Yoga Pro 13s Carbon

レノボのノートPCでCarbon(カーボン)と言えば、ThinkPadシリーズの薄型・軽量フラッグシップである『ThinkPad X1 Carbon』――そうしたThinkPadファンやヘビーモバイラーの常識(?)が、近々崩れるかもしれません。

というのもレノボが中国向けに、995g以下の13.3インチ高級モバイルノートPC『Yoga 13s Carbon』のティーザー広告を掲出したため。同機種はインテル未発表の第11世代Core i“Tiger Lake”を搭載するモデルですが、“Tiger Lake”が発表間近である点、そして広告の体裁から、本モデルも正式発表が近いはずです。

なお価格に関しては、原稿執筆時点では残念ながら手がかりは得られていません。

またTwitterでは、レノボが制作したと思わしき動画が情報信憑性の高いユーザーによってツイートされており、主な特徴が確認できます。

それによればPro 13s Carbonは「デル XPS 13に対抗しうる16:10液晶と画面占有率を備えつつ、50Whバッテリーと995gの重さを両立し、MILスペック仕様の堅牢性も備えた薄型・高級ノートPC」といった位置づけ。

デザイン的にもかなり攻めた4辺ナローベゼル仕様など、現行のYoga S940とXPS 13の中間的な印象を受けます。


軽さとCPU以外での特徴となるのは、画面の仕様が非常に“イマドキのWindowsヘビーモバイラー好み”である点です。

まず画面解像度は、バッテリー駆動時間とWindowsにおける使いやすさのバランスなどでヘビーユーザーに支持を受ける“横2560ドット”ベース。上述のように縦横比16:10のため、2560×1600となります。

「4Kではバッテリーを喰いすぎるが、いまさらフルHD液晶モデルを購入するのは負けた気がして悔しい」というタイプのユーザー(筆者もこれに近い心情です)に嬉しいタイプです。もちろん、16:9仕様に比べての縦方向の長さも嬉しいところ。

その他の基本的な仕様に関しては、PCやWindowsの各種ウワサの発信元となっている“WalkingCat”氏がTwitterにアップロードした、レノボ公式と見られる解説動画で確認できます。

Yoga Pro 13s Carbon
▲Yoga Pro 13s Carbonの特徴(WalkingCat氏の動画より)。CPUには「Lower TDP vs STD version」という気になる一文が……

その動画によれば、CPUには第11世代のインテル Core iシリーズ(最高でCore i7)を搭載。実は第11世代Core iも、現行の第10世代と同じく“中身のまるで異なるCPUがまとめられている”世代なのですが、本モデルの場合はおそらくCPUの登場時期から、モバイル用として発表間近な“Tiger Lake”のほうとなるはずです(11世代Core iの中では、このグレードの登場が最も早いため)。

ですが、それ以上に気になるのがTDP(消費電力と発熱の目安となる値)に関する表記で”Lower TDP vs STD version”との一文が見受けられる件。

本モデルの想定ランク的に、また噂されるTiger Lakeのラインナップからも、TDP 15W版(いわゆる標準モバイルノート向け)と想定されますが、ともすればGPU性能を強化できるTDP 27W版を(場合によっては『cTDP』と呼ばれるTDP値のソフトウェア的カスタムで)搭載するか、さらにTDPの低いバージョンのグレードが用意されるという展開があるのかもしれません。

またTiger Lake自体の特徴として、現行の第10世代“Ice Lake”と比べても、GPU性能の向上率が高めとなる模様。とくにCore i7搭載モデルでは(いわゆる『G7』グレードのGPUとなるため)現行世代に比べての速度アップが期待できそうです。


そして液晶パネルは上述した(Win派ヘビーモバイラー好みの)縦横比と解像度に加え、sRGB 100%の色域(色を表現可能な範囲)で、HDR映像ソースとしてドルビービジョンに対応――という、上位グレードとなる模様。「ブルーライト保護加工をガラス側で施している」とも解釈できる一文も気になるところです。

セキュリティ関連では、Windows Hello対応の顔認証機能に加え、Webカメラを使ったのぞき見防止(ユーザー以外の視線を検知すると画面全体をぼかす)機能も搭載。

後者は、現行のYogaシリーズやNEC PCの『LAVIE Pro Mobile(2020年モデル)』にも搭載されているユーティリティ『Mirametrix Glance』を活用した機能となるはずです。

さらにスピーカーはハーマンインターナショナルとのコラボ、かつドルビーアトモスにも対応(このあたりは昨今のThinkPadシリーズでも積極的に導入されていますが)。

さらにWindows版Amazon Alexa(アレクサ)への対応や、Q Control(YogaやLegionシリーズでの冷却設定ユーティリティ)対応……と、2020年のYogaシリーズ(=個人向け高級ノートPC)として水準以上の品質となっています。


これらを含めて、現時点で判明している主な仕様をまとめると以下のようになります。

価格さえニーズに合えば、重量とディスプレイ、そしてCPUの仕様だけで購入検討に入る……という方もおられるのではないでしょうか。

  • 本体重量……995g以下

  • 本体サイズ……薄さ14.25mm(底面積は不詳)

  • バッテリー容量と駆動時間……50Wh、最大16時間

  • ディスプレイ……13.3インチ/16:10、2560×1600、ドルビービジョン対応、sRGB 100%カバー

  • CPU……インテル製 第11世代Core i7(最上位)

  • Wi-Fi......Wi-Fi 6

  • 生体認証機能......Windows Hello対応顔認証


Yoga Pro 13s Carbon
▲Yoga Pro 13s Carbonの概要(WalkingCat氏の動画より)。カーボンファイバー製外装採用だけあって、軽さのみならず堅牢性も自慢のようです

このように本モデルは、“Tiger Lake世代の1kg切りモバイルPC”としても水準以上の仕様となりそうな、期待のできる一品。

現時点では日本での発売に関する情報がありませんが、昨今レノボ・ジャパンはYogaシリーズに大きく注力する姿勢を見せています(マシーナリーとも子氏との“PC自体が対談する記事”などが良い例でしょう)。こうした路線が継続されるのであれば、日本で話題となりそうな1kg切りの高性能モデルを投入しないというのは考えにくいところ……と、個人的な期待を込めて予測します。

また、ThinkPadシリーズ側の“Tiger Lake世代の1kg切りノートPC”として登場が噂される、13インチ/16:10液晶搭載モデル『ThinkPad X1 nano』(仮称)とも仕様が近い点が多いことから、レノボが本格的にモバイルPCの1kg切りに本腰を入れてきたことも嬉しいところです。

いずれにせよ本機は、ThinkPad X1 Carbonに続く「もう一つのレノボのCarbon」として、モバイルノートPC市場を盛り上げる存在となりそうなモデルと呼べるでしょう。ぜひ、昨今のレノボらしい競争力を持った価格での日本投入もお願いしたいところです。

Source:Liliputing