JDI、0.01mm厚『貼るイメージセンサ』開発。指紋・静脈・脈波を計測

ウェアラブルデバイスに応用

小口貴宏(Takahiro Koguchi)
小口貴宏(Takahiro Koguchi), @TKoguchi787
2020年01月21日, 午後 01:49 in JDI
425シェア

engadget
経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は、世界初となる指紋・静脈・脈波を計測可能なフィルム型イメージセンサを東京大学(大学院工学系研究科染谷研究室)と共同開発したと発表しました。

同イメージセンサーは、液晶や有機ELディスプレイに用いられる「低温ポリシリコン薄膜トランジスタ」(LTPS TFT)基板を用いたもの。同TFT基板はJDIのコア技術でもあります。

通常、ディスプレイは製造過程でLTPS TFT基板の上に液晶や有機ELを重ねます。一方、本センサーではそれらの代わりに有機光検出器(有機材料からなる光センサー)を重ねることで、イメージセンサーの構築を実現しています。LTPS TFT基板の上に有機光検出器を集積するのは世界初だといいます。

解像度は508ppiで、指紋・静脈・脈波を計測可能。0.015mmと薄く、曲げられるので、ウェアラブルデバイスの生体センサーとしても活用できます。読み出し速度も毎秒41フレームと高速です。

engadget

engadget

こうした特性から、ヘルスケア分野のみならず、生体認証にも応用可能。指紋や静脈などの生体情報に加えて、生体信号である脈波を測定できることから、ユーザーの「成りすまし」を防止できるとのこと。

なぜディスプレイのTFT基板をイメージセンサーに応用?

開発面の役割分担については、JDIが主にLTPS TFT基板を、東京大学が有機光検出器(有機材料からなる光センサー)の技術を担当。有機光検出器は有機ELと特性が似ており、信頼性も高いといいます。なお、現在は東京大学の有機光検出器を用いていますが、将来的にはJDI独自で調達を目指すとのこと。

engadget

またJDIの担当者は、ディスプレイの制御基板であるLTPS TFTをイメージセンサーに応用した理由について、次のように述べました。

『1点1点ではなく2次元のセンサーなので、データ量が増加する。これを高速で読み出すとなると、高性能なトランジスターが必要になる。通常のトランジスタでもいいが、今回はウェアラブルに応用できるフレキシブル性を目指した。フレキシブル性がある高性能なトランジスタということで、我々のLTPS TFTを活用した』

また、同デバイスの事業化について『3年以内を目指したい』と述べ、まず生体認証用途を目指すとコメントしました。JDIのコア技術であるLTPS TFT基板を活用した新機軸のセンサーの開発は、脱液晶依存に向けた一手と言えそうです。

 

広告掲載についてのお問い合わせはad-sales@oath.com までお知らせください。各種データなどはこちらのメディアガイドをあわせてご覧ください。

 

関連キーワード: JapanDisplay, JDI, wearables
425シェア

Sponsored Contents