コンパクトフラッシュサイズの超小型HDD「Microdrive」:スイートメモリーズ File015

iPod miniでも採用されていました

宮里圭介(Keisuke Miyasato)
宮里圭介(Keisuke Miyasato), @miyasa
2020年05月25日, 午前 07:00 in sweetmemories
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removable media
[名称] Microdrive
[種類] HDD
[記録方法] 磁気記録
[サイズ] 25.4mm
[容量] 340MB~8GB
[登場年] 1999年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

「Microdrive」(マイクロドライブ)は、IBMが開発した1インチHDD。通常は3.5インチ、ノートPCなどで使われる小型のものでも2.5インチというサイズに対し非常に小さいもので、コンパクトフラッシュ(CF)Type IIと同じサイズに組み込まれて発売されました。

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当時、すでにフラッシュメモリーが登場して一般的に使われていたものの、まだまだ高価だったこともあり、大容量化しづらいという問題がありました。これに対してMicrodriveはサイズこそ小さいものの、技術的にはHDDと同じ。記録密度の向上があれば、コストがほとんど変わらないまま大容量化ができるという点で、フラッシュメモリーより優れていました。

インターフェースはCFと共通で、CFを採用していたデジカメなどでそのまま使えるということもあり、大容量のMicrodriveを愛用していたという人も多かったのではないでしょうか。知り合いのカメラマンさんからも、周りで使っていた人が結構いたと聞いています。ただし、Microdriveは5mmと厚みのあるType IIなので(CFで一般的なType Iは3.3mm)、デジカメによっては使えない場合もありましたが。

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とはいえいい事ばかりではなく、形はCFと似ていても中身はHDDそのものですから、衝撃に弱いという問題があります。小さくて軽いぶん多少はマシになっていたようですが、それでもデータを飛ばしたときのショックは大きいですから、価格と容量を重視してMicrodriveをとるか、安全性を考慮してCFにするかで悩んだという人も多そうですね。これ以外にも、消費電力が大きくなるため、装着できても実は使えないかも......なんていう不安もありました。

壊れたMicrodiveが手元にあったので、ちょっと分解してみましょう。

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プラッターのサイズが1インチということで、大体500円玉と同じくらい。横に並べてみましたが、いやー、ほんと小さいですね。HDDを分解したことがある人ならわかるかと思いますが、小さいだけで内部の構造はHDDそのものです。

容量は1999年6月に登場した最初のモデルで340MB。希望小売価格は5万8000円と高価でしたが、当時のCFは128MBが最大、しかも価格は5万円台となっていただけに、容量単価を考えればかなり割安です。HDDの大容量化、低価格化もあってMicrodriveも順調に進化し、1999年9月には希望小売価格が4万9800円へと値下げされたほか、2000年9月には約3倍の容量となる1GBモデルが希望小売価格4万9800円で発売されています。

ちなみに、IBMはHDD部門を2003年に日立製作所に売却していますので、これ以降はIBMというよりHGSTですね。HGSTからは、2003年11月に2/4GBモデル、2005年2月に6GBモデル、2005年9月に8GBモデルが登場しています。

容量単価が安いとなると貪欲に採用してくるのがアップル。周囲がフラッシュメモリー搭載のシリコンオーディオプレーヤーへと移行していく中、すべての音楽を持ち歩けるようにと、2001年発売の初代iPodでは5GBのHDDを採用していました。

この時のHDDは1.8インチのものでしたが、2004年に発売された小型化したiPod miniでは4GBのMicrodriveを採用し、大容量と小ささとを両立しています。実はこのiPod mini、価格が同容量のMicrodriveより安かったこともあり、分解してMicrodriveを取り出して使うというのが一部で流行ったりしました。

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このように容量と安さを強みにしていたMicrodriveですが、フラッシュメモリーの需要が増え、価格が下がってくると徐々にそのメリットが縮小。デジカメなどの機器でも速度が求められるようになったこと、そして、SDカードといった新しい規格の台頭により、役割を終えて消えていきました。


ちなみに名称は、登場時は全部小文字の「microdrive」でしたが、1GBモデルの登場時には「Microdrive」と頭が大文字になっていました。メディア収集を始め、340MBと1GBの2つのモデルを並べてみるまで、20年近く気づいてませんでしたね......。
 
 

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