Surface Pro Xは理想の2 in 1 PCに最も近い存在

ただしピーキーすぎるので現時点ではSurface Pro 7がオススメ

ジャイアン鈴木
ジャイアン鈴木, @giansuzuki
2020年02月14日, 午後 03:00 in notebook
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Engadgetマイクロソフトは「デバイスの未来を定義」と謳う、完全新設計の2 in 1 PC「Surface Pro X」(142,780円~)を1月7日に販売開始しました。Surfaceシリーズ史上最薄となる7.3mmの薄型ボディーは非常に魅力的。しかし現時点では万人向けのマシンとは言えません。というのも、省電力性とパフォーマンスの両立、LTE通信機能、薄型ボディーを実現するためARMアーキテクチャーのプロセッサー「Microsoft SQ1」(8コア、3.0GHz)が採用されているため、Windows用のすべてのアプリが動くわけではないのです。というわけで今回は、Surface Pro Xのアプリ互換性に重点を置いてレビューをお届けします。

USB-C×2搭載、ペン収納可能、SSD交換できちゃう

Surface Pro Xは完全新設計の2 in 1 PCだけに、13型ディスプレイを搭載しつつサイズ/重量は287×208×7.3mm/774gを実現。12.3型ディスプレイを搭載するSurface Pro 7が292×201×8.5mm/775~790gなので、ディスプレイを大型化しているにもかかわらず薄型&軽量化を達成したわけです。

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▲ディスプレイはSurface Pro 7より狭額縁化されています

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▲無段階のキックスタンドはもちろん継承。列車や旅客機のシートなどの奥行きの狭いテーブルでも設置しやすい優れものです

Surface Pro XのSurface Pro 7に対するハードウェア的優位点は、キーボードカバーにペンを収納可能、USB-C端子が2基用意、SSD交換可能、そしてもちろんLTE通信機能を標準で備えていることです。

使い勝手という点ではペンを収納できるのがやはり便利すぎます。x86アーキテクチャーのプロセッサーを今後も搭載するであろうSurface Pro 7の後継モデルを、Surface Pro Xと同じサイズ、重量で作ることは難しいでしょうが、せめてキーボードカバーとペンだけでも共有できるようにしてほしいところです。

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▲キーボードカバーはペンを収納できる「スリムペン付きSurface Pro X Signatureキーボード」(本体同時購入価格は2万6048円)を採用。スリムペンはワイヤレス充電に対応しています

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▲左側面(上)にUSB 3.2 Gen 2 Type-C×2、右側面(下)にSurface Connect接続ポート×1を用意。個人的には、右側面もUSB 3.2 Gen 2 Type-Cのほうがうれしいです

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▲キックスタンドに隠れているフタをSIMピンで挿して開けると、なかからSSDとnanoSIMカードスロットが現われます。搭載されているSSDは基板面が隠されていますが、システム情報で確認するとSK Hynix製「HFM256GDGTNG-87A0A」が搭載されていました。つまり規格的には、Type2230サイズのM.2 SSDを用意すれば、ストレージを換装できるわけです(厚みが合わない可能性があるので保証するものではありません)

常用アプリが使えるかチェック!

さて、本題です。前述のとおり、Surface Pro XはARMアーキテクチャーのプロセッサー「Microsoft SQ1」が採用されているため、動作するアプリに制限があります。詳しくは「Surface Pro X アプリの互換性」に記載されていますが、項目を抜き出すと下記のとおりになります。
  • 64ビット(x64)アプリは動作しない
  • ドライバーはWindows 10 ARMベースのPC向けに設計されている場合にのみ機能する
  • 一部のゲームは動作しない
  • Windowsエクスペリエンスをカスタマイズするアプリに問題が発生する可能性がある
  • 一部サードパーティー製ウイルス対策ソフトウェアをインストールできない
  • Windows Faxとスキャンは使用できない
このなかで特に重要なのが「64ビット(x64)アプリは動作しない」という点。つまり、Surface Pro Xで利用できるアプリは、64ビット(ARM64)アプリ、32ビット(ARM32)アプリ、そしてエミュレーションで動作する32ビット(x86)アプリということになります。

