YouTube、一時「子供向けコンテンツ」の全審査を検討か(Bloomberg報道)

メディア企業的責任が問われるとして断念

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2019年12月27日, 午後 03:00 in content
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YTKids
Thomas Trutschel via Getty Images

今年9月、Googleおよび傘下のYouTubeは、保護者の同意なしに子供の個人情報を違法に収集していたとして、総額1億7000万ドル(約181億円)をFTC(連邦取引委員会)と米ニューヨーク州に支払いました。そこからコンテンツが子供向けかどうかを判断する上でのFTC指針が、公式サイト上にも掲載されています

そうした流れのなか、YouTube社内で8才以下向けコンテンツの全てを審査することが検討されながらも放棄されたとBloombergが報じています。
子供向けの「YouTube Kids」コンテンツ内では、「小学校低学年まで」(8歳以下)と「小学校高学年以上」(8歳から12歳)の枠が設けられています。今回の話題は、そのうち前者を対象としたものです。

Bloomberg報道によれば、今年初めに(上記FTCの決定に備えて)40人以上の社内チーム「Crosswalk」を編成していたとのこと。このチームが提案した1つは、8歳以下の子供を対象とした全ての動画を1つずつ審査し、不適切なコンテンツが混入しないようにすることでした。たとえば昨年も、ミッキーマウスなど有名キャラクターを真似ながら、互いに傷つけ合ったり自殺したりする不快な動画がすぐに見つかったと報告されています

そのプレスリリースまで作られながら、ウォシッキーCEOや幹部らは土壇場で計画を破棄したとのこと。たとえ子供向けであっても動画を意図的に選別すれば、YouTubeは中立的なプラットフォームではなく、メディア企業のようになるからとの理由とされています。

メディア企業に近づくことは、著作権侵害やヘイトスピーチなど、報道機関と同じような説明責任を求められる可能性があるということです。元YouTubeマーケティング幹部は、「YouTubeはこうした大規模な問題に対処するための体制が整っていません」と述べています。

YouTube広報によれば、同社がオンラインコミュニティを改善するために多額の投資をしているとのこと。その結果として、過去18ヶ月間にポリシー違反の動画の視聴回数が80%も削減され、「権威あるニュース出版社」からの動画の視聴率を60%も増加させたと主張しています。

1分ごとに500時間以上の映像がアップロードされるYouTubeにとっては、全てのコンテンツをスタッフが1つずつチェックすることは物量的にもほぼ不可能と思われます。とはいえ、子供が地上波テレビ以上にYouTubeを視聴している、初めて目にする映像がYouTubeになりつつある現状では、巨額の利益に見合った重い責任も問われ続けることになりそうです。

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