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自転車を電動ハイブリッド化するコペンハーゲン・ホイール、MITが開発


コペンハーゲンで開催中のCOP15、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議にて、MITの研究者チームがインテリジェントでエコな電動アシスト車輪 Copenhagen Wheel を発表しました。コペンハーゲン・ホイールは既存の自転車に取り付けることで電動ハイブリッド化できるという車輪。一般の車輪と交換できる形状でありつつ、膨らんだハブ部分にモーター / 発電機と各種センサを乗せており、減速時には回生ブレーキで発電・高負荷時にはモーターでアシストするという仕組みです。

ハブ部分にはさらに回転数や気温・湿度・大気中の汚染物質センサおよびGPSを内蔵しており(することができ)、Bluetooth接続した携帯電話のアプリを通じてフィットネストレーナーに、あるいは大気汚染情報や交通情報を共有することで環境の改善にも貢献できる、と続きます。開発したのはMITの SENSEable City Lab。

回生ブレーキ以外に充電方法はないのか、実際にどの程度のアシストが見込めるのか、あるいは重量増加などが気になるところですが、大気センサーまで載せたお化けサイクルコンピュータに給電して都市レベルでつなげるのは楽しげなお話です。研究チームいわく、Copenhagen Wheelは「来年末にも」生産開始予定。価格については「現行の電動アシストサイクルに対して競争力のある」ものになると表現されています。エコもセンサーも要らんというかたはガソリンエンジン版の RevoPower Wheelをどうぞ。

DARPAのネットワーク活用コンテスト、MITが「ネズミ講」戦略で勝利


軍用ロボットからテレパシーまでいろいろな研究を支援しているDARPA(米防衛高等研究計画局)ですが、前身のARPA時代には今日のインターネットの原型となるARPANetを開発しています。そのARPANet誕生40周年を祝し、DARPA Network Challengeというイベントが開催されました。全米10箇所に打ち上げられた全長2m強の赤い風船を、ほかのチームより先にすべて発見することを競うものです。DARPAが提供する賞金は4万ドル。狙いは「時間が重要となるさまざまな問題の解決にあたって必要な時宜を得たコミュニケーション、広範囲でのチーム作り、緊急な動員に、インターネットとソーシャルネットワークがどのような役割を担うかを調べる」ことです。

はたして4000チーム以上が参加する中、5日の午前10時(東海岸時間)に風船が打ち上げられると、その9時間後にはMITのチームがすべての風船の位置を特定してしまいました。MITの基本戦略は情報提供用に特設サイトを設け、風船ごとに正しい位置情報を一番最初に提供してくれた人へ2000ドルを約束するというもの。

面白いのは風船を見つけられない(自分で探す気がない)人も、このコンテストを友人に広めることで賞金獲得の可能性がある点。紹介された友人が正しい位置情報を提供した場合、発見者だけでなく紹介した人にも1000ドルの賞金が与えられます。さらに紹介された友人が知らない場合も、友達の友達が正しい位置情報を提供したら500ドル、友達の友達の友達だったら250ドル......と、「ネットワーク」の別の意味を思い出すような賞金提供方法です。

DARPAはこれからMITチームと会い、作戦の調査を進める予定です。勝因は賞金を餌にとにかく大勢の協力者を集めたことでしょうか。インターネットの果たした役割の大きさを喜ぶべきか、それとも現金の強さを痛感するべきか。自分でひとつも風船を見つけることなく、うまくいけば賞金の半分を獲得し、うまくいかなくても持ち出しは一切ないという本戦略を考えたMITはさすがです。

[via Slashdot]

Read - DAPRAのイベントサイト
Read - MITの特設サイト
Read - BBCの記事
Read - CNNの記事

動画:携帯カメラで遠隔読みとりできる光学タグ Bokode、MITが開発




MIT Media Labの研究者チームが 「ボケ」効果に基づく光学タグ 「Bokode」を発表しました。従来のバーコードやQRコード、マイクロソフトのHCCBといった光学タグは読み取るためにカメラを近づけて焦点をあわせる必要があり、読み取りやすくすればコードの面積が大きくなる性質がありました。しかしBokodeは一般的なカメラでも数メートル離れた距離から読むことができ、しかもタグ自体は直径 3mmほどと非常に小さいのが特徴です。

