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GoogleとVerizon、「開かれたインターネット」へ提案

Haruka Ueda
2010年8月10日, 午後12:30 in Featured
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Brother Hawk, 12月10日
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米国で2番目に大きな通信会社 Verizonと、ご存知Googleが、共同で「開かれたインターネット」(an open internet)に向けた方針を提案しました。今後インターネットはどうあるべきかという議論に対して、業界を代表する巨大企業2社による返答となります。

そもそも、なぜ今になってインターネットはどうあるべきかというような話を持ち出すのか。背景にはネットワーク中立性(Net Neutrality)を巡る長い議論があります。ネットワーク中立性とは、平たく言うならば、サービスやコンテンツによってインフラ(回線)側で扱いを変えないというもの。これまで「SkypeやyouTubeは負荷がかかるから遮断するわ」とか「ISPが提携するSNSを使うこと。Facebookやmixiは不許可」とかいうことがなかったのは、業界がネットワーク中立性を尊重してきたからでした。おかげで誰に許可を得るわけでもなく、誰に規制されるわけでもなく、色々な新興サービス(Googleとか)が生まれたんだというのがサービス側の考え方。一方、P2Pや動画配信のように回線に負荷のあるようなサービスには制限したい(ついでに自社・提携サービスは優遇したい)、そうするのが一般ユーザの利便性にも繋がるんだ、というインフラ側の考え方。この両者のあいだで対立が続いています。

この議論は米国ではFCC(米連邦通信委員会)を舞台に進んでいました。しかしBitTorrentを規制していたComcastに対して中立性を確保せよとFCCが訴えたら「FCCにそんな権限はない」という返り討ち判決にあう事件もあってか、FCCはネットワーク中立性をめぐる非公開での協議を断念。さて結局ほとんどなにも決まってませんがこれからどうしましょうかねというのが現在の状況です。

というわけで、このタイミングでインフラ企業Verizonとサービス企業Googleが共同で具体的なメッセージを打ち出すのは、とてもインパクトのあることです。もっとも、両社は昨年10月にも共同でネットワーク中立性に対する声明を発表済。今回の発表についても、FCCが役立たずなら我々が直接発表するまでよ、という感じも否めません。

前提から話を進めていたら長文になってしまいました。肝心の中身については続きへ:



両社の発表は、これからのインターネットの枠組みを考えるときに、守っておくべき7つの原則という構成になっています。それぞれを要約しつつコメントすると、以下のとおり:

  1. 消費者保護(Consumer protection):ブロードバンドISPは、合法である限り、送受信される特定のデータ、特定アプリやサービス、特定端末を禁止してはいけないというもの。

  2. 非区別要件(Non-discrimination):ブロードバンドISPは、特定コンテンツやアプリ、サービスを区別してはいけないというもの。サービスによってトラフィックを優先、制限するのは禁止。(Comcastの件も、はっきりFCC支持の立場)

  3. 透明性(Transparency):ブロードバンドISPは提供する回線容量やネットワーク管理など、消費者が必要とする情報を分かりやすく提供しなければいけないというもの。(真っ当といえば真っ当ですが、中身の伴わないISPには死の宣告に近い、なかなか恐しい項目です)

  4. ネットワーク管理(Network management):ブロードバンドISPは合理的なネットワーク管理を行うべしというもの。

  5. 追加のオンラインサービス(Additional online services):ブロードバンドISPは、追加のオンラインサービスを提供できるというもの。追加のサービスというのはインターネットサービスとは「対象と目的」が異なるもので、インターネットのコンテンツ、アプリ、サービスを利用し、トラフィックの優先付けも可能。(Verizonに追加料金を払うとYouTubeが高速に見られるようになるといった例はすぐに思いつきますが、他になにがあるでしょうか)

  6. ワイヤレスブロードバンド(Wireless broadband):ワイヤレス通信については技術的に固有の問題があり、まだ開発途上な部分もあるので、現時点では「透明性」の原則のみ従うというもの。(ここでまさかのちゃぶ台返し。つまりワイヤレスでは特定アプリの制限も禁止もあり? Android端末だけ高速回線とか?)

  7. 個別の執行(Case-by-case enforcement):消費者保護や非区別要件の違反はFCCが個別に取り締まるというもの。罰金はほんの200万ドル。取り締まりについて意見が対立した場合は、別の場で解決する。FCCは原則に細かなルールを加えることもできない。(FCCを尊重しつつ、FCC外しの一面も)

  8. 監督機関(Regulatory authority):FCCはブロードバンドインターネットアクセスについて独占的に監督するが、アプリ、コンテンツ、サービスは監督しないというもの。(これもFCC外し。では誰が監督を?)

  9. 米国人向けブロードバンド(Broadband access for Americans):米国でのユニバーサルサービス料について。

肝はやはり、ネットワーク中立性を全面に掲げつつ、ワイヤレスは例外とした部分でしょう。発表前にはVerizonとGoogleがトラフィックの優先付けをはじめるのではないかと噂されていましたが、結果的にはそれを裏付けするような内容となりました。このルールに沿うならば、極端な話「YouTubeに繋がるスマートフォンはVerizonのDroidだけ!」とか「Verizonに金を払わないウェブサービスは同社の携帯から遮断」とかいう未来もありえます(ビジネスとして良い判断かは別にして)。さて、ほかのサービス企業、インフラ企業はどういう立場をとるのか。ビジネス的にも政治的にも社会的にも、今後のインターネットを占う火種となりそうです。

sourceProposal (PDF), Verizon, Google


*Verizon has acquired AOL, Engadget's parent company. However, Engadget maintains full editorial control, and Verizon will have to pry it from our cold, dead hands.

関連キーワード: featured, google, verizon
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