クアルコム、5G対応AR / VRヘッドセットの参照設計を公開。Snapdragon XR2ベース

早くQuest 2出して

Ittousai
Ittousai , @Ittousai_ej
2020年02月26日, 午後 04:00 in ar
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Qualcomm

「コロナウイルスでMWC 2020が中止になったのでかわりにオンラインプレスイベント」で、クアルコムが新しいXRヘッドセットのリファレンスデザインを発表しました。

昨年末に発表済みの XRプラットフォーム Snapdragon XR2 をベースに、カメラや各種センサを組み合わせた参照設計で、高品位なモバイルXR / VR の鍵になるという 5G 通信に対応する点が特徴です。XR は eXtended Reality、仮想現実VRや拡張現実AR、複合現実MRの総称。



GPUはOculus Questの2倍、視線や表情トラッキングも対応可能


Snapdragon XR2 の仕様は、Oculus Quest や HTC VIVE Focus などが採用した Snapdragon 835比で、CPU / GPU 性能が2倍、ビデオ帯域が4倍、解像度6倍、AIの処理速度が11倍。

「AI」は漠然とした表現ですが、オンデバイスの機械学習エンジンはたとえば手指のトラッキングや表情・音声の認識、カメラや各種センサを使った周辺環境の認識と仮想オブジェクトとのインタラクションなど、人の感覚と近い VR / AR アプリケーションでは重要です。

今回公開したリファレンスヘッドセットがサポートするカメラは最大7つ。内部のふたつは視線トラッキング用、外部の4つのうちふたつはヘッドトラッキングおよび周辺環境のマッピング用、もうふたつはパススルーで外界を透過させたり仮想オブジェクトと重畳するMR用のRGBカメラ。採用するメーカーによっては、表情認識やリップ(口唇)トラッキング、コントローラのトラッキング用にもうひとつカメラを追加できます。

目玉は5G対応、将来的なエッジコンピューティングも


今回の目玉の5G 対応は、クアルコムの X55 5Gモデムによるもの。ミリ波とサブ6GHz波に両対応します。

5Gの使い方の例は、単純に高精細なVR映像のストリーミングのほか、近くのPCからのストリーミング(ワイヤレスでPC品質のVR)、エッジコンピューティングノードとの低遅延接続によるARアプリケーションなど。

5Gのバズワード的に見かけるエッジコンピューティングは、5G基地局やアクセスポイントにコンピューティングノードを置き無線ネットワークと一体化させることで、大量のデータを低遅延に、インテリジェントにやりとりする発想。モバイル端末には重すぎ、従来のクラウドコンピューティングでは遅すぎるような処理をよりリアルタイムに近く肩代わりさせたり、将来的なARアプリケーションで必要になる膨大なデータをローカル処理であるかのような速度で扱えるという触れ込みです。

Atraxa トラッキングとTobii視線追跡、Foveatedレンダリング


そのほかリファレンスデザインの仕様は、ハンドトラッキング・ヘッドトラッキング用・SLAM用IRエミッタ、片目につき2K x 2K液晶ディスプレイ対応、パートナー企業 NDI の Atraxa トラッキング用レシーバ、アイトラッキングは Foveatedレンダリングにも対応する Tobii 準拠。

Atraxa は磁気センサと加速度センサのフュージョンで、高精度な6DoFトラッキングを実現するとうたう技術。コントローラ側の磁気をヘッドセット側センサで計測するため、光学式トラッキングのようにカメラ映像に依存せず、手や別のコントローラで遮られたり、背中側などカメラの画角の外に出ても計測できることが売りです。

視線トラッキングを活用する Foveated レンダリングは、注視点の周囲を高精細に描画することで、人間の知覚的にはどこを見ても高精細に、実際のGPU性能を上回るグラフィックを実現する技術。

視線追跡ができない既存の VR ヘッドセットでも、たとえば Oculus Quest は視野の中心を高解像度に、周辺を低解像度でレンダリングする Fixed Foveated レンダリングに対応しています。Fixed な場合、頭を動かさず目線だけ周辺に向けると描画が粗くなっていることが分かったり、文字を読むにはチラッと目線を向けるのではなく頭ごと動かして正面に見ることを意識する必要がありますが、視線追跡と併用すれば注目した場所が高品位に描かれるため、主観的にはグラフィック品質が全体に向上したように感じられます。

Snapdragon XR2 リファレンスヘッドセットは、採用して製品化するOEM向けに今後数か月のうちに提供予定。コンシューマー向け製品としては、採用されるとしてさらに後からになります。また、リファレンスデザインで対応する機能のどれが導入されるかはまた別の話です。

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