Engadgetインタビュー:Xbox 360のボス ピーター・ムーア (後編)

EAへの電撃移籍が話題となったピーター・ムーア氏インタビュー後編。マイクロソフトのコーポレートVPとして、Xbox 360の顔としての最後のインタビューのひとつとなります。内容は各社の独占タイトル戦略、Xbox 360のコストダウンと値下げ、そして家庭用ゲーム機史上最悪の欠陥騒ぎ&10億ドル対応の決断について。前編はこちら。
Engadget:
(Xbox 360は値下げしないまま600日以上が経過していますが)プレイステーション、プレイステーション2、ドリームキャスト、180日程度で値下げした初代Xbox、そして今はプレイステーション3のどれよりも長い期間です。プレイステーション2は最初の値下げまで525日。PS2は非常な大成功を収めたプラットフォームですが、360はそれすら超えています。600日以上も値下げしなかった理由は? 値下げすれば目標台数は到達できたはずです。Shane Kimは値下げは準備中だと語っていますが。
ムーア:
Shaneが何と言ったかは知らない。きっと誤解されてるんだと思うが、はっきりさせたいのは、600日という数字は消費者にとってもゲーム界にとっても良い知らせだということだ。コンシューマセグメントでわれわれ全員がもっと考えるべきことのひとつだ。もちろん、究極的には値下げするだろう。さらに600日や1200日このままの価格でゆくつもりはない。ゲーム機ビジネスは価格をうまく調節してゆくことの上に成り立っている。これはさきほどソニーについていったことにもあてはまる。新しいユーザを引きつけるように価格を整え、ユーザベースを拡充する。199ドルになるまで待つ層がいることは前の世代で経験しているし、ソニーも80%以上は199ドル以下になってからだと発言している。
だからゲーム界にとってすばらしいニュースなのは、われわれの売り上げがいまだに堅調で、ソフトの価格も値崩れせずしっかり保たれていることだ。現時点の価格について、われわれは非常に満足している。価格については何も発表することはないが、もしあれば君たちにまっさきに知らせるよ。
Engadget:
値下げしないのが良い知らせというのはマイクロソフトにはそうかもしれませんが、普通の消費者にとってはうれしいニュースじゃないでしょう。HDMIが追加されたりいろいろな周辺機器がでたり、今回のHalo3スペシャルエディションといったものを見て、非常に多くの人がXbox 360の値下げを待望してると思います。消費者が求めるのは次のゲーム機を、人によっては最初のゲーム機をより安く手に入れることです。そういうわけでお聞きするのは、年内に値下げは考えられますか?
ムーア:
その質問を一日中繰り返しても、わたしが何と答えるかは分かってるだろう!
Engadget:
それでも聞くことになってますから(笑い)
ムーア:
価格については何も発表することはない。もちろん、ふさわしいときが来たと判断したら値下げはするだろう。
Engadget:
では補助的な質問については?
ムーア:
別の聞き方を試してごらん (笑い)
Engadget:
ちょっと隅の方に行きましょうか(笑い)
ムーア:
毎回お約束のやり取りだね(笑い)
Engadget:
さて、PS3の価格設定の話がありましたが、ソニーは80GB版を発表しておそらく――
ムーア:
こちらから聞きたいよ。なぜ$399に値下げしないんだ? 消費者は$399のプレイステーション3を求めていると思わないか?
Engadget:
まあそうですが、プレイステーション3はXbox 360にはないコストのかかる機能が最初からついてます。たとえばBlu-rayだとか比較的大きい容量のHDDだとか。
ムーア:
賭けても良いが、問題になるのは価格だよ。ものを言うのは価格。車を買うときみたいなものだ。広告には2万ドルから~とあるが、でてくる数字は$3万 3000。GPSだのBluetoothだのがついてるからこの価格というわけだ。重要なのは価格。われわれは千万や億単位の消費者を相手にするマスマー ケット業界なんだから。
Engadget:
Xbox 360にはすでに3種類の販売モデルがあります。エリートについては位置づけ的に混乱というか、よく分からないと思っている人がいまだに多いんじゃないかと思いますが。
ムーア:
エリートについて分かりにくいのはどこで買えるかだけだ。どこでも売り切れているから。
Engadget:
なるほど。では手始めに、エリートの売れ行きに関してはコメントして貰えますか?
ムーア:
いいとも。売れ行きは非常に好調だ。わたしは普通あいまいな話はしないでNPDの数字を待つが。
Engadget:
では、実際の数字もかなりのものだと自信がある?
ムーア:
もちろん! 非常にうまくいっている。はっきりさせておこう。たしかに複数のSKU(販売単位。「コアシステム(HDDなし)」「プレミアムシステム(HDD 20GB。通常版)」etc)を同時に展開するのはこの業界で例がない。最初はひどい悪口をいわれたのは憶えてるだろうか――「2つの別モデル展開??」 と。コアシステムと通常版を発表したときも、「ビデオゲーム業界ではありえない」といわれた。ところがソフトやサービスを展開するうちに、今度は「こんな にコンテンツがあるのにHDDが20GBしかないってなによ?」といわれるようになった。そこで確かにそのとおりといい、エリートで応えた。このモデルが 何億台も普及するか?といえばノーだ。では、特定の消費者を狙ったものか? 確実に。






























