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あまりアドベンチャーゲームをプレイしない僕ですが、友人から進められ、レビューでもこう評価の多かったタイトルを購入。非常に面白いタイトルだったので紹介します。

そのタイトルは、8月16日にリリースされたDigixartによるFPS視点のアドベンチャーゲーム「Road 96」(PC/Nintendo Switch、税込2196円)。本作は1996年の夏、架空の独裁国家「ペトリア」が舞台で、プレイヤーは不自由な体制に反発し、国からの脱出を試みる若者となり、国境のある「Road 96」を目指して旅をします。旅の中で主人公は、警官や反政府団体のメンバーや、自分と同じように脱出を図る若者など、様々な人と出会い、行動を共にすることとなります。

プレイヤーが旅の中で積み重ねていく選択が物語の展開に影響を与えることや、1人の主人公の物語が終わったら、その行動が反映された世界戦で、次の主人公視点での物語が始まるのが特徴的なゲームです。

関連リンク

Road 96(Steam)

Road 96(Epic Games Store)

Road 96(ニンテンドーストア)

本作はタランティーノ、コーエン兄弟、ポン・ジュノなどの映画作品にインスパイアされたとのことで、実際に個性的なキャラクターや、一筋縄ではいかない独裁国家を舞台とした物語は、映画からの影響が見受けられます。

尚、既にSteamレビュー等で指摘されている通り、本作の翻訳には若干難がありますが、読んでいて意味が分からないという箇所は僕のプレイでは殆どありませんでした。

■豊富な移動手段で国境を目指す

さて、本作では徒歩やヒッチハイク、バス、タクシーといった移動方法を選択しながら、国境を目指して進んでいくことになるのですが、ここで重要なのが体力と資金の有無。徒歩で移動すれば体力は大きく消費しますし、タクシーやバスを使用するにはお金が必要となります。

体力は移動以外にもイベントなどで消費されていき、尽きると倒れてしまいます。そのため、旅の途中で飲食をしたり、睡眠をとることで回復する必要があります。一方のお金は、イベントで手に入る他、ヒッチハイクした車や、立ち寄った店などから盗むことも可能です。

ヒッチハイクをすればどちらも消費しなくて済むかもしれませんが、車が捕まるとは限らないので、できるだけ体力か金のどちらかは確保しておいたほうがいいでしょう。ここぞ、という場面でしようする場面が来るかもしれません。

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移動手段を選択しながら、国境を目指します

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道中、カセットテープが手に入ることも。90年代風のBGMを楽しめます

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ちなみに、各章のタイトルは洋楽ネタが中心です

ヒッチハイクでの移動は、いかにも「映画で見た若者の旅」感がありますが、独裁国家を舞台にしているだけあって、展開が不安になることもしばしば。時には「このまま警察に突き出されるのではないか?」と不安になったり、命の危険を感じるシーンもいくつかありました。

■個性的なキャラクターとの交流。選択肢で変化する物語

本作の中心となっているのは、旅の途中で出会う個性豊かなキャラクターとのイベントです。本作では様々なバックボーンを持つ8名のキャラクターが物語のキーパーソンとして登場し、主人公と移動を共にしたり、協力して困難を乗り越えたり、時には敵対したりしながら、そのキャラ固有の物語を展開していきます。

誰といつ会うかや、会話の中でどのような選択をしたかで、キャラクターとの関わり方や、キャラクターの行動が変化し、それによってストーリー全体の流れにも変化が生まれ、プレイヤーにとっての「自分だけの物語」が作られていきます。実際、本作をプレイ後にプレイ動画を見ると、どの投稿者も自分と異なる道のりを歩んでいて、感心してしまいました。

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旅の途中で出会う少女ゾーイ

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女性警察官のファニー。警官ですが、時には協力することも

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クレイジーな強盗兄弟、スタンとミッチ

キャラクターとの交流の中で、選択肢次第ではアビリティ(能力)を入手できることも。アビリティは「ピッキング」や「ハッキング」といった旅の中で役立つものから、運や体力が上昇するものなどがあり、一度解禁したアビリティはその後、別の主人公でプレイしても最初から使用できます。アビリティがあることで選択肢が増える場面もあるので、同じようなイベントでも、何度かプレイしてみると違った展開になることもあります。

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アビリティは一度入手したら、別主人公でも取らなくても使用可能です

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アビリティがあることで選択肢が増える場面も存在。追加の選択肢が物語にも関わることも
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選択肢の中には投票や革命といった属性を有したものもあり、ここでの選択がストーリーを変化させます

また、イベントの中には突然ミニゲームが始まるものもあり、旅の途中の息抜き的な存在として楽しむことができます。ミニゲームはタイミングよく障害物をよけるものや、音ゲーなど様々で、ミニゲームの結果によってその後の会話などが変化することもあります(イベントの内容が大きく変わるかは不明)。

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ミニゲームで「ポン」が遊べることも

■次の旅に反映されていく物語

やっとの思いで国境のある「Road96」にたどり着いたとしても、まだ安心することはできません。むしろ、国外への逃亡はここからが本番。旅の中で培った様々なものを利用し、「壁」の向こうへ行かなければなりません。道中で集めた資金や情報、温存した体力などが試されます。

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ゲームオーバーか

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脱出して自由を得るか。旅の終盤は最後まで気が抜けません

さて、本作ではたとえ国境を越えられなくてもやり直しがききません。1人の主人公の物語はそこで終わり。次の主人公の視点に切り替わります。

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一つの物語が終わったら、次の主人公を選んで新たな旅へスタート

冒頭でも触れましたが、本作は脱出に成功・失敗したかに関わらず、主人公の旅が終わると、次の主人公の旅へと移行します。次の主人公の物語は、前の主人公がとった選択や行動の結果が反映されており、時系列も後のものとなっています。

例えば、前の主人公が脱出に成功した場合、次の主人公ではその方法が封じられてしまい、別の脱出方法を探さないといけなくなります。また、前回の物語でトラブルにあったキャラクターのその後に、別の主人公の視点で関わることができることもありますし、場合によっては前の物語では見ることのできなかったキャラクターの、意外な一面や関係性などが判明することもあります。

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主人公達がそれぞれ歩んだ道はしっかりと刻まれます

こんな風に本作では、どのような道のりで国境を目指すか、キャラクターとの会話でどう返すか、犯罪行為をするかどうかなど、様々な選択肢がプレイヤーに提示され、その結果が物語に変化をもたらします。そして、その物語の結果がどうであれ、次の主人公へと視点が切り替わり、前の主人公の行動が反映された世界を舞台に、新しい物語が始まります。

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本作は政治的な動乱が予想される「選挙の日」まで、7人の若者の視点でプレイすることができます(プレイによって人数は前後するかもしれません)

本作では、プレイヤーが操作する主人公一人一人は「独裁国家から脱出を目指す若者」に過ぎないのですが、プレイヤー=主人公達の選択や行動の積み重ねが、登場するキャラクターの行動を変えていき、大きい流れが作られていきます。その様子を「神の視点」で楽しめることが、本作の魅力だと僕は思っています。プレイヤーの選択が、どのようなクライマックスへと向かっていくのか、是非実際にプレイして確かめて見てください!

©2021, Digixart Entertainment
Road 96™