それでは実際にどのようなアプリを利用できるのでしょうか? まずは筆者の常用アプリで試してみました。

ブラウザー「Chrome」 32ビット(x86)アプリが動作
メモソフト「Evernote」 32ビット(x86)アプリが動作
オンラインストレージ「Dropbox」 Sモード版が動作
ビジネス「MS Office」 32ビット(x86)アプリが動作
クリエイティブ「Photoshop」 32ビット(x86)アプリが動作(一部機能利用不可)
クリエイティブ「Premiere Pro」 × インストール不可
クリエイティブ「Lightroom」 × インストール不可、ウェブ版は利用可能
日本語入力システム「ATOK」 32ビット(x86)アプリが動作

個人的に厳しいのがデスクトップ版Dropboxを利用できないこと。Sモード版ではデバイス上にすべてのファイルを保存できないので、ネットワークに接続しなければすべてのファイルにアクセスできません。Surface Pro Xだけのために「OneDrive」に乗り換えるのは現実的ではないので、デスクトップ版DropboxアプリがSurface Pro Xで利用可能になってほしいところです。

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▲WordとATOKの組み合わせで原稿を書いてみました。筆者が10分ほど試したかぎりでは、特に問題なく動作しました

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▲Surface Pro Xにはデスクトップ版Dropboxはインストールできません

Adobe Creative Cloudの多くのアプリが利用できない点も辛いですね。「Premiere Pro」や「Lightroom」などは使えないので、代替アプリを探す必要があります。

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▲Adobe Creative Cloudでインストール可能なのは「Photoshop CC」、「Illustrator」、「Acrobat DC」、「InDesign」、「Bridge」、「Dreamweaver」、「InCopy」、「Fuse CC(Beta)」、「Camera Raw」などです(2月7日時点)

ゲームは遊べる? オトナのゲームは遊べる?

一方、ゲームはどの程度動くのでしょうか? 今回は下記の7本のゲームを試してみました。

ARCADE GAME SERIES:GALAGA × インストール不可
Doki Doki Literature Club 32ビット(x86)アプリが動作
Brut@l × インストール不可
Asphalt 9 32ビット(x86)アプリが動作
Minecraft for Windows 10 ARM版が動作
風雷戦姫 神夢(※体験版) 32ビット(x86)アプリが動作
PUBG LITE × インストール不可

64ビット(x64)アプリについてはインストール時に弾かれてしまいます。Steamで公開されている新しめのアクション系ゲームは動作しないものが多いでしょう。一方、アドベンチャーゲームは32ビット(x86)アプリで作られているものが多いようで、高確率で動作しました。つまり「DMM GAME.R18」で販売されているオトナのゲームの多くはプレイできる可能性が高いです(必ず動作環境をご確認ください)。

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▲ARM版が提供されている「Minecraft for Windows 10」は滑らかに動きます

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▲「ARCADE GAME SERIES:GALAGA」はインストール時に弾かれてしまいました。なお、Steamで必要条件を満たさないゲームを購入した場合には返金をリクエストできるようです

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▲アドベンチャーゲームは32ビット(x86)アプリで作られているものが多いので、Surface Pro Xで遊べる可能性が高いです

Surface Pro Xは理想の2 in 1 PCに最も近い存在だけど......

Surface Pro Xは、現状利用できるソフトウェア資産のことを考慮すると、すべての人にお勧めできる製品ではありません。しかし、ハードウェアとしての完成度、使い勝手の観点からは理想の2 in 1 PCに最も近い存在です。

用途が明確に定まっている方にはSurface Pro Xはピッタリのマシンですが、さまざまな用途に活用したいと考えているのなら、膨大なソフトウェア資産を活用できるSurface Pro 7をオススメします。個人的にはSurface Pro Xのハードウェアデザイン、機能性を取り入れたSurface Pro 7の後継モデルがほしいですね!

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