着るだけで心拍を測定できる『hitoeウェア』による眠気検知システム。ドライバー向け実証実験を開始
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NTTデータMSEと京都大学、熊本大学、NTTドコモの4者は、着用することで心拍数などの生体情報を取得できる「hitoeウェア」を活用した、ドライバー向け眠気検知システムを共同開発しました。5月10日より、同システムの有効性を検証する実証実験を開始しています。
「hitoeウェア」は、2014年に東レとNTTが共同開発した機能繊維素材 hitoe(ヒトエ)でつくられたウェア。ナノファイバー生地に高導電性樹脂を特殊コーティングしたもので、着用するだけで、心拍数や心電波形などの生体情報を取得することができます。
眠気検知システムでは、京都大学と熊本大学が共同開発した眠気検知アルゴリズムを用い、NTTデータMSEがスマートフォン向け専用アプリを開発。「hitoeウェア」が取得した心拍データを専用アプリにBluetooth通信で送信することで、ドライバーの眠気を検知した際に、ドライバー本人と管理者にアラート通知できる仕組みとなっています。
なお、眠気検知アルゴリズムは、多変量統計的プロセス管理(MSPC)という工学的手法を用いて、心拍間隔の平均や副交感神経の活性度など8種類の心拍変動指標を解析するもので、覚醒時の心拍パターンとの差から眠気を検知します。「hitoeウェア」を着用するだけという自然な状態で心拍データを取得でき、運転を妨げないほか、心臓の近くで計測することで、精度の高いデータを取得できるのが同システムのメリットとしています。
今回の実証実験には、3社の運送会社の協力のもと、事業用小型トラックを運転する各社10名のドライバーが参加。1人あたり1週間システムを利用し、最終日にはアンケートが実施されます。期間は5月10日〜8月31日。
本実験により4者は、眠気検知機能の精度やアラート通知のタイミングについて、心拍データとアンケート結果を元に検証し、商用化に向けて最適化を行います。また将来的には、クラウド上に蓄積した過去の心拍データとの比較ができる機能の追加や、車載器から取得した運転操作情報と心拍データを統合的に解析する新アルゴリズムの開発などを目指すとしています。