FBI、アップルに再びiPhoneのロック解除支援を要請。しかし事実上の拒否

サン電子子会社の手にも余った?

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年01月8日, 午前 11:56 in apple
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Josh Brasted/Getty Images

昨年12月、米フロリダ州ペンサコーラの米海軍航空基地にて、同基地で訓練中だったサウジアラビア軍の少尉モハメド・アルシャムラニが発砲し、3人が死亡(容疑者本人も射殺)する事件が起こりました。

FBIはこの事件で容疑者が所有していた2台のiPhoneのロック解除を支援するようアップルに求めていると報じられています。米NBCニュースによると、容疑者のiPhoneはパスコードで保護されているとのこと。FBIはアップルの弁護士に「調査員は関連するパスコードの"推測"に積極的に取り組んでいるが、これまでのところ成功していない」として、協力を依頼する手紙を送ったとされています。

アップルはNBCへの声明で「法執行機関に最大の敬意を払い、常に協力して調査を支援してきました。1か月前にFBIがこの事件に関する情報を要求したとき、すべてのデータを提供しました。私たちは所有しているすべてのデータを提供し、利用可能なデータで引き続きサポートします」と述べています。

一見すると協力的にも思えますが、「1ヶ月前にすべてのデータを提供」との文言にはこれ以上のデータを提供する余地はほぼないとの姿勢が窺えます。さらに「利用可能なデータ」とはアップルが保有しているデータに限られ、プライバシー保護を標榜する同社が知るよしもない個人のパスコード、あるいはロック解除の方法(バックドアなど)は含まれず、事実上の協力拒否とも解釈できます。

アップルとFBIの同様のやり取りは、2016年にサンバーナーディーノ銃乱射事件が起きた際も報じられていました。当時もアップルはロック解除への協力を拒みましたが、FBIは「プロのハッカー集団」からロック解除方法を得たと発表しています

そのときにFBIへの協力が噂されたイスラエル企業Cellebrite(「いっき」で知られるサン電子の子会社)は、昨年半ばにあらゆるiOSデバイスのデータ抽出可能と宣言していました。サンバーナーディーノ事件捜査への関与はさておき、同社は国際刑事警察機構(インターポール)とのパートナーシップを締結しており、iPhone/Android向けのデータ抽出ツールを世界の捜査機関に提供しています。

そして上述のFBI書簡では、捜査当局は「サードーパーティベンダーのなじみある連絡先」に助けを求めていると述べられており、その中にはCellebriteも含まれている可能性はゼロではないと思われます。

それでもなぜアップルに協力を求めているのか。NBC報道では銃撃戦中に射殺された容疑者の持つiPhoneのうち1つには「追加の問題」、すなわち銃撃により損傷を受けていると示唆されています。そうであればソフトウェア的に解析できる問題に留まらないため、アップル以外のサードパーティの技術力が及ばないのかもしれません。

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