BokodeはLED光源の前に二次元コードパターンの刻まれたフィルタを置き、その先に小さなレンズを載せた構造 (なので正確には、「3mm」は表面に露出するレンズの直径)。近くから焦点をあわせて撮影すれば単なる光の点にみえる一方、離れたところからあるいは焦点をあわせずに撮影すればカメラレンズの光学特性により、フィルタに刻まれたパターンが周囲のぼやけた円として像を結ぶという仕掛けです (ピンホールカメラを想像するとイメージしやすい)。名前の「Bokode」(ボーコード)は日本語のボケ+コードから。

プロトタイプと市販のデジタルカメラを用いた実験では、4mの距離から2.5マイクロメートル幅の「Bokode」パターンを読み取ることに成功しています。また遠距離から撮影することで、複数のタグを同時に読めるのも特徴。本棚を撮影することにより、一度に複数の本の書誌情報と位置を認識するといった例が挙げられています。(解説動画を挟んで続きます)

ウェアラブル血圧計、MITで開発中


健康診断で血圧計を前にすると緊張して血圧が上がってしまうという不幸な方々へ、MITのHarry Asada氏率いるチームがウェアラブル血圧計を開発しています。「人間の体はとても複雑なのに、血圧計は瞬間のデータしか取得できなかった」とAsada氏。高血圧のリスクはあれこれと騒がれているわりに、その評価は年に一度や二度の計測に依存していた状況を改善するほか、血圧の推移から心臓発作を予測するといったライフログ的活用も目指します。

機器としては写真のとおり指と手首の二点で計測することで精度を高めています。また、手の位置によって血圧が変わってしまうのを防ぐため、加速度センサを内蔵して位置による補正を行うとのこと。まだ見るからにプロトタイプですが、五年以内の製品化を目指す予定です。むきだしハードコアのデザインも悪くありませんが、MIT newsが「毎日24時間動作」をうたうなら、正式版は防水耐熱耐ショック構造でお願いします。

MIT、リチウムイオン電池の大幅な高速充電技術を開発

http://web.mit.edu/newsoffice/2009/battery-material-0311.html

MIT の研究者が、携帯やノートPCなどあらゆるデバイスに使われているリチウムイオン充電池の劇的な高速充電につながる技術を開発しました。Materials Science and Engineering の Gerbrand Ceder教授チームによるこの技術はリチウムイオン二次電池の材料の表面構造を改良するもので、実験では従来6分間かかっていた充電時間を10-20秒間に短縮できています。画像中のワカメにしか見えないものがわれわれのライフスタイルを変えかねない新材料。

リチウムイオン二次電池は高エネルギー密度から小型・軽量なバッテリーを作れるものの、充電・放電に時間がかかるという問題点があります。従来、この原因は材料中を移動するリチウムイオンの遅さにあると考えられていました。しかしMITの発表によれば、Ceder氏は約5年前におこなったシミュレーションにて、材料にリン酸鉄系リチウム(lithium iron phosphate)を使えばきわめて高速にリチウムイオンが移動することを発見し、材料以外の別の問題があるのではないかと考えました。

さらにシミュレーションを進めた結果、リチウムイオンが材料の表面の「トンネル」から材料にアクセスした時のみ高速移動することを発見し、リチウムイオンを「トンネル」の入り口に誘導できれば、移動はより高速化されることをつきとめました。今回発表された新技術はこの発見を元にしたもの。また急速な充電・放電を繰り返しても「へたり」が極めて少ないことも報告されています。Ceder氏によれば、2,3年以内の実用化を目指しているとのこと。詳細は3月12日発売のNatureに掲載されています。

[Via BBC, thanks Simon]

多機能ガジェットをシンプルに使う「持ち方認識」技術


皆様の鞄の中に、携帯電話、携帯ゲーム機、カメラ、GPSトラッカー、電子ブックリーダー、MP7プレーヤといったガジェットが幾つひしめいているかは分かりませんが、すべてがひとつになればいいのにとは誰しもが思うことです。「全部入り」はガジェット萌えが抱く永遠の夢。携帯電話などはそれに近づきつつあるものの、多機能になればなるほど、どのように機能を選択・操作するのかが難しい問題となってきます。

そこでMIT Media LabのBrandon Taylor氏が考えたのは、持ち方認識という方法です。氏は「棒石鹸」と名付けた、表裏にディスプレイとセンサを持つガジェットを自作。「棒石鹸」をカメラ、携帯電話、音楽プレーヤと見立てた場合に、それぞれ被験者がどのように持つかを計測する実験をおこないました。用いたセンサは指の位置を認識するものが72個、そしてガジェットの動きを三次元で認識する加速度計が1つ。実験で得られた13人分の持ち方データを学習することで、持ち方によって機能を切り替えるガジェットが設計できる、という目論見です。

