数の用途を提案していますが、指向する方向性によっては、将来的に強度や柔軟性、実現可能な機能の異なる複数種類の"紐"が現れるかもしれません。

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