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Google Tango対応スマホ『Phab 2 Pro』をLenovoが発表、3Dカメラを搭載し、AR/VRプラットフォーム採用

笠原一輝(Kazuki Kasahara), @KazukiKasahara
2016年6月10日, 午前03:30 in Camera
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矢崎 飛鳥, 10月29日
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Lenovoは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコにて6月9日に開催したプライベートイベント"Lenovo Tech World 2016"において、同社が1月のCES2016で今夏の発売を明らかにしていたGoogle Tango(従来はProject Tangoと呼ばれてきた技術)に対応したスマートフォン"Phab 2 Pro"(ファブツープロ)を発表した。
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    Project Tangoは、Googleが開発してきたAR/VRのスマートフォン向けプラットフォームで、ソフトウェア開発者がARに対応したアプリを作成してユーザーに提供することが可能になる。Phab 2 Proには、そのGoogle Tangoに必要な3Dカメラなどを搭載しており、ソフトウェア開発者が開発したGoogle Tango対応のAR/VRソフトウェアを活用できる。

    また、LenovoはPhab 2 Plus(ファブツープラス)、Phab 2(ファブツー)の2製品も同時に発表し、Phab 2 Proは499ドルで9月から米国で販売され、その後グローバルに展開される予定。日本での発売は現時点では未定だ。

    Androidスマートフォンとしては初めてDolby Audio Capture 5.1に対応

    LenovoがTech World 2016の会場において発表したPhab 2 Proは、同社のファブレット(大型のスクリーンを搭載したスマートフォンのこと)製品となるPhabシリーズの最新製品となる。最大の特徴は、後述するGoogle Tangoに対応しており、ARやVRに対応したアプリケーションを利用して、新しいスマートフォンの使い方が可能になることだ。

    LenovoのPhab 2 Proは、Snapdragon 652、4GBメモリ、64GBストレージというハイエンドスペックのスマートフォンで、Google TangoやDolby Audio Capture 5.1にスマートフォンとして初めて対応している。

    ディスプレイは6.4インチ IPS液晶で解像度はQHD(2560x1440ドット)。SoCはSnapdragon 652(Cortex-A72クアッドコア/最大1.8GHz+Cortex-A53クアッドコア、Adreno 510)が採用されており、メインメモリ(RAM)は4GB、ストレージ(ROM)は64GBとなっている。

    Snapdragon 652自体は、Qualcommの600番台のSoCとなるのでハイパフォーマンス向けと位置づけられる製品だが、CPUのARM Cortex-A72は、他社のSoCではプレミアム向けのSoCにも採用されるようなハイパフォーマンスなクアッドコアCPUで、高い処理能力が特徴だ。

    オーディオ系の機能が充実しており、Dolby Audio Capture 5.1とDolby Atmosに対応している。Dolby Audio Capture 5.1は、従来はパナソニックやソニーなどの民生用カメラに搭載されていた機能で、オーディオを5.1chにリアルタイムに録音できる機能となる。

    動画の撮影などと一緒に利用すると、5.1チャネルDolby Audioの音声入りの動画をリアルタイムに作成できる。作成した動画は、本体のDolby Atmos(擬似的にサラウンドを再現する機能)や、Windows PCのDolby Digital Liveの機能などを利用して5.1チャネルで再生できる。

    なお、今回のPhab 2 Proは3つのマイクが内蔵されており、それを利用してキャプチャされた音声が5.1チャネルの音声に振り分けられて5.1チャネルDolby Audioが生成される。

    ボディーカラーはシャンパンゴールドとガンメタルグレーの2色で、バッテリーは4050mAhが内蔵されており(交換不可)、モデムはアジア太平洋地域(AP)/ヨーロッパ中東アフリカ地域(EMEA)向けはB1/2/3/5/7/8/20/38/40/41、北米向けはB2/4/5/7/12/17/20/30、中国向けはB1/3/7/38/39/40/41のLTE通信に対応している。SIMカードスロットはデュアルスロット構成で、1つがmicroSDカードスロットと共用のNano SIM、もう1つがNano SIM専用のスロットとなっている。

