シーンによって、タブレットやノートPCとして使い分けできる2-in-1 PC。「ノートPCを持ち歩くのはちょっと......」「とはいえ、タブレットでは使い勝手が悪いこともある」というニーズを受け、いま注目を集めています。

そんな2-in-1 PCの新しい活用シーンやカスタマイズを考えようというアイデアソンが品川のマイクロソフトオフィスにて開催。あいにくの雨にもかかわらず定員の30人を大幅に超える42人が集まるなど、2-in-1への期待の大きさを感じます。アイデアソンでは各社の実機にふれながら、2-in-1 PCの新しい機能、アプリ、周辺機器など「こんなものが欲しい!」というアイデアを広げていきました。

 

PCをさわって、1日を振り返って発見、アイデアの種

今回はまず、2-in-1 PCにさわってみることから始まりました。各テーブルには各社からタッチ&トライできる実機を1〜2台用意しており、1人につき4分間ではあるものの順番に操作を試していきます。



その間、PCが回ってくるのを待っているほかのメンバーは日常生活を振り返ります。事務局が用意した「1Dayバーブサークル」という紙に書き込んでいきます。1Dayバーブサークルには「起きる」や「電車に乗る」などのシーンを時計のようなサークルに書き込んでいくというもの。起きてから寝るまでの1日を振り返り、「見る」「書く」「動く」など自分の行動や、そのときどきに「ちょっと不便に思うこと」などを記入します。



1Dayバーブサークルに1日の生活の流れを記入します



自然と会話が盛り上がっていきます

実機をさわりながら、テーブルごとに次第に会話が弾みだしていきますが、最初のアイデアスケッチは個人ワークです。実際に2-in-1 PCをさわってみた経験と1Dayバーブサークルで振り返ってみた1日の流れ、その中から「どう使いたいか?」「どう使えば、これが解消できるかな?」などをもとに、アイデアをスケッチに描いていきます。


アイデアソン講師は石井力重(いしい・りきえ)さん(アイデアプラント代表)​
アイデアスケッチのための絵心レクチャー

表情を出すことでアイデアも人に伝えやすくなるのがポイント。マルで囲んだ人の顔も、まゆげ、目、鼻、といったパーツごとに書き分けて組み合わせるといいでしょう。言葉を羅列するのではなく、表情のある顔に吹き出しをつけて書くだけで親しみがわきます。また人の体も単純な線ではなく、長方形にするだけで人っぽさが増しますよ。「ちなみにラクガキコーチのタムラカイさんに教えてもらった技法です」(石井さん)



 





描いたスケッチをグループ内で共有します。「未成熟な思考は立ち上がったほうが受け入れやすい」という石井さんのアドバイスで、後半は立ち上がって議論を進めたり、会場の熱気はどんどん高まっていきました。最終的にメモ程度のフラッシュアイデアも含めて100以上のアイデアが生まれ、この中から各グループごと代表となるアイデアを選抜。



共有したアイデアから1つに絞り、発表プレゼンに向け(わずかな時間ですが)ブラッシュアップしていきます。


グループでプレゼンするアイデアを1つにしぼります。自分がいいなと思ったアイデアにグループ全員で一斉に指差しして投票

「2-in-1」なら、こんな使い方がしたい!

いよいよ発表です。制限時間は1分間。厳守です。

ノートPCの画面を取り外しタブレットになるデタッチャブル式の機種をヘッドマウントとして使って職場で1人の世界になれるという「職場で1人の世界」や、バッグの側面がタブレットの画面になっていつでもどこでもPCが使えるという「バッグでしょ、いやいやPCです」、離席状態を画面に通知する「我、昼休みNow」、車に搭載し大画面カーナビにしたり、車の情報を表示しようというもの……などなど、各グループごとにさまざまなアイデアが出ました。

 

