Minecraft Dungeonsレビュー。癖になるマイクラ世界のハクスラ、覇権Co-opゲームの有望株

ガントレット・ディアブロ・トーチライトの系譜

Ittousai
Ittousai , @Ittousai_ej
2020年05月27日, 午前 10:30 in Switch
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Minecraft Dungeons

マインクラフトからスピンオフしたダンジョン探索アクションゲーム、Minecraft Dungeons (マインクラフト ダンジョンズ)のレビューをお伝えします。

マインクラフト ダンジョンズは、本編マインクラフトの世界観を借りた斜め見下ろし視点のアクションゲーム。4人までのローカル・オンライン協力プレイができ、半自動で生成されるステージに繰り返し挑戦して遊べます。

ジャンルとしては「ハックアンドスラッシュ」や「ダンジョンクロール」と呼ばれる、ガントレットやディアブロの系譜に連なる作品です。

対応プラットフォームはWindows PC、Xbox、PS4、Nintendo Switch。

価格は通常版で税込2640円とお手軽ですが、WindowsとXbox Oneの場合、定額サービスXbox Game Passに加入していれば追加費用なしで遊べます。

(注意:発売時点ではクロスプラットフォーム協力プレイには未対応。今後の無料アップデートで対応予定です。後述。)

Gallery: Minecraft Dungeons (マインクラフト ダンジョンズ) | of 15 Photos

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シングル・マルチでざっくりクリアまで遊んだ結論は

  • 一人でもグループでも手軽に遊べて中毒性ある良質のアクション

  • マイクラなのに採掘もクラフトもないかわりに、操作や育成の煩わしさを極力排したストレスフリーで快適なプレイ感覚

  • アクションの快楽と、武器やアイテムのドロップで一喜一憂するハックアンドスラッシュの楽しさが純粋に味わえる

  • とりあえず集まったら遊ぶCo-opゲームの新定番になり得る作品クロスプレイ早く!

マインでもなければクラフトでもない、けれど正真正銘の「マイクラ」感

マインクラフト ダンジョンズは、オリジナルのMinecraftを作ってきたMojangが開発する新作。現在のMojangは世界中にオフィスを構え、複数タイトルを擁するMojang Studiosになりましたが、ダンジョンズはオリジナルのマイクラ開発チームが「マイクラ世界でこんなゲームが遊びたい」と発案したプロジェクトです。

出自としては正統な「マインクラフト」の新作ではありますが、ゲーム自体は本家マインクラフトの派生やバリエーションではなく、エンジンも使っていない、全く別の独立したアクションゲームです。特にマイクラの根幹であるマイン(採掘)要素もクラフト(もの作り)も一切ありません。地面を掘ったり石を積んで砦を作るのはおろか、農業も牧畜も、鉱石を精錬して武器を作る要素もなし。

ではどこが「マイクラ」かといえば、クリーパーからラマ、アイアンゴーレム、エヴォーカー、エンダーマンまで登場するモブや、TNTにツルハシなどアイテム、マイクラで見慣れたブロックとバイオーム(動植物相)を元にしたステージなど、世界観はマイクラそのもの。エフェクトやサウンドも含めた「マイクラらしさ」は、あの広大なマイクラ世界のどこかで展開していた冒険を想像させます。

Minecraft Dungeons Screenshot

ゲームの基本は、ステージを選んで多数のモブと戦ってクリア、ドロップした装備でパワーアップして次のステージに挑戦、の繰り返し。アーケード並みにシンプルです。プレーヤーたちは勇者としてミッションを開放してゆき、世界征服を企む「邪悪な村人の王」と対決することになります。

強いランダムドロップを求めて際限なく遊んでしまう現代的ハックアンドスラッシュの祖『ディアブロ』シリーズや『トーチライト』等の系統でありつつ、気軽な協力プレイと押し寄せるモブは、むしろアーケードの古典『ガントレット』を現代的に再解釈した感があります。

マイクラのサバイバルモードのように自由な展開はないかわりに、半自動生成で遊ぶたびに変わるステージの構成、バラエティに富んだ武器やアーティファクトや防具のランダムドロップで、つい繰り返し遊びたくなるアクションと発見の楽しさだけを純粋に取り出したゲームです。