    スマートフォンに"眼"を追加するGoogle Tangoで初の市販スマートフォン

    今回のPhab 2 Proの最大の特徴は、これまでGoogleがProject Tango(プロジェクトタンゴー)の開発コードネームで開発してきた、AR/VRのプラットフォームに対応していることにある。

    Project Tangoでは、Androidスマートフォンやタブレットの3Dカメラの仕様やAPIなどが定義されており、アプリケーション開発者はそれを活用して自分のアプリケーションにARやVRの仕組みを取り入れることが可能になる。従来は開発中であることを示す"Project"をつけて呼ばれてきたが、今回正式な対応製品としてLenovo Phab 2 Proが発表されたことでProjectがとれて、今後はGoogle Tangoと呼ばれることになる。


    ▲Google Tangoに対応した初めてのスマートフォン

    Google Tangoの最大の特徴は、カメラが3Dになっており深度方向を測れることだ。一般的なカメラは1眼であり、2D(縦や横)の長さなどを検出することはできるが、深度方向を検出することはできない。そこで、赤外線カメラなど深度方向を測れるカメラを合わせて実装することで、人間の眼と同じように3Dに物体をとらえることを可能にするのだ。これにより、言ってみればスマートフォンに"人間の眼"を持たせるのと同じ効果を持たせられるため、たとえばスマートフォンをかざすと目の前にある物体の大きさを計測したりできるようになる。

    例えば、GPSが使えないような建物の中であっても、3Dカメラがとらえた物体などからスマートフォンの位置を特定したりという使い方ができるようになるなど、様々な応用例が想定される。既に1年以上にわたり、Googleの開発プログラムが行われてきたこともあり、今後Google Play ストアにTangoに対応したアプリケーションが多数登場する見通しだ。

    今回のPhab 2 Proには、背面に合計で3種類のカメラが搭載されている。1つは、一般的なスマートフォンに搭載されているRGBカメラで、通常のカメラの撮影用としても活用される。CMOSセンサーは1,600万画素となる。2つめが深度を計測する深度カメラで、赤外線などを利用して物体までの距離を計測することができる。そして三つ目がモーショントラッキングカメラで、物体などが動いていることを認識する。Tangoでは、こうした3つのカメラを組み合わせることで人間の眼と同じように、物体までの大きさ、距離、物体の動きなどを認識し、それをデジタルデータに置きかえて、処理をすることが可能になる。


    ▲Phab 2 Proには、背面には1,600万画素のRGBカメラ、深度カメラ、モーショントラッキングカメラの3つが搭載され、表面には800万画素のカメラが搭載されている


    ▲RGBカメラ


    ▲深度カメラ


    ▲モーショントラッキングカメラ

    Project TangoではNVIDIAのTegra K1を搭載した7インチタブレットを開発キットとして開発者向けに販売していたが、その開発キットではやや大きめの3Dカメラモジュールが採用されており、それはそのままではスマートフォンに採用するのは難しかったため、LenovoはPhab 2 Proの3Dカメラモジュールを新規開発して搭載している。

    また、Snapdragon 652という高い処理能力を持つSoCや3Dカメラなどをスマートフォンの筐体に納めるため、熱設計が難しく、Lenovoでは新しいヒートパイプを設計して、必要以上に熱がこもったりすることがないようにしていると説明している。

    ▲Phab 2 Proの背面部。Tango用の3Dカメラが搭載され、その下には指紋認証リーダーも搭載されている


    ▲3Dカメラを搭載するために、PCB(基板)設計もギリギリに詰め込んでいる


    ▲内部に大型のヒートパイプを搭載して熱を分散している

    廉価版のPhab 2 PlusとPhab 2も用意され、9月に米国からグローバルに展開予定

    Lenovoはこの他にも、Phab 2 Proと似た筐体でTangoには対応していない下位モデルとなるPhab 2 Plus、Phab 2の2製品もあわせて投入する。