ところが明らかになったのは、人による持ち方の違いの大きさ。例えばある人の持ち方に応じて、欲しい機能を95%の確率で正しく提供するガジェットを設計すると、他の人では70%しか正しく提供できないといった調子です。研究成果がいつ具体的な製品に活用されるのかは不明ですが、Taylor氏いわく「掴み認識」技術は複数機能の切り替えだけではなく、たとえば電動工具の安全装置など、正しく持たなければ危険な場合に警告を出すようなインタフェースとしても利用できるだろう、とのことです。ただ持ち方を強要するのではなく、カメラを片手で構える人、ポケベル打ちの人、ネットブックをお尻のポケットに入れる人なども、どこかでゆっくり保護してもらえると良いのですが。

リンク先の動画では、応用事例として握り方を認識する野球ボールも紹介。こちらは任天堂がアップを始めてもおかしくない出来です。

針と糸よりも速いレーザー+染料で怪我を治療



海外ゲームの日本版が発売されると聞けばまず残虐表現が規制されていないかを気にする皆様においても、自分が怪我をして血を見るのは嫌なものです。ゲームではゾンビに噛まれても医療キットや緑ハーブで回復しますが現実はそう簡単ではなく、特に切り傷では、針と糸という恐怖心を煽る道具が長年利用されてきていました。

そんな中、マサチューセッツ総合病院ではレーザーと染料を用いた切り傷の新しい治療法が研究されています。針と糸に変わる治療法としては、これまでもレーザーで加熱して皮膚を貼り合わせる方法が研究されてきましたが、熱が強すぎては細胞が死に、弱すぎては貼りつかないという問題がありました。同病院のIrene Kochevar氏とRobert Redmond氏は八年前に熱にかわる方法として「光」に着目、以来実用化に向けた研究を続けています。

レーザー治療というとSF(すこしふしぎ)っぽいのですが、化学的には仕組みは単純なものです。まず、切り傷に染料を塗ります。そこにレーザーを照射すると染料の分子が活性化し、皮膚細胞内のコラーゲンとあいだで電子のやりとりが行われます。すると皮膚細胞でフリーラジカルが反応、細胞内のコラーゲンが互いに引き合い、その結果として切れた皮膚同士もくっつくというものです。染料は特別なものではなく、食品着色料やドライアイの発見に用いられるローズベンガルなどが用いられています。

彼らが「ナノ縫合」と呼んでいるこの手法は、針と糸よりも高速に治療が可能なほか、感染の危険も少なく、雑菌が入るようなすき間もなくなります。もちろん恐怖心も少なくなり、SF好きにとってはむしろ好奇心を満たしてくれるかもしれません。皮膚だけではなく、なんだかイメージが湧きませんが、目や神経の治療にも使えるとのこと。今までのところ、皮膚がん患者を中心に31人でテスト済。アメリカ食品医薬品局(FDA)の認可を待って、実用化に向けてさらなる試験を行う予定です。

動画:MITのお手伝いロボNexi



MITメディアラボの"Nexi"はM.D.S. (Mobile / Dexterous / Social) プロジェクト、すなわち自走できて手が使えて人間とやり取りもできることを目標に開発されている小型ロボ。「ほぼ三歳児くらい」というボディは2輪でセグウェイのようにバランスをとって動き、5自由度の腕の先には4本指の手、さらに人間とのコミュニケーションに重要な役割を果たす顔は15自由度で多彩な表情をとることが可能とされています。上の画像から多くの人が受けるであろう印象のさらに上を行く動画は続きのあと。

また人間との協調およびチーム行動を研究するため4体が開発されており、外部のコンピュータ上で走るプログラムに基づき頭部のスピーカー / マイクで会話する機能まで搭載します(つまり「次々と破壊されながらの長台詞」も可能)。左右の目はCCDカメラ、額の穴は銃創ではなく赤外線レンジファインダ。

人間との協調を実現するため、コンピュータの進化に従い絶えず頭脳部分も強化されてゆくと思われますが、問題解決に必要なのはロボットではなく人間の方を協力させることだと判断する日も近そうです。上の写真にキャプションを付けるとすれば、「大変申し上げにくいのですが、人間保護区の存続について残念な結論がでまして...」といったところでしょうか。

[Via fresh creation, 本家Engadget]




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