ここが楽しいマイクラダンジョンズ。マイクラ世界の冒険

Minecraft Dungeons

物量で壁を作るゾンビ、距離をとってチクチクと矢を放つスケルトン、もちろん突進爆発するクリーパーを筆頭に、見慣れたモブが多数登場します。

敵陣深くに隠れ強化魔法で洒落にならない強敵を生み出すエンチャンター、ヴェックス召喚と地面からの牙を使うエヴォーカー、後半に中ボス格で出現するエンダーマンや、ダンジョンズのオリジナルモブとなるレッドストーンゴーレムなど強敵も。

一方でラマやオオカミ、アイアンゴーレムなど、戦ってくれる友好モブの召喚も可能。外見だけではなく、マイクラで確立した習性と役割を持ち、オリジナルのモブもマイクラ世界観で「こいつはやべえ!」と分かるデザインと挙動です。

モブに加えて、マイクラの地形エディタで作ってからディテールアップしたという個性あふれるステージのビジュアル、演出も見どころ。背景ストーリーにそって作り込んだ部分と、プロシージャル生成される部分を組み合わせた構成なので、遊ぶたびに新鮮でありつつ、特にゲーム後半はアーケードゲームの終盤近くのように盛り上がります。

アクションの歯ごたえ

Minecraft Dungeons Screenshot

基本となるアクション部分はしっかりした作り。近接武器で斬る・突く・叩くのレスポンスや緊急回避、狙って矢や魔法を放つ、火炎・爆発・毒霧・氷柱・魔法の鎖・落雷などなどエフェクトの気持ちよさ、動きの快感は上質です。

マウスでもコントローラも遊べ、移動方向が攻撃方向のシンプルな操作系なので、ゲームにあまり慣れていない人でも遊びやすくなっています。技量や進行レベルが違っても遊べるのはco-opに重要です。

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武器や防具、いわゆるマジックアイテムであるアーティファクトと、それぞれに追加できるエンチャントの種類は豊富。どの武器にどのエンチャントを掛け合わせるか、どんな戦い方に最適化するかの試行錯誤が醍醐味です。

近接武器はハンマー、双剣、ツルハシ、長剣、グレイブ、メイスなど、それぞれに間合いや連続技、威力が違うほか、固有名つきのユニーク武器もあります。黒光りする刀身に「吸血」エンチャントを備えた偃月刀「名もなき刃」、ソウル吸収能力を高める刺突剣「トゥルースシーカー」などなど。

アーティファクトの例は、矢にTNTを括り付けた「花火の矢」から、摂取して一時的に移動速度と攻撃力を爆上げする「シロタマゴテングタケ」、死者から吸い取った魂を魔力の弾丸として全方向に放出し吹き飛ばす「ハーベスター」、ソウルを雷撃に変換する「雷の杖」などなど。

Minecraft Dungeons

ボウガンや弓をひたすら強化してアーチャーとして立ち回るか、「ソウル」消費アーティファクトをメインに常に斬り込むか、マルチプレイならタンク役やヒーラー役など、装備とエンチャント選びで戦い方も大きく変わります。

よしこれで最つよに強まった!と思った途端、ボスのドロップで使ったことがない種類の強力なユニークアイテムが手に入り、これを活かすエンチャントと装備の組み合わせは……と悩むのもハックアンドスラッシュの楽しさです。

モブとの戦闘もただ機械的に大群を処理するだけではなく、前衛をどう突破して後ろの厄介な射手やエンチャンターを倒すか?や、片端から殲滅するか一気に飛び込んで血路を開くか、装備とパーティー構成にあわせた戦略性があります。

手軽さ、ストレスフリーのこだわり

豊富な武器やアイテムでさまざまな戦い方が楽しめるゲームですが、キャラクタークラスは存在せず、すべて武器と装備、それぞれのエンチャント(炎属性など強化)で決定します。

またスキルに相当するものも装備に紐付いており、キャラクターのスキルツリーを伸ばしてゆくような要素もありません

Minecraft Dungeons Screenshot

さらにいえば装備も基本的にはランダムドロップを待つのみで、クラフト要素はありません。レア素材をあと20個集めると左足パーツが完成!あと期待値的にはあと80周で揃うはず!といった、最近流行りの育成システムも採用していません。