    Phab 2 Plusは1300万画素のデュアルリアカメラを搭載するスマートフォン。富士通セミコンダクターのMilbeautをイメージシグナルプロセッサ(ISP)として採用しており、高速なフォーカスで撮影することができる。MediaTek MTK8738というオクタコアCPUを搭載したSoCを採用し、メモリは3GB、ストレージは32GB、6.4インチIPS液晶で解像度はFHD(1,920x1,080ドット)となっている。この他、SIMカードスロットは、Nano SIMカードスロットとmicro SDカードの共用スロット+Micro SIMカードという構成になっているのが、Phab 2 Proとの違いになる。


    ▲Phab 2 Plusは、デュアル1,600万画素のカメラを搭載している、指紋認証リーダーも背面に搭載

    Phab 2はシリーズの中でもローエンドに位置づけられる製品で、MediaTek MTK8735、3GBメモリ、16GBストレージというスペックで、6.4インチIPS HD(1,280x720ドット)の液晶を搭載している。

    ▲Phab 2は6.4インチIPS HD液晶を搭載したローエンドモデル。

    Phab 2 Pro、Phab 2 Plus、Phab 2のスペック(Lenovo発表の資料より筆者作成)
    Phab 2 ProPhab 2 PlusPhab 2
    カラーシャンパンゴールド/ガンメタルグレー
    SoCSnapdragon 652MediaTek MTK8738MediaTek MTK8735
    メモリ4GB3GB
    ストレージ64GB32GB16GB
    ディスプレイ6.4インチIPS QHD
    (2560x1440ドット)
    6.4インチIPS FHD
    (1920x1080ドット)
    6.4インチIPS HD
    (1280x720ドット)
    指紋認証リーダー-
    カメラフロント800万画素500万画素
    リア1600万画素1300万画素デュアル1300万画素
    Google Tango-
    オーディオDolby Atmos/Dolby Audio Capture 5.1
    通信SIMスロットNano SIM+Nano SIMないしはmicroSDカードMicro SIM+Nano SIMないしはmicroSDカード
    LTE(AP/EMEA向け)LTE B1/2/3/5/7/8/20/38/40/41、UMTS、GSMB1/2/3/5/7/8/20/38/40/41、UMTS、GSM
    LTE(北米向け)B2/4/5/7/12/17/20/30、UMTS、GSMB2/4/5/7/12/13/17、UMTS、GSMB1/2/4/5/7/12/13/17、UMTS、GSM
    LTE(中国向け)B1/3/7/38/39/40/41、UMTS、TD-SCDMA、GSM
    Wi-Fi/BTIEEE802.11ac/BT4.0
    サイズ179.83x88.57x6.96~10.7mm173.89x88.3x5.5~9.6mm175x89.5x5.5~9.6mm
    バッテリー4050mAh
    重量259g218g225g
    OSAndroid 6.0
    発売(米国)9月
    価格499ドル~299ドル~199ドル~

    Lenovoによれば市場想定価格は、Phab 2 Proが499ドル(1ドル=107円換算で、日本円で約5万3千円)、Phab 2 Plusが299ドル(同、日本円で約3万2千円)、Phab 2が199ドル(同、日本円で約2万1千円)なっており、いずれの製品も9月より米国で発売が開始される予定。米国での販売開始後、徐々にグローバル市場での販売も行われる予定だとLenovoは説明している。

    なお、Lenovoの日本法人となるレノボ・ジャパンによれば、いずれの製品も日本での取り扱いに関しては未定とのこと。

    これまで日本では、Motorolaブランドのスマートフォンが販売代理店経由で販売された例はあるが、Lenovoブランドのスマートフォンが販売された例はない(並行輸入品は除く)。このため、日本で販売されるかどうかは現時点では不透明だが、現時点でGoogle Tangoに対応したスマートフォンは、Phab 2 Proだけになるため、ぜひとも日本でも取り扱って欲しいものだ。




    「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催



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