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めざせラノベ作家!新型ポメラ「DM200」でカタチから入る印税生活入門

新型ポメラで夢の印税生活に近づける?

Engadget JP Staff , @engadgetjp
2017年1月23日, 午後01:00 in Kingjim
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幅広い年齢層で多数の読者がおり、アニメ化、マンガ化といった展開も珍しくないのがライトノベル(以下、ラノベ)。ラノベ作家という職業に憧れてはみたものの、何から始めればいいのかわからない......という人も多いだろう。そこで、作家を目指す第一歩として、原稿を執筆するためのツール「ポメラ」を手に入れることから始めるのはどうだろうか。

プロのラノベ作家であり、作家育成にも取り組む日昌晶(ひよしあきら)氏。聞き手として、ラノベ作家に憧れる緒川さくら氏を迎え、作品の執筆方法や印税生活について教わりつつ、新型「ポメラ」を使ってみた感想をうかがった。

執筆のプロから絶大な支持

まず、「ポメラ」が何かわからないという人のために、製品について紹介しよう。



原稿を執筆するツールとしてはパソコンがメジャーだが、Webやゲーム、SNSなどの誘惑が多く、なかなか執筆に集中できないという現実がある。執筆を仕事や趣味とする人たちから絶大な支持を得たのが、余計な機能をそぎ落とし、テキスト入力に特化したデバイス、キングジムのデジタルメモ「ポメラ」シリーズだ。

2008年に登場した初代モデルの「DM10」は折り畳みキーボードを採用し、コンパクトながらもしっかりと打鍵できること、そしてテキスト入力以外のことができないという割り切った仕様で人気を集めた製品だ。さらに2011年には折り畳みキーボードではなく、ストレートタイプとなる「DM100」が登場し、画面の大型化や電子辞書の搭載など、より便利に使えるよう強化された。



今回紹介する「DM200」は、この「DM100」の流れをくむストレートタイプ。画面が7インチワイドと大きくなったほか、無線LANを搭載するなどハードウェア面が強化されている。さらに、アウトライン機能、ファイルの比較編集、類語辞典の追加など、機能面まで大きく進化しているのが特徴だ。

ラノベ執筆にはキャラクター作りが何よりも大切

日昌氏に「DM200」を使用した感想をうかがう前に、作家を目指す前提となるラノベの作り方、書き方を解説していただいた。



日昌氏が執筆し始めたのは、ラノベの指南書やハウツー本といったものがない時代。最初は文学作品の書き方に関する本をいくつか読んではみたものの、「自分の心の思うままに書きなさい」「テーマを見つけなさい」といったものが多く、エンターテイメントとしてのラノベ執筆には向いていないものばかりだったという。

ラノベ作家としてデビューしたあとで、ラノベとは何だろうかと考え、学び、それをフィードバックしたいという気持ちから、ラノベ作家育成のための小説教室などを開催するようになったそうだ。



緒川氏:「一般的な小説とラノベの違いでまず思いつくのが、タイトルが長いとかイラストが多いといった部分ですが、原稿執筆に関して具体的な違いはあるのでしょうか?」



日昌氏:「一般的な小説であれば伝えたいことやテーマなどが重要となりますが、ラノベの場合はエンターテイメント色が強くなるので、何よりも魅力的なキャラクター作りが重要となります。今までにない飛び抜けたキャラクターが作れれば、70~80%は成功といってもいいくらい比重が高いですね。とくに男性は簡単な世界観やプロットを先に作りたがり、キャラクターを後回しにする人が多いのですが、それではストーリーに合わせた都合のいい動きをするだけのキャラクターにしかならず、面白くなりません」

まずはキャラクターを作り、そのキャラクターに何をさせたいか、どう活躍させたいかでプロットを作るというのが、ラノベのポイントだという。なお、一度作ったプロットでも、執筆中に面白くなりそうであればどんどん変えてしまっていいそうだ。

無理にプロットに合わせてしまうと話がつまらなくなってしまうことが多いだけに、キャラクターの進んだ方向に合わせて修正していく方が面白くなるわけだ。

「ポメラ」の魅力は、いつでもどこでも書ける手軽さ

キャラクターができ、プロットもできたら原稿の執筆となるわけだが、ここで活躍してくれるのが「ポメラ」だ。

執筆といっても、資料のまとめ、調べもの、連絡手段などが必要となることが多いだけに、パソコンは必須。しかし、専業作家でない限りは家のパソコンの前に座って作業できる時間は限られてしまうのが現実だ。ノートPCを使うにしても持ち歩くには重たく、バッテリー駆動時間にも不安が残ってしまうため、気軽に書けるとはいいづらい。作家とは別に会社員の本業を持つ日昌氏は次のように語る。



