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KDDI田中社長インタビュー:auは800MHzで広さ、2GHzで速度。パケ詰まりは「相当良くなった」

Hiromu Tsuda, @boobyn
2013年8月30日, 午後07:10 in Interview
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ネット上で「田中プロ」と呼ばれるKDDIの田中 孝司社長から「話したいことがある」と声がかかったEngadget。単独インタビューを行い、ざっくばらんにKDDIの通信品質への取り組みを聞きました。

(インタビュー記事は全4本、各記事へのリンクは後半に)

品質時代の通信に起こる特殊なこと

Engadget:8月に エリア品質強化室 を設置したそうですね。技術企画本部配下、モバイル技術企画部内の通信品質グループを技術開発本部などと横並びのセクションに引き上げて、木下さんを担当に。

木下氏

KDDI 田中孝司 社長:これからはやっぱり品質に向かっていて、何十%のエリアを競う世界から、スピードが出て、かつ電波が回り込んでどこでもつながる時代が来ると思います。プロトコルも複雑なので、特殊なことが起こることもあり、穴を見つけて埋める必要があります。

いつも木下に、なぜ俺ばかり穴を見つけるんだ、おかしいだろ! と文句を言ってます。責任を明確にして、もし何かあれば、お前が全て悪いんだぞと言えるようにしたんです(笑)。

Engadget:特殊なことが起こる、とは?

田中氏:たとえば電界強度、つまり電波の強さですけど、それは100%に近いところまでカバーできています。ところが、SINRと言うのですが、信号がある程度強くなければノイズの下に隠れて、スピードは出ません。

また、イベントのように、あるセクターに対してシステム容量以上の人がやってくれば、1人当たりに割り当てられるリソースは小さくなり、セッションが切れることもあります。基地局をうまく分散させて、800MHz帯から2GHz帯に逃がしてやることが必要です。

能登半島で北海道の電波を受けてしまう

田中氏:それ以外にも想定外のことが起こります。基地局は下に向けて吹いているのですが、上にも漏れるんですよ。サイドローブと言うんですけど、遠方からやってきた電波を受けてしまうんです。

ひどい場合は、能登半島にいて北海道の電波を受ける事例もあります。そういうことがないよう、高層ビルんは屋内対策として強い電波をビルにかぶせることで、弱い電波をつかまないように工夫しています。でも高層マンションだとこうした対策がとられていない場合があります。

エリアは生き物で、本当に変なことが起こるので、技術の物理レイヤーからレイヤー2、レイヤー3の人間が集まって議論できるようにしています。ただ、専属の部隊を置いたものの、彼らが技術屋目線なのでいつも怒っているんです。

社員向けアプリで品質調査

田中氏:もっとお客の目線でやる必要があると思い、だからこの1年、社員向けにアプリを作ってエリア品質調査も実施しています。1年でのべ3000人が参加しました。我々にとってネットワークっていうのは自分の商品じゃないですか、なのに技術の人しか知らない。中では、もっと自分の子供のように自分のネットワークを愛さないといけないと言っています。

で、この調査で穴が見つかるんですよ。社員は地下の飲み屋など、わけわからんところにいっぱい行きよるからねぇ(笑)。

Engadget:このアプリは利用者に提供しないんですか? ユーザーも自分の使っているネットワークが快適な方がいいし、協力するのでは?

田中氏:ホント言うと、いろいろな人たちと協力してやってるんですよ。孫さんの ラーメンチェッカー のように大まかにはやってないんですけど、サイトなどを利用してビッグデータ解析はしています。

でも、社員用のアプリの方がいいんです。そのときアンタ何してたの? というところまで聞けるじゃないですか。解析に対する協力度合いが全然違うんです。

ビッグデータで未来予測、池袋の事例

田中氏:大きな面で捉える時はビッグデータの方がいいんだけど、悪いところを探すには、こっちの方がいい。自分たちが今何合目にいて、このあたりが課題だよ、と調べるにはビッグデータ解析、じゃあどこが悪いのだ? 何がどうしたらこうなるんだ? というデータが欲しいし、今はそういうところまできているので、僕はこのやり方でいいと思っているんです。

とはいえ、この方法だけでは、品質対策が後手にまわりますよね。もっと三次元で予想していくことをやっています。これは池袋の例ですけど、100mぐらいのメッシュにして、24時間のトラフィックを調べて予測をかけています。



時間によってトラフィックが大きく変化します。住宅地の方はほとんどデータ量が変わらない一方で、人が集まる駅周辺はすごいトラフィック量になっています。3Gはそれほどピーク対策が必要なかったものの、集まる人はたくさんのトラフィックを使うので、LTEになるととんでもないことになります。

3キャリアほぼ同じだと思うんですが、池袋はかなり悲惨な状況です。ピコセルを設置し、屋内対策をして、そこにWiFiを重ねることでなんとかやっています。ところが時々、ちょっと郊外の場所でトラフィックが増えたりするんです。そこも予測していかなければなりません。

3セクタの基地局(扇状に120度ずつ3つのアンテナで構成されている)を作っているじゃないですか。120度の角度でだいたい300mの範囲をカバーしているんですけど(地域により異なる)、800MHzで75Mbpsが1つとすれば、セクタースループット(1つのアンテナあたりの通信速度)は、35〜40Mbps ぐらいですかね。それをそこにいる利用者で共有しているのが現状で、そうなれば人が溢れます。