この割り切りはすべて、後々まで引きずる重い決断や煩雑な計算を要求せず、ストレスフリーに楽しめる、マルチでも手軽に遊べる利点につながっています。

一般論でいえば、キャラクタークラスやスキルツリー、素材集めにクラフトはうまく導入すればゲームの核になるほど楽しくモチベーションになり、提供者側にとってもコンテンツの寿命を最大限に引き伸ばせる要素です。

しかし一つ間違えれば十分な手がかりもないまま非可逆な判断を強いてプレーヤーに心理的・時間的な負担をかけたり、素材のドロップ期待値から割り出した「最適」なステージをひたすら周回する効率化を考えはじめた途端、目当てがドロップしなかった回や、最高効率でないステージは無駄に感じられたりと、アクションと発見の楽しみが色褪せる本末転倒になる危険もあります。

Minecraft Dungeons Screenshot

効率化と作業化自体が楽しいゲームはもちろんありますが、マイクラダンジョンズはそれを前面には出さず、アクションとドロップのシンプルな楽しさに集中して手軽に楽しめる点が魅力です。

もちろん一切考えることがないわけではなく、ドロップの質や傾向でステージや難度を選ぶといった効率化は可能です。また装備ごとにランダムでスロットが用意されるエンチャントについては、戦闘を繰り返しレベルアップで稼ぐエンチャントポイントをどこに注ぎ込むか大いに悩みます。

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たとえば2種類のエンチャントが可能なクロスボウを拾ったら、「貫通」と「成長」(飛距離で威力増)の組み合わせでピンポイントなボス狙撃用にカスタマイズするか、それとも「マルチショット」(確率で矢が分散する)と「無限」(確率で残弾回復)を選んで雑魚制圧弾幕用に使うか、エンチャントポイントをどう割り振るかは悩みどころ。

このエンチャントの割り振りも、装備を「回収」(売却)することでポイントが戻ってくるため、そこまで悩み抜くことなく気軽に実験できます。

ストレスフリーといえば、必殺技のようなアーティファクト(マジックアイテム)の使用回数はすべて時間回復か、敵を倒して回復するソウル消費なのも特徴。標準装備の回復薬ですら時間で再使用可能になるため、お金で買う消費アイテムが存在しません

つまり強い武器があっても残弾がもったいなくてなかなか使えないストレスや、強ボスとの一騎打ちに勝利した喜びもつかの間、貴重なアイテムを浪費しすぎたかと気になりリセットしたくなる状況が発生しない仕組み。初心者が飛び入りしても「それはそこで使っちゃダメだよあーあ」等といちいち指示されて興ざめにもなりません。(再使用まで長くて数十秒の待ちは発生するため、使い所に習熟してゆく要素はもちろんあります)。

唯一、標準装備の遠距離武器(主に弓)だけは残弾があり、ステージ中で気を配って温存したり、ここぞと全弾撃ち尽くしする要素がありますが、残弾はステージをまたいで引き継がれないため、あくまでそのステージ内の配分だけを心配すれば良いシステムです。

また毎回変わるマップ内のナビゲーションも、さりげないストレスフリー・フリクションフリーへのこだわりが感じられる点。マップはアウトラインだけをプレイ画面の中央にオーバーレイできるため、迷っていちいちマップ画面を開いたり、ミニマップとゲーム画面を交互に注目するわずかなストレスもありません。

さらに、進むべき方向には動的なナビゲーションアイコンが常に表示されるため、ゴールを目指すにはオーバーレイマップすら必要ありません。敢えてナビゲーションに従わず、マップで怪しい袋小路を探して宝箱がないかしらみつぶしに探索するのも、常にアイコンのほうに進んで最速で踏破するのも、その時々で自由に決められます。

懐かしのアーケード的な盛り上がり。一期一会な協力マルチに最適

キャラ育成やステージ内の消費アイテム管理など後に引きずる「重い」要素を極力排したことと、魔法使いや戦士など固定のクラスがなく装備交換だけで戦い方と役割をすぐ交換できるのは、マルチプレイの敷居の低さ、楽しさに貢献しています。