日昌氏:「本業を疎かにできないため、執筆できる時間は自然と帰宅後や休日になってしまいます。上達には1ページでもいいので毎日書くというのが大切なのですが、仕事が忙しくなればこの時間を作るのが難しくなってしまい、結局書かなくなる......という状況になりがちです。『ポメラ』の強みは、コンパクトで軽いため気軽に持ち歩け、昼休みや通勤電車の中、帰りがけに寄った喫茶店など、ちょっとした時間にすぐに開いて書けるところにあります」

緒川氏:「いつでも書けるというのは、時間がない人にとっていいですよね。タブレットとキーボードをセットで持ち歩く人もいますけど、それよりも断然軽いですし、何より薄くてカバンにもしまいやすそうです」

新モデルとなる「DM200」の重量は、約580g。ペットボトル1本分を少し超える重量しかないため、気軽に持ち歩けるわけだ。外出先ではもちろん、家の中でも好きな場所で使えるため、机から離れてソファで横になりながらや、寝る前にベッドで使うこともできる。



日昌氏:「以前、『ポメラ』の旧モデルを執筆に使っていました。当時のノートPCはとくにバッテリーの持ちがよくなかったこともあって、乾電池で動き、電源を気にせず使える『ポメラ』は便利でした。また、ノートPCと違ってWiFiでインターネットにつないでしまい、結局書かずに遊んでしまうといったこともないため、集中しやすかったですね。このあたりの特徴は、最新の『DM200』でも同じです」

緒川氏:「わかります!インターネットは調べものとかには便利ですけど、そこで止まらないですよね。いつの間にかニュースを読んでいたり、ゲームしちゃってたり(笑)」

「DM200」は乾電池ではなくバッテリー駆動へと変更になったが、駆動時間は約18時間。さらにスマホなどでよく使われるモバイルバッテリーも利用できるため、電源の心配をすることなく使えるという点では、従来よりも便利になったといえるだろう。

執筆で活用したい新ポメラ「DM200」の新機能


持ち歩きやすく手軽に使えることと、電源を気にせずに使えるという2つの大きな特徴を引き継いでいる「DM200」だが、ラノベを執筆するうえで便利な新機能も多数搭載している。

日昌氏が最初にあげた「DM200」の進化が、画面の大型化だ。前モデルの「DM100」でも5.7インチと過去最大サイズだったが、「DM200」はさらにワイド画面となり、サイズも7インチにアップしている。

日昌氏:「画面のサイズはテキストの見やすさにつながります。ラノベですと1ページ40文字改行が多いのですが、ワイド画面ならフォントを少し小さくするだけで40文字表示できるので、どのくらいの分量を書いているのかすぐに把握できるのが便利ですね。とくにフレーム表示を使えば、40文字できっちりと表示できます」


実際のラノベと同じ「1ページ40文字改行」で執筆できる

フレームのほか原稿用紙風の縦書き表示などにも対応しているため、縦書き時の表示イメージも把握しやすい。また白背景に黒文字だけでなく、黒背景に白文字といった白黒反転表示も可能。バックを暗くすることで目の負担を和らげられるため、好みの表示方法を選べるのもメリットだ。これ以外にも、フォントサイズを6段階、行間を5段階から選べるなど、好みの表示方法にできる。



緒川氏:「この縦書き表示もいいですね!原稿用紙風にすれば、いかにも原稿を執筆してるっていう感じがして気合が入りそう」


原稿用紙風の縦書き表示にも対応する


白文字に黒背景のほうが目が疲れないという

執筆の初期段階で役立つ「画面の分割表示」

ワイド画面ならではの便利機能としてあるのが、画面の分割だ。2つの原稿を同時に開いて左右に表示できるので、比較や参照をしながらの執筆に向いている。



緒川氏:「画面を分割してしまうと狭くなってしまいますよね。2つの原稿を並行して執筆するなんてことはないでしょうし、ファイルが2つ開けるメリットって何でしょうか?」

日昌氏:「原稿が2つではなく、原稿とは別にもう1つファイルが開けると考えるといいと思います。例えばプロットやキャラクターの設定を別ファイルで作っておけば、常にチェックしながら執筆できるわけです。とくにキャラクターに慣れていない初期段階では設定を見ながら書くことが多いだけに、実用性は高いと思いますよ」

もちろん参照するだけでなく編集もできるので、プロットの修正やキャラクター設定の追加なども手早くできる。また、異なる2つの原稿だけでなく同じ原稿の違う場所を表示・編集できるので、同じシーンを別角度から書きたい場合や、伏線の回収などで活躍してくれるだろう。