Windows 10 賞:これは欲しい! 3-in-1 PC


Windows 10 賞(賞品:Bluetooth Cortana ボタン)は「3-in-1 PC」。分離したタブレット部をキーボード部に縦にくっつけたり、タブレット部を縦にして細まった分、余ったところにスマートフォンをさして同時に作業できたり、キーボードやアプリを共有できたりできる「3 in 1」にできないかというもの(第4班)。これは、2-in-1 PCを実際にさわってみて「どうしても納得できないこと、2 in 1ならこれができなきゃと思っていた。ずっと欲しかった機能」だったそう。

「ハードウェアのことを考えても、そういうアイデアがあったのか! と目からウロコでした。2-in-1という特性を活用しているアイデアであるのも素晴らしかったです。何より、欲しいと思えるところが大きなポイントでした。ただ技術には、ハードウェアがからんでいる分、かなりそれなりに開発しなければ実現は難しいのかなとも思いますが、メーカーの皆さんにお願いしてみたいですね!」(嶋内さん)



 

マイクロソフト賞:本体の回転や着脱をパスワードに


マイクロソフト賞(賞品:Arc Touch Bluetooth Mouse)は、回転や着脱、開閉という一連の動きをパスワードにするというアイデア(第7班)。2-in-1 PCを開いたり、画面を回転させたり、そういった動作は人により異なります。その動きを認証にしてログインや秘密のフォルダへのアクセスをさせようというものです。

「着脱の動作がきっかけというところが、2-in-1である必要性が高いし、確かにありそうでなかったこと。Windows 10で、着脱の動作で離すとタブレットで操作しやすくなるというエフェクトはあるんですが、他の動作という発想はおもしろい。またアプリで可能なことなので実現性が高いというところもポイントでした」(嶋内さん)

Engadget賞:顔認識で文字サイズや画面の回転を調整するアイデア


Engadget賞(賞品:Engadget Tシャツ)は「インカメラで顔認識」(第6班)。インカメラで顔認識をさせ、距離が離れたら画面中の文字などの表示サイズを大きくする、画面のローテーションを自動制御するというもの。ローテーションだけの機能は既存製品にもあったりしますが、文字サイズなどの変更は意外に便利かもしれませんね。

マイクロソフト嶋内愛さんは「かゆいところに手が届く系のアイデアで、審査員もみんな欲しいという感想でした。ただ、タブレットでもいいんじゃないかというところがあり、2-in-1 PCならではの工夫がもう少し欲しかったですね」と講評しました。



このほか、グループの代表には惜しくも選ばれませんでしたが、どうしても聞いてほしいという飛び込みのプレゼンも登場し、みなさんのデバイスへの思い、熱気が感じられるアイデアソンでした。

2-in-1 PCをもっと浸透させたいということから、このアイデアソンを企画したというマイクロソフト笹島さやかさんに感想を聞くと「2-in-1 PCは、実際にどういうところで活用できるかなど、使い方のシナリオも、そこまでまだバリエーションが出ていません。今回、何よりみなさんの柔軟なアイデアがとても刺激になりました」とのこと。

果たして、ここで登場したアイデアをベースにしたものが何か形となって出てくるのでしょうか!? 楽しみですね。今後も2-in-1から目が離せません!

 

各社の2-in-1 PCラインアップ紹介

 
Acer
Aspire Switch 10E


簡単にスムーズに脱着できるマグネット式ヒンジを採用しており、タブレットにもパソコンにも手軽にスタイルチェンジで便利に使える一台二役のデタッチャブル式2in1。高いコストパフォーマンスを実現するAtom x5プロセッサ、Office Mobile プラスOffice 365を標準搭載。本体ストレージに加えキーボード側にもHDDを内蔵。約12時間駆動なので安心して持ち運べ、Micro USB接続で手軽に充電できます。

 
 
ASUS
TransBook T100HA


画面が着脱できる10.1型2in1製品。装着部分はマグネット式で簡単に取り外しが可能。薄型・軽量のメタルボディはマット加工でスタイリッシュ。パワフルで省電力のAtomプロセッサを採用、コスパの高さも売り。

