NASA、SpaceXのロケット燃料注入方法が「50年来の安全手順に反する」と懸念。有人打上げ時、搭乗後に給油作業

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2016年11月8日, 午後 03:40 in crewdragon
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NASAの諮問機関である国際宇宙ステーション委員会が、SpaceXのロケットに宇宙飛行士を搭乗させることに少々懸念を抱いているとThe Wall Street Journal(WSJ)が報じています。WSJはSpaceXがロケットエンジンのブースターを強化したFalcon 9 Full Thrustを導入し始めた2015年12月に、委員会からその燃料注入プロセスについて心配する内容の文書を受け取っていたとのこと。SpaceXは数年のうちに有人飛行を開始する計画です。Falcon 9 ロケットは、燃料の過冷却状態を維持する都合上、打ち上げの約30分前に燃料注入を実施します。9月1日に発生した爆発事故でもわかるとおり、この作業は打ち上げのための積荷を搭載した状態で実行することになります。これは有人の打ち上げプロセスでも同じで、燃料注入の際には飛行士がすでにロケットの先端に搭乗した状態で燃料を注入するということです。

委員会は、これがロケットエンジンの安全のために世界中で50年以上も遵守されてきた手順に反するとしています。ISS委員会はNASA上層部とともに行ったSpaceXとの会合の際にこの問題を持ち出したものの、SpaceXはこれまで一度も明確な対応を示さなかったとしています。

一方、SpaceXはNASAとの間で1年半に渡って燃料注入プロセスの安全性について詳細な分析を実施し、「安全規制に関してNASAの承認を得た」と主張しています。SpaceXはまた「爆発事故後もこの安全規制の見直しを含めた調整を継続している」と話し、燃料注入プロセスが失敗するような場合はCrew Dragon宇宙船の緊急打ち上げ中止システムが役立つはずだとしました。

飛行士を乗せたFalcon 9ロケットの燃料注入には厳しいチェックがなされます。NASAはSpaceXがそのプロセスについての責任を負うとしつつ、商業的な有人飛行についても国際宇宙ステーション委員会とは別の諮問委員会が独立アドバイザーとして付いているとしています。

SpaceXは、国際宇宙ステーション委員会の懸念を受け止めつつも、燃料注入プロセスを変更することはなさそうです。ただ事故を懸念して人工衛星などの打ち上げ依頼が他社に流れてしまえば、今後の運営にも関わります。そのため、SpaceXは今後、燃料注入プロセスの安全性が確保できていることを証明しなければなりません。

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