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自動運転車を『幻影』で走行不能にするハッキング、研究者が開発。LIDARセンサーへの反射光を偽装

Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2015年9月7日, 午後12:35 in Autonomous Car
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ボストンのセキュリティ関連企業 Security Innovation の研究者が、Googleのロボット自動車などが備える360度障害物検知センサー「LIDAR」を欺き、走行不能にしてしまう方法を発見しました。

LIDAR センサーはおよそ数千~数万ドルもする高価なセンサーですが、研究者は数十ドルで自作したレーザーユニットで LIDAR センサーに"幻影"を見せ、走行不能にしてしまえると豪語します。
 
 

LIDAR とは Google のロボット自動車などの屋根に見られる、クルクルと回っているセンサーのこと。LIDAR は「Light Detection and Ranging」の略で、車の周囲に照射した赤外線レーザーパルスが、物体に反射して戻るまでの時間から障害物との距離を算出します。

原理はマイクロソフトのPC用3Dセンサー Kinect(第2世代) とほぼ同じ。しかしその性能は非常に高く、たとえば Google のロボット自動車が備えるVelodyne HDL-64E は64個のセンサーで360度、およそ120m先までを見通せます。さらに計測した情報からリアルタイムに3Dマップを生成し、PCの画面に表示も可能です。
 

 
Security Innovation の研究者 JonathanPetit は、低出力のレーザー発光部に Raspberry Pi のようなワンボードコンピューターを組み合わせ、LIDAR の反射光を偽装するユニットを製作しました。

比較的安価な IBEO 社製の LIDAR センサーを使ってテストを実施したところ、最初こそ LIDAR センサーのレーザーパルスとの同期を取るのに手間取ったものの、意外と簡単にレーザーパルスを偽装し、何もない空間に"幻影"を検知させることができたとしています。

Petit は、LIDAR からの距離約20~350mの範囲に動く車や歩行者、そして壁などの"幻影"を配置するシミュレーションを実施。さらにそうした数千もの幻影によって、本来検知すべき実在の物体を見失わせることもできたと話します。またこの偽装ユニットは LIDAR から100mほど離れていても有効に作用し、ユニットからの光が直接 LIDAR センサーに当たらなくても、反射光が届きさえすればセンサーを欺くことができたとのこと。
 

LIDAR によるリアルタイム3Pマッピングの例
 
実験は IBEO 社製の Lux LIDAR センサーで実施されただけです。しかし Petit は同じ原理を使っている他社製の LIDAR でも同じことができると主張します。

実際のところ、この脆弱性は自動運転車の研究を進めるメーカーにとって大きな問題ではないかもしれません。というのも LIDAR センサーが使うレーザーパルスをコード化または暗号化してしまえば偽装されたレーザーパルスは無効化できるため。また、自動運転車が備える他の複数のセンサーのデータと比較することでも"幻"の部分は排除することができそうです。

ただ Petit によれば、 現在出回っている LIDAR センサーの多くがそうした保護対策を備えていないとしています。自動運転車の開発を進めているメーカー各社は、実用化までの間に車載センサーへの攻撃も想定して対策を強化しておく必要がありそうです。

なお、Petit は赤外線レーザーを発する偽装ユニットを持って道端に立ったところ、「それを見て驚いた女性ドライバーが車を停止させた」とのこと。どうやらこのユニットは自動運転車だけでなく人が運転する車も(別の意味で)止められるようです。



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