編集作業で便利なアウトライン機能

原稿の修正やエピソードの挿入、イベントの入れ替えといった編集作業で便利なのがアウトライン機能だ。先頭に「.」(ピリオド)を付けることで見出しが作成でき、見出し単位での移動や入れ替えができるので、頻繁に前後の入れ替えを行う場合に重宝するだろう。もちろんプロットを作るのにも向いている。



気の利いた言い回しを見つけられる類語辞典

執筆中に悩むことが多いのが、正確な言葉が使えているのか、適切な漢字を選んでいるかといった問題だ。「DM200」には辞書機能として「明鏡国語辞典MX」「ジーニアス英和辞典MX」「ジーニアス和英辞典MX」の3つに加え、新たに「角川類語新辞典.S」を搭載しているので、いつでも言葉の意味を調べることが可能だ。とくに類語辞典は表現力に幅をもたせられるという意味でも便利だろう。



日昌氏:「同じ表現がかぶらないように言い方を変えたり、また、ちょっと気の利いた言い回しがしたいけど思いつかない、といったときには類語辞典が活躍してくれると思います。あとは辞典として使うのではなく、表現方法を学ぶための参考書みたいな感じに、類語辞典そのものを読むというのもいいかもしれないですね。自然と語彙が増やせますから」

無線LAN対応でバックアップも気軽に

これ以外に、新たに搭載された機能として無線LANがある。といっても、できることはMacやiPhoneのメモアプリと同期できる"ポメラSync"と、Evernoteなどのクラウドストレージへ保存する"アップロード"の2つだ。従来通り、執筆の妨げとなるWeb閲覧、メール受信、SNSの利用といったことはできない。この機能が活躍してくれる用途といえば、手早く原稿のバックアップが取れることだろう。



日昌氏:「普段からSDカードを使ってバックアップしているならいいのですが、面倒になってサボりがちです。そういう時に限って機器をなくしたり、SDカードが壊れたりしてしまうんですよね。自分の頭で考えた原稿ですから書き直せないこともないですが、同じ文章をもう一度書くには難しいですし、なにより気力が続きません。『ポメラ』は買い直せても原稿は戻ってこないだけに、手軽にバックアップできるのはうれしいポイントです」

キーボードはたわみのない打ち心地

以前からキーボードへのこだわりがある「ポメラ」シリーズだが、「DM200」は本体の剛性を高め、たわみの少ないしっかりとした打ち心地を実現しているという。折り畳み式のモデルと比べてしまうとサイズは大きくなるが、打ち心地を重視するのであれば、ストレートタイプが最善だ。



これからラノベ作家を目指す人にとって、「ポメラ」は理想的な執筆ツールのひとつといえるだろう。

「印税生活」は副業としては悪くない

新型「ポメラ」を入手して、いつでもどこでも書ける執筆環境を整えたとして、「印税生活」へのハードルはいかほどのものだろうか。日昌氏によると、ラノベ作家で専業という人はごく一部で、本業が別にある兼業作家がほとんど。印税だけで生活できるのは、誰もが知っているような超有名作家のみなのだが、副業としてみれば悪くないという。



日昌氏:「趣味となるラノベの執筆で賞金や印税がもらえれば、趣味と実益が一致しているだけに、副収入としてはいいのではないでしょうか。もちろんいい作品ができれば、専業のラノベ作家にもなれます。この作品づくりの最初の一歩、作品の執筆が身近になる、書く機会が増えるという意味で、『ポメラ』はすごくいい製品だと思います」

作家デビューで大切なのは、最後まで書ききること

執筆したラノベの発表方法といえば、小説投稿サイトでの公開、コミケをはじめとする即売会での発表など色々な手段があるが、作家デビューを目指すのであれば、編集部が主催している新人賞へ応募が近道。プロの編集者から見た、いい点・悪い点を教えてくれることも多いため、次回作に生かせるというのがその理由の一つだ。また、うまく入選すれば賞金がもらえ、さらに書籍化という道も開ける。



緒川氏:「お話を聞いていて、執筆がぐっと身近に感じてきました!ラノベ作家としてデビューするには新人賞に応募するのが近道とのことですが、新人賞を狙うコツってあるんでしょうか?」

日昌氏:「新人賞を狙うにしても、とにかく投稿する作品を書かなくては話になりません。最初から面白いものを書くのは難しいので、まずはつまらなくてもいいので最後まで、40~50枚程度の短編を書いてみることです。そして書きあがったら友達に読んでもらって、面白かったかどうかを聞いてみるといいでしょう



日昌 晶(ひよしあきら)

小説家、ゲーム作家、講師、民俗社会学者。
早稲田大学出身。富士見ファンタジア大賞準入選『覇壊の宴』にてデビュー。小説家育成にも携わり指導した生徒は百人以上、多くの生徒をデビューさせる。作家育成に関しては『ライトノベル創作教室』『ライトノベル創作Q&A』など多数執筆。

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