そこにピコセルを打ったり、セクターを分割したりして実力を見せるわけですが、溢れてから置局しても遅いんです。基地局建設には最短でも3〜4カ月以上、普通は半年はかかります。未来をどう予測するのか、それがすごく重要になってきます。

下り最大150MbpsのLTEに着手

Engadget:auは800MHz帯に加えて、2GHz帯もありますよね。

田中氏:2GHz帯については去年怒られました。5MHz幅と10MHz幅をミックスして書いてしまいましたし。

今、10MHz幅(下り75Mbps )がどんどん増えていて、15MHz幅(112.5Mbps)や20MHz幅(150Mbps
)ももう始まっています。ただ、現在の端末はCategory 3(下り100Mbps対応)で、カテフォ(Category 4、下り112.5Mbps対応)はこの秋のモデルからです。2GHz帯については、どちらかというとスピードを作っていくつもりです。800MHzで広さをカバーし、1.5GHzは容量対策として使います。

(広報に向かって)どうかな、いろいろ言っちゃったけど、大丈夫かな?

自由度のないネットワーク、800MHz帯をベースに

Engadget:いや、もう言っちゃってますしねぇ(笑)。

田中氏:まぁ要するに、周波数をできるだけたくさん使って、スループットを確保していかないとダメだと。スマホの数が多くなりすぎて、テクノロジー的にやろうとしても限界に近づいてきているんですよね。いかに効率的なネットワークを作っていくかしかない。

64QAM(8×8の64通り、一度に6bitの情報が送れる変調方式)のコーディングがあって、そのうち256QAM(16×16の256通り、一度に8bit)て話もあるけど、まだそこまでじゃないし、LTEでは2×2のMIMO(複数のアンテナを束ねて帯域を広げる技術)でアンテナをやっていて、これから4×4のMIMOで200Mbpsを出すと言っているけれど、正直、あまり自由度がなくなってきているんです。

最初の話に戻ると、お客さんの先を予測しながら、素早く品質を上げていく時代になっていくんじゃないか、と思っているんです。2GHz帯も90%以上になるから頑張っていくんだけども、ベースは、エレベーターの中などにも入り込んでいける800MHz帯を使わないといけないんです。逆に言えば、800MHz帯が溢れないように頑張らないと。

OFDMAのようなブレイクスルーはない

データを固定網などにオフロードする施策も、すでに5割強まできているけど、さらにオフロードを進めていきたいです。今まで話したようなことで、少なくとも2014〜2015年あたりまでは乗り越えられるんじゃないか、そう思っています。

キャリアアグリゲーション(異なる周波数を束ねて、通信速度を高める技術)などいろいろ出てきているけど、OFDMA(複数ユーザーのダウンロードを効率的に行うための技術)が出てきたときのようなブレイクスルーにはならないと思います。

野菜が届く、顧客満足度8割超の有料サポート

Engadget:スマートフォンが普及フェーズに入ったことで、ガジェット的な驚きは少なくなったように感じています。

田中氏:たしかに、アーリーからレイト層に移行したことで、僕らがサポートすべきはガジェット層よりも、使う人をサポートするような、どこでも使えて当たり前にしなきゃいけない。

そういう意味もあってauスマートサポート(有料ユーザーサポート)を始めたんです。すごいのがさ、お客さんが野菜を送ってきたって報告があったんですよ。サポートで野菜の写真の撮り方を教えたら、家庭菜園の野菜が届いたって言うの。

ユーザーの中心がアーリー層からレイト層に移ると、使いたいけどスマホについて障壁が高いと感じている人たちがたくさんいるんだよね。顧客満足度8割を超えてるんだから驚異的なですよ、これは。

「パケ詰まった時もあった」どこでもつながる高速な世界

Engadget:ここ半年ぐらい、ソフトバンクが繋がりやすさをアピールしています。個人的には、不良がやった一度の善行というか、まずもって繋がりにくいという状況がなければ、繋がるというアピールがうまくいきませんよね。

田中氏:まぁ彼らは自分たちでそれを言っているからね。

そうなると、ネットワークがすごくダメだ、という烙印を押されないと、通信の品質の良さはなかなかアピールしにくい気もします。

田中氏:僕らがLTEを始めて1年ですけど、もう1つ高いところに持っていけると思っているんだよね。それは高速でどこでもつながる、っていう世界なんです。

パケ詰まりだなんだという議論もあって、パケ詰まった時もあったと思う。もしかしてまだ詰まっているところがあるのかもしれないけど、でも、僕は相当良くなったと思っている。どこでもつながる高速な世界をたくさんの人にまず経験してもらって、そうすれば、概念的なところもあるO2O(Online to Offline)がもっと身近になる気がしてるんです。

まぁ、ソフトバンクがいろいろ言っていて、うちもそれに言いたいけど、それはまぁ、いいか! と。障害もあってお詫びしなければならなかったし。

Engadget:なるほど、ありがとうございます。


(KDDI田中社長へのインタビュー記事は以下の4本です。)



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