埼玉大学がKinectやロボットによる歩行リハビリ支援システムを展示:CEATEC2015
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10月7日(水)~10日(土)まで幕張メッセで開催中のCEATEC2015より。
ベンチャー&ユニバーシティエリアに位置する埼玉大学工学部電気電子システム工学科の辻研究室ブースでは、リハビリ支援ロボット『VAT』と、力の可視化が可能なリハビリ用平行棒システム『FOVI-Bar』を展示していました。いずれも単独での歩行が難しい患者のリハビリテーションに向けた研究開発の成果です。
Gallery: CEATEC2015:埼玉大学 歩行リハビリ支援ロボットと上肢/下肢負荷状況の可視化システム | 12 Photos
VATは歩行のために必要な筋力を鍛えるロボット。筋肉を伸ばしながら鍛える"遠心性収縮トレーニング"と呼ばれるトレーニングを行う際に、指定された負荷を出すための動作をします。
展示では主に、脛の外側にある前頸骨筋を鍛えるデモを行っていました。足にVATの足置き部分を装着・固定し、持ち上がった足置き部分が下がる動きに抗うことで筋力を鍛える仕組みです。この時、筋肉にかかった負荷をセンサーで検知し、ディスプレイに表示するため、必要とされる負荷を確認しながらトレーニングできます。
負荷がかかっている状態。下方向への負荷に抗うことで、前頸骨筋を鍛えます
筋肉にかかっている負荷を可視化しています
赤い部分は負荷のかかっている筋肉を可視化したところ
ちなみに前頸骨筋は、歩行時に足をつく際、つま先を持ち上げる筋肉。この筋肉が衰えると、すり足歩行になります。
FOVI-Barは、平行棒の接地面にセンサーを設置するとともにリハビリ中の患者の姿勢(関節位置)を認識し、患者の手足にかかっている負荷をリアルタイムに視覚化するシステム。姿勢の認識にはKinectを活用しています。
患者の姿勢から負荷データを入力することから、本システムとは別に床反力計を使用する必要もなく、設置コストが少なく済む点がメリットです。負荷を可視化することによって歩行時のバランスを意識するようになることから、リハビリ中の転倒を防ぐ効果もあります。
片足を浮かせると、接地している足に高い負荷がかかっていることがわかります
接地面のセンサーで、上肢(腕)にかかる負荷も計測できます
関節にかかっている負荷を横から見たところ
いずれも大掛かりな装置を必要とせず、できるだけ安価かつ簡易な設備で一定以上の成果を出すことを考慮して開発していることから、導入コストを抑えられる点でメリットがあるといいます。