Minecraft Dungeons

フレンドと気軽に砂漠の神殿やら闇の採掘場やらに侵攻しつつ、思わぬ強敵に遭遇し慌ててその場しのぎの戦術を考えたり、思惑が外れてひどい目に遭うのも格別の楽しさ。

魔法で強化された大群を相手に、このままではジリ貧だから誰かが斬り込んでエンチャンターを仕留めるしかない、いや二手に分かれ側撃するのが正解だと言い合ったり、回復薬も矢玉も尽き必死で逃げ延びた先の通路に巨大なゴーレムが待っていたりと、プロシージャル生成の半ランダムマップならではの新鮮な楽しみがあります。

難度とドロップのレアリティは各ステージごとの固定ではなく、現在のキャラクターレベルにあわせて上下に調整できるため、完全装備で高難度に挑んで強力なアーティファクトの一攫千金を狙うか、リラックスして楽しめる難度にするかも自在です。ハクスラらしく、初期難度で一周クリアはむしろスタートで、敵もドロップも見違えるほどパワーアップする上級難度がアンロックできます。

微妙な点

気軽に遊べて中毒性のあるゲームですが、微妙な点もないではありません。もっとも大きな不満は、発売直後の時点ではクロスプラットフォームの協力プレイに対応しないこと。

フォートナイトとともにクロスプレイ普及の流れに貢献したマインクラフトの派生作であるにもかかわらず、またWindows / Xbox / PS4 / Nintendo Switchと主要プラットフォームが揃うにもかかわらず、プラットフォームで閉じているのは残念です。

ただしこの点については、無料アップデートで将来的には対応を計画しています。ローカルマルチとオンラインプレーヤーの混在ができない点もアップデートで改善予定(ローカルで二人、オンのフレンドを二人で計4人等はいまのところ不可)。

システム周りでいえばクロスセーブに対応せず、対応予定がないのも残念な点。自宅でPS4、出先でSwitchといった組み合わせが難しいのはまだ分かるとして(実現するタイトルがある以上、プレーヤーが忖度することでもありませんが)、マイクロソフトのゲームなのにPCとXboxでクロスセーブができないのは驚きです。

一部のアクション判定の緩さ。限られた状況でしか発生しないものの、特にボス戦など、非常につまらない方法で勝ててしまう抜け穴がありました。安全策と積極策といった話ではなく、単なる塞ぎ忘れと思われるような方法です。

いわゆる安全地帯の発見や、ゲームシステムの穴を突いた攻略はある意味ゲームの華ともいえ、つまらないなら使わなければ良いのも正論。しかしそれまで手に汗握って必死に戦っていたつもりが、実はつまらない作業で簡単に倒せることが分かってしまった途端、がんばって強化したエンチャントもお気に入りのエピック装備も、試行錯誤でたどり着いたロードアウトも意味が薄れてしまい、真剣な挑戦だったはずがいつでも放棄できるオレツエー演技になっては興ざめです。

マップがやや静的。高低差を強調したマップは目に楽しくエフェクトもリッチで、古き良きアーケードゲームのグラフィックが今の時代に生まれ変わったように良くできています。しかし時たま出てくるチェストやツボ、踏んで反応がある植物など以外、ほとんどアクションに反応がないのは寂しい点。

マイクラ本編のようにブロックを壊せるようにとはいいませんが、たとえば炎や雷のエフェクトに対する反応も乏しく、マップに大激戦の爪痕が残るでもなく、全体に一昔前のゲームのような書き割り感があります。

まとめ

Minecraft Dungeons

現時点でクロスプレイ非対応など残念な点もあるものの、一人でもグループでも、お気軽にも真剣にも遊べる優れたハックアンドスラッシュ。ストレスを排したアーケードライクなプレイ感覚やアクションの手触りなど特筆すべき点も多く、「マインでもなければクラフトでもない、ガワだけマイクラの古臭いゲーム」とスルーするには惜しい作品です。

Xboxゲームパス加入者ならば全員が遊べるため、なんかさっと遊べるやつとりあえずやろうぜ、のマルチ作品としては最適。買い切りでも2000円台と安価なうえに、ローカル協力プレイで自宅接待ゲームにも活用できます。

ステージ数はそこまで膨大ではなく、ボスキャラクターはもう少しバリエーションが欲しいところですが、今後はDLCの追加も予定されています(3500円くらいの「ヒーローエディション」は、限定スキンや最初の有料DLC2つ分を含んだバンドル)。マイクラ本編とはまた別に、定番として末永く発展することに期待したい作品です。

 
 

 

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