 
NEC
HZ330/300/100


NEC Lavie Hybrid ZERO シリーズの11.6型モデル。画面が外れるデタッチャブル式。11.6型のWindowsタブレット単体としても、2-in-1ノートとしても世界最軽量です。タブレット単体は驚きの410g。合体してもわずか798g

 
Dell
XPS 12


世界初4K UHDディスプレイ搭載着脱式12インチ2-in-1。付属のキーボードは持ち運びに適した薄型・軽量であると同時に、生産性を落とさない確かなキータッチで、パソコンとタブレットの境界線を無くします。Thunderbolt 3 with USB Type-Cを2基備え次世代に対応。さらに新型のスタイラスペンを使えば、デジタルワークスペースへと変貌し、作業力を別次元へと引き上げます。

 
Toshiba
dynaPad N72


dynaPad N72(N72/T)は12型Windowsタブレットとして世界最軽量の579gと、高精度なペン入力が売り。紙にメモするような自然な感覚の手書き入力や手書きの文字や図のデータ化などアナログとデジタルの境界を超えるアプリで、「創造的思考のためのインテリジェント・ツール」をうたう野心的な製品。
 
VAIO
VAIO Z (フリップモデル)


天板の中央から画面が反転する、独自のマルチフリップ機構を採用したコンバーチブル。付属のデジタイザースタイラスは、クリエイター向けモデル VAIO Z Canvasと同じく筆圧感知にも対応。13.3型WQHD高精細ディスプレイ、Core i7プロセッサ、約20時間駆動バッテリーなど高性能なビジネスモバイル。
 
Panasonic
Let's note RZ5


落下試験や加圧試験クリアなどレッツノート伝統のタフボディを継承しながら、コンバーチブルPCで世界最軽量の745g (LTE対応モデルは約770g)。10.1インチの画面は縦に余裕があり高精細な1920 x 1200ピクセル。
  
HP
Spectre 13 x360


HPのプレミアム2-in-1ノート Spectre 13 x360は、13.3インチディスプレイが360度回転し、利用シーンに応じて4つのモードに変更可能なコンバーチブルタイプ。アルミ削り出しの高級オーディオを彷彿とさせる上質なデザインと、快適操作を約束するハイパフォーマンスが人気のモバイルPCです。
 
FUJITSU
arrows Tab RH77/X


2-in-1タブレットだからこそ、敢えて本格的なキーボード入力にこだわっています。付属のカバーキーボードは、薄さわずか約5.2mmでありながら、約19mmの広いキーピッチと約1.5mmの深いキーストロークを確保。心地よい打鍵感でミスタッチの予防に役立ちます。さらに変換機能に優れた日本語入力システム「ATOK」を搭載し、変換ミスを防ぎます。どこでも快適に文字入力が必要な方に最適です。
 
mouse computer
MT-WN1001シリーズ


マウスコンピューターの「MT-WN1001」は、着脱式キーボードが付属する10.1型の2-in-1タブレット。キーボードは本体ケースとしての機能も持っており、ケースに入れた状態で安全に持ち運びつつ、そのままノートPCスタイルで使うことが可能。USB3.0やmicroHDMI、microSDメモリーカードスロットを搭載するなど、拡張性も特徴。1年間のOffice 365サービス利用ライセンス付。

 
Lenovo
MIIX700


高級感ある金属筐体の12型タブレットに、カバーを兼ねたフォリオキーボードがセットになった製品。タブレット本体に腕時計のようなウォッチバンドヒンジの薄型スタンドを備え、ちょうど良い角度に固定して使える点が特徴。



大内孝子(おおうち・たかこ):フリーライター/エディター。主に技術系の書籍を中心に企画・編集に携わる。2013年よりフリーランスで活動をはじめる。IT関連の技術・トピックから、デバイス、ツールキット、デジタルファブまで幅広く執筆活動を行う。makezine.jpにてハードウェアスタートアップ関連のインタビューを、livedoorニュースにてニュースコラムを好評連載中。著書に『ハッカソンの作り方』(BNN新社)がある。


 
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