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過去の記憶を組み合わせニセの記憶を作る実験に成功。科学技術振興機構が仕組み解明

KENTA
2015年4月9日, 午前12:19 in Jst
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科学技術振興機構(JST)の研究チームがマウスを使い、2つの異なる記憶を人工的に連合させて、新しい記憶を作ることに成功しました。

有名なパブロフの犬のように、複数の異なる経験や記憶を関連付けることで新しい意味のある記憶が作られることは従来から知られています。今回のJSTの研究はそのメカニズムを解明しました。

近年、光遺伝学の手法を用いることで、記憶を人工的に思い起こさせたり、その記憶を現在進行中の出来事と重ねあわせる(連合させる)ことで、偽の記憶を作り出せることが明らかになってきています。

光遺伝学とはチャネルロドプシン2(ChR2)のような細胞の活性が変化する分子を遺伝子導入し、特定波長の光を当てることで特定細胞の機能を制御する方法のこと。

一方、脳の中にすでに存在する複数の記憶を人工的な手法で連合させて、新しい記憶を作ることができるのかは不明のままでした。




JSTの研究グループはまず、遺伝子改変マウスに「丸い箱に入った経験」と、「四角い箱で電気ショックを受けた経験」をそれぞれ独立した別の記憶として覚えさせました。

次に、脳内に残った各々の記憶痕跡と呼ばれる神経細胞集団(セルアセンブリ)を光遺伝学的手法により同じタイミングで活動させることで、それぞれ独立した記憶を連合させ、新しい記憶を作り出すことに成功しました。

このマウスは丸い箱に入れられると、実際には丸い箱で電気ショックを受けた経験はないにも拘わらず、高い恐怖反応を示します。

一方で三角の箱に入れても恐怖反応は低かったことから、同時に活性化された「丸い箱の中」と「四角い箱で電気ショック」がひとつに組み合わされて、「丸い箱で電気ショックを受けた」記憶が新たに作られたと考えられます。



JSTは今回の研究の意義について、ひとつひとつの記憶を組み合わせて体系だった知識や概念を作り出す人間の高次な脳機能の解明や、関連性の弱い記憶が不必要に結びついてしまうことが関連する精神疾患の治療法確立につながる可能性があるとしています。


論文は "Artificial Association of Pre-Stored Information to Generate a Qualitatively New Memory"
(既存の記憶の人為的な連合による質的に新しい記憶の創出)


今回の実験はマウスによるものですが、今後ヒトの記憶や概念化メカニズムの解明へと繋がっていけば、いずれは作られた記憶の連合を人工的に起こすことも荒唐無稽とはいえなくなりそうです。そうなれば、これまではフィクションの世界だった模造記憶のインストールや、知識や経験の直接インプットも夢物語ではなくなるのかもしれません。





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