コンセプト段階から散発的に漏れつづけてきたマイクロソフトの2画面タブレットデバイス Courier について、信頼できる筋から最新情報を入手しました。Courier はマイクロソフトが執拗に作り続けているいわゆるタブレットPCを2画面にしたものとも電子ブックリーダーであるともいわれ、これまではマルチタッチ操作にも手書き認識にも対応するユーザーインターフェースのモックアップが流出していました。
以前からのうわさで確認できたもの、新たに明らかになった情報をまとめると:
- コンセプトは「Digital Journal」。日本語のニュアンスでいえばデジタルノート、手帳、スクラップブック。マイクロソフトのOneNote を小型タブレット向けに再構築したようなインターフェースと、ウェブブラウザや予定表、ToDo、連絡先、写真アルバムといったアプリを備える。2画面を活かして、左にソースとなる情報たとえばウェブページや写真を開き、ペンやタッチで右画面のスクラップブックに取り込んで自由に配置・書き込み・オーガナイズができる。
- 蓄積したノートはテキストや日付などから検索して取り出せるほか、ウェブ上のサービスに同期してBlogやFacebook的に表示可能。PCなどほかのデバイスから相互に参照・書き込みができる。
- さらに見開き表示できる電子ブックリーダーでもあり、独自のエコシステム(要するにストア) が準備される。
- デバイスとしては一般に想像されていたより小さく、モバイル利用が想定されている。畳んだ状態では厚さ1インチ(約25mm)以下、「5 x 7 インチプリント」(13cm x 18cm) 程度、重さ1ポンド( 約450g) 強。
- マルチタッチとペン入力に両対応するディスプレイ。
- 目の前の素材をスクラップブックに取り込むためカメラも搭載。
- 音楽・動画再生用にヘッドホンジャック。
- 中身はかつて囁かれていたWindows 7ではなく、「Zune HD や Windows Mobile 7 シリーズ、Pinkと同じOS」。(共通の基盤である Windows CE 6ベースの意。おそらく)。
- プロセッサは NVIDIA 「Tegra 2」。(一般にTegra 2 と呼ばれる新世代 Tegra 250はデュアル ARM Cortex-A9 CPUコア、GeForce 3Dグラフィック、1080p動画再生や各種デコーダ・エンコーダ、周辺機器コントローラなどを統合したSoC。各社から多数の採用タブレットが発表済み)。
蛇足ながら、タブレットとしてのライバルになると思われる アップル iPad は 242.8 x 189.7 x 13.4mm。イメージとしては iPad を二つ折りにしたような大きさです。重さは約700gの iPadに対して500g程度と軽いものの、最終的な製品もこのとおりになるとは限りません。漫画のようなコンテンツや日本語表示を考えれば1画面の解像度が気になるところですが、携帯性については期待しても良さそうです。
追記:続きに解説付きUIツアー動画を追加。左右画面のボーダーがクリップボード。