先行するライバルXbox 360のXbox Liveがゲーマープロファイル登録や実績システムといったソーシャルネットワーク的機能、ゲーム中にも呼び出せる音声チャット・テキストメッセージ、プレイ中ゲームへのフレンド招待といった強力なコミニュケーション機能をシステムレベルで持っているのに対して、現状のPS3には非常に貧弱なオンラインサービスしか存在しないのが弱点でした。(フレンドリスト機能はあるものの形だけ、チャットやメッセージング機能があってもゲームとシームレスにつながらない、etc)。

プレイステーション・ホームはこの弱点を一気に解消しつつライバルを追い抜く一発逆転を狙ったもの。これまで名前・アイコン・一行自己紹介程度だったユーザプロファイルに替わって外見や衣装などをカスタマイズ可能な3Dのアバター(≒Mii)を作成できるようになります。ほかのプレーヤとは通常の会話のほか仮想世界内にあるカジュアルゲームで遊んだり、キャラクターそれぞれに与えられる自宅に招いて音楽やビデオを楽しんだり(≒SecondLife)、PS3向けゲームの進行具合によって与えられるトロフィー(≒実績システム)を自慢したり......といった交流が可能(≒MySpace)。またゲーム内 / ゲーム外で撮影したスクリーンショットやリプレイビデオなどをPlayStation Homeにアップロードできるといったユーザ作成コンテンツ(≒Flickr, YouTube)にも焦点があてられています。

そのほかキーノートで挙げられたのは:
- アバターの衣装や家具、壁紙、家屋といったアイテムは無料の基本アイテムのほか現金で購入するもの、特定の(市販)ゲームを購入したり実績を達成すると手に入るものに分かれる。
- バーチャルワールド内のゲームラウンジでカジュアルゲーム。ビリヤードやボウリング。
- PlayStation Storeで購入したゲームをワールド内の仮想ゲームマシンでプレイ。
- PS3のHDD内にある写真をHomeに飾る。ビデオを流してフレンドに見せる。
- 仮想映画館にゆけばソニー映画の予告編が流れ、部屋に置く「仮想BRAVIA」が用意されるといったオンライン広告・コンテンツ販売。
など。

実際の運営や仕様にはまだ不明の点もあるものの、PS3ユーザがほぼ全員参加できる公営オンライン世界として非常に期待できるサービスです。気になる点としては、単独のSecondLifeクローン的な交流はさておき他のPS3ゲームも含めたユーザ体験の向上にどの程度つながるのか(PlayStation Home外の市販ゲームとの連携・支援機能)、3DインタフェイスやSecondLifeクローンとして見たときの品質、「自宅で音楽や動画をシェア」機能の中身など。

キャラクターエディット画面。「どこまでもカスタマイズ可能」ではなく「いかにパーツ数を絞り込むか」に苦心したという任天堂の「似顔絵チャンネル」とは正反対をゆくハイデフ・リアル志向。高解像度のスクリーンショットは姉妹サイトJoystiqの
ギャラリーをどうぞ。すでに加入者600万人を超えたXbox Liveでコンテンツ販売にも力を入れるマイクロソフト、DS版は500万本以上を売り上げた怪物ソフト「どうぶつの森」のWii版が控える任天堂の動きにも期待です。