ハネウェル「従来の2倍強力」なQV64の量子コンピューターを開発と発表。2020年半ばまでにリリース

毎年1桁ずつ性能向上すると豪語

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年03月5日, 午前 06:50 in gadgetry
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Honeywell

サーモスタットから航空・軍需産業、コンピューターまで幅広い事業を手がける米ハネウェルが、これまでに作られたものよりも少なくとも2倍は強力な量子コンピューターを開発したと発表しました。今後3ヶ月以内に正式に発表するとしています。量子コンピューターの処理能力を話すとき、その基準になる数字のひとつが量子ビット数です。IBMが2016年に構築した量子コンピューターは5量子ビットを持つとされました。IBMは2017年には16量子ビットの「Q」を公開し、すぐに50量子ビットまで拡張しました。また2019年にGoogleが発表した量子コンピューター「Sycamore」は、53量子ビットだと主張されています。IBMも、2019年にはQを53量子ビットまで拡張したと報告しました。

しかし今回ハネウェルが予告した量子コンピューターはすくなくとも64の「量子ボリューム(QV:量子体積)」を持つとのこと。QVはもともとIBMが使い始めた基準で、量子ビット数とエラー率、量子ビットの忠実性や伝導性といった多様な指標を組み合わせて量子コンピューターの性能を定量化します。今年1月にIBMは自社の量子コンピューターにおいてQV32を達成したと発表しており、ハネウェルの量子コンピューターが「少なくとも2倍強力」というのは、このIBMのマシンとの比較を指していると考えられます。

また、Honeywell Quantum Solutions社長のTony Uttley氏は、今後5年間は毎年このQVを1桁増やしていく予定だと述べています。単純にその言葉を鵜呑みにするべきではなさそうですが、それでも量子コンピューターの性能がまだまだ発展途上であることに間違いはなさそうです。

なお、GoogleとIBMが開発する量子コンピューターはともに絶対零度付近まで冷却したシリコンチップ上に量子ビットを生成する超伝導量子ビットを使用します。一方ハネウェルのそれは補足したイッテルビウムイオンやバリウムイオンにレーザー光線を使用して情報を記録するイオントラップ量子ビット方式。方式が異なれば性能の基準も異なるのではという疑問についてUttley氏は、方式の違いが性能に影響するかを論じるのは時期尚早との見方を示しました。

ハネウェルは今後の展開としてマイクロソフトと提携し、Azureサービスを通じてクライアントがハネウェルの量子コンピューターへアクセスできるようにすると述べています。

※訂正:初出時、2017年のIBM量子コンピューターを5量子ビットと記していましたが正しくは2016年でした。お詫びして訂正いたします。

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