ファミコンのディスクシステムでも採用された「Quick Disk」:スイートメモリーズ File008

知らずに使っていたという人が多数

宮里圭介(Keisuke Miyasato)
宮里圭介(Keisuke Miyasato), @miyasa
2020年04月6日, 午前 07:00 in storage
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removable media
[名称] Quick Disk(クイックディスク)
[種類] 磁気ディスク
[記録方法] 磁気記録
[サイズ] 約71mm
[容量] 128KB(片面64KB)
[登場年] 1984年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

「Quick Disk」(QD)は、ミツミ電機と日立マクセルによって開発されたフロッピーディスク(FD)型のメディア。磁気記録という点ではFDと同じですが、FDが同心円状のトラックを一定角度毎に分割したセクタという構造をもつのに対し、QDは一筆書き、つまりグルグルと長い一本線でトラックが作られているという点が大きく異なります。アナログレコードみたいな感じですね。

この構造の差により、FDは任意のセクタへと読み書き(ランダムアクセス)できますが、QDは最初から最後まで一気に読み出すか書き込むかしかできない(シーケンシャルアクセス)、という違いがあります。

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FDのようなシャッターはなく、記録面が露出しています。ディスクの上部、左右端にあるツメはライトプロテクト用。このツメを折ることで、書き込み禁止にできました。ちなみに、ツメを折ってしまってもテープで覆ってあげれば書き込めるのは、カセットテープと同じです。

登場がFDよりも遅かったため、単純に考えれば「FDでいいじゃないか」となるわけですが、任意のセクタを読み書きするには、ヘッドを正確にトラックへ移動する必要があります(シーク制御)。このシーク制御を行なう機構が高度で、ドライブの価格が高くなってしまう原因となっていました。これに対しQDは高度なシーク制御が必要なく、ドライブもメディアも低価格だというのが強みとなったわけです。

確かにランダムアクセスできないというのは欠点でしたが、カセットテープを使ったデータの読み書きよりも高速で大容量ということもあり、シャープのMZ-1500で標準搭載となったほか、MSX用の外付けドライブなどが登場しています。

なお、ランダムアクセスの必要がない用途であれば、デメリットなしに価格の安さが武器になります。ローランドやコルグといった音響機器メーカーが、MIDIの音源やデータ用メディアなどとして採用していたのがいい例でしょう。

もうひとつ大きな採用例が、任天堂の「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」です。ROMカセットを上回る大容量(片面64KB、両面合わせて128KB)、メディアにデータをセーブできる利便性、ゲームの書き換え販売が可能、そして何より低価格であることから、ゲーム機用としてピッタリでした。

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並べてみると外装に多少の差があることが分かります。大きな違いはNINTENDOのロゴ部分と、上部の突起。地味な違いは、ディスクシステムのほうがメディアが分厚くて丈夫だという点でしょうか。磁気記録部は、まったく同じです。

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低価格を武器に登場したQDですが、FDの価格が下がるにつれそのメリットが崩壊。大容量化や高速化といった後継モデルが登場することなく、消えていきました。

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