アップル、遭難時にiPhoneから緊急ビーコンを発信する特許を申請。節電モードもあり

モバイル機器一般の標準化を目指しているもよう

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年01月11日, 午後 03:25 in apple
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OGRS
Westend61 via Getty Images

iPhoneはいざというときに緊急通報用電話番号や緊急連絡先に電話を掛けられますが、いつでも電波の圏内にあるとは限りません。山の奥深くや電波が微弱ないし届かない場所では、時として機能しない恐れもあります。

アップルがそうした通信困難な場所での遭難時に、iPhoneを含むモバイルデバイスが緊急遭難ビーコンを発信しつつ、救援を待つためバッテリーを長持ちさせる特許を申請していることが明らかとなりました。米アップル関連情報サイトAppleInsiderは、アップルが「緊急時ビーコン送信手順の強化」なる特許を米特許商標庁(USPTO)に申請していることを報告しています。ここで対象とされたモバイル電子デバイスは「通常ユーザーが携帯するスマートフォンやタブレットの形を取る」とされ、iPhoneやiPadを含む可能性があります。

さらに特許文書は「これらのデバイスは遠隔地にいるユーザーが携帯して、携帯電話サービスの圏外で緊急ビーコンをブロードキャストしたい場合があります」とした上で、PSPのような携帯ゲーム機からスマートグラス、Androidスマートフォンまで実装できる可能性を示唆するもの。すなわち自社デバイスに限らず世界標準規格を志向しており、同社はこれらの機器をUE(ユーザーの装備)と呼んでいます。

ここでいう緊急ビーコンのブロードキャストとは、たとえばハイキング中にユーザーが遭難あるいは負傷した場合、現地にいる他のユーザーまたは基地局に通知できる機能です。具体的には、デバイスが基地局または無線アクセスポイントに繋がらない場合のオフライングリッド無線サービス(OGRS)という技術を意味しています

OGRSとは、既存の通信網に頼らないサービスのこと。昨年8月にも、アップルがiPhone向けトランシーバー機能の開発を一時保留したと報じられたとき「モバイルネットワークやWi-Fiのない環境でも通信できる機能」「ワイヤレスキャリアがサービスを提供していない地域でも通信できる技術」が噂に上っていました。

さて、緊急ビーコンを使う極限状況にもなれば、ユーザーがバッテリーを充電できない可能性も相当に高いはず。そのために特許には、緊急ブロードキャストが他のユーザーまたは基地局によって受信される前にバッテリー切れとならないよう、EPSM(Emergency Power Save Mode/緊急節電モード)も合わせて記載されています。

このEPSMは、ユーザーが手動でオンにすることも、バッテリーが指定された量を下回ると自動的に有効になるよう事前に設定できるとのこと。どちらの場合でも、EPSMが有効になるとディスプレイの電源が切れます。画面表示はバッテリーを消耗する最大の要因の1つのため、妥当な措置といえます。

電話やスマートフォンで助けを呼びたい状況ほど、山奥深くや人里離れた場所など基地局や商業施設から遠く、電波やWi-Fiが届きにくいもの。iPhoneに限らずこの方式が標準として広まれば、より多くの命が救われるかもしれません。
 

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