「Vision-S」は、ソニーが供給できるセンサー群やインフォテインメント技術を示すコンセプトカー

特に将来重要になる部分でもあります

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年01月8日, 午前 11:30 in Transportation
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Engadget
ソニーは電機メーカーでありながらCES 2020にレベル2の半自動運転機能を備えるBEV「Vision-S」を持ち込み、世界を驚かせました。その外観はどことなくポルシェの「Taycan」のようにも、テスラの「Model 3」風にも、はたまたLucid Motorsの「Air」的にも思えるものの、ソニーはこの試作車で完成車メーカーになろうとしているわけではないので気にする必要はありません。

しかし、このコンセプトカーを開発するために、ソニーは10社以上と協力するという並々ならぬ力を入れてきました。Vision-Sはプロトタイプであり、今日の公道を走行させるために作られたわけではなさそうです。しかし実際に走行する能力があることは、その紹介の場面で颯爽とステージに自走して来たのを見れば、疑いようもありません。

ソニーが、CESにVision-Sを持ち込んだ理由は、その優れたインフォテインメントシステムと自動運転やドライバーアシストおよび安全装備の分野で自動車産業との関わりを密にして行く意思を示すためかもしれません。ソニーは2015年に車載センサーの部署を設置し、デンソーやBoschなどにパーツを出荷しています。また2019年の夏頃には、自動車メーカーやティア1と呼ばれる主要自動車部品メーカーからの採用に力を入れていることが報じられていました。

Vision-Sの運転席からはインパネまわりだけでなく、ダッシュボードの左右いっぱいにディスプレイが広がります。そこにはエンタメ情報を表示したり、各種装備の操作ができたりします。タッチ操作に対応しており、たとえばナビゲーションの地図を助手席で検索設定して、運転席側にスワイプして送るといったことも可能な模様。またシートごとに埋め込まれたスピーカーセットによって、搭乗者は360 Reality Audioに対応する音楽を楽しめます。

アピールポイントは一般人がわかりやすい技術だけではありません。ソニーは各種センサー類を自動車向けに生産しており、LiDARを含む33個センサー群が協調動作すると説明しています。たとえばエクステリア部には道路状況や周辺の物体、また速度を検出するセンサーが、インテリア部には搭乗者とドライバーの頭の動きをトラッキングするToF(Time of Flight)センサーが装備されます。ToFセンサーは特にドライバーが居眠り運転などしていないかを検知するのに重要な役割を果たし、またその他搭乗者には前述のオーディオの効果を最適化、さらにそれぞれのシート高やフットスペースの調整などの役割を担います。



Vision-Sはレベル2の半自動運転機能を備えるとされ、ステアリング、加速、減速の各操作をコンピューターが自律的に制御できます(ドライバーは運転席でハンドルを握る必要あり)。そして、ソニーは将来的により高いレベルの自動運転機能を開発することを検討中とのこと。

自動車の本質はその走行性能と乗り心地であり、自動運転や車内エンタメの部分はいわゆる"おかず"に過ぎません。とはいえ将来は、その自動運転技術が進化しつつ世の中に浸透し、手の空いた搭乗者からも"おかず"に求められる部分が拡大するはずです。ソニーのモビリティへの関与の姿勢はいたって真剣であり、だからこそVision-Sを作る必要があったと言えそうです。


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