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駆動時間が魅力のSnapdragon搭載Win 10 PC、将来的なデバイス多様化にも期待:週刊モバイル通信 石野純也

いわゆる変態端末分野にも影響がありそうです

石野純也 (Junya Ishino)
2017年12月14日, 午後05:00 in qualcomm
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クアルコムが米国ハワイにて、プライベートショー「Snapdragon Tech Summit」を開催しました。本誌でも既にさまざまな記事が掲載されているように、同ショーのトピックスは多岐に渡ります。しかし、やはり注目は初日の基調講演で発表された、Snapdragon 835で動くWindows 10 PCでしょう。

12月5日(現地時間)には同ショーとタイミングを合わせ、ASUSの『NovaGo』とHP『ENVY x2』が発表されました。またクアルコムによるとレノボも参入予定。2018年1月に米ラスベガスで開催されるCESで、Snapdragonを搭載PCを発表するといいます。


▲米ハワイで正式発表された"Windows on Snapdragon"。Snapdragonで動作するWindowsだ


12月5日(現地時間)には同ショーとタイミングを合わせ、ASUSの『NovaGo』とHP『ENVY x2』が発表されました。またクアルコムによるとレノボも参入予定。2018年1月に米ラスベガスで開催されるCESで、Snapdragonを搭載PCを発表するといいます。



▲ASUS『NovaGo』。360度回転ヒンジ搭載タイプだ


▲HP『ENVY x2』はキーボード付属のタブレットタイプ


▲レノボもCESで新機種を発表予定と予告


チップセットにSnapdragonを採用した最大のメリットは、やはりバッテリー駆動時間です。ビデオの再生時間では、NovaGoが22時間、ENVY x2が20時間と、ほぼ丸1日動画を流しっぱなしにできるほどの省電力ぶり。

指標が異なるため、今までのWindows PCの連続駆動時間と単純な比較はできませんが、数倍はバッテリーが長持ちするといえそうです。さらにスタンバイ状態の待機電力も少なく、約1カ月程度電池が持つといいます。

▲どちらの機種も、ビデオ再生では20時間以上の省電力だ


Snapdragonは、SoC(System on Chip)として、モデムも統合されたチップセットです。そのため搭載するPCは、LTEなどのセルラー通信に対応しやすくなります。これが2つ目の特徴です。

実際ASUSのNovaGoとHPのENVY x2は、ともに下り最大1GbpsのLTEに対応。4つの周波数を束ねる「4CA」や、アンテナを多重化する「4×4 MIMO」といった、スマホでおなじみの通信技術も利用しています。
さらにASUSのNovaGoは、eSIMとnano SIMの両対応。キャリア側の準備ができていればですが、ネットワーク経由でeSIMにデータプランを自由に書き込むことが可能になります。

クアルコムといえば、やはり通信技術に優れた会社。最新のセルラー通信技術にキャッチアップできるのは、ともすれば省電力以上にSnapdragonを採用する大きなメリットとなりそうです。


▲キャリアアグリゲーションやeSIMといったスマホ由来の技術にも対応

▲PCでLTEによる常時接続ができるのは大きな魅力


さて気になるパフォーマンスですが、少なくとも、展示会場にあった実機はスムーズに動いていました。これは、本誌の記事にもあったとおり。

Snapdragon 835で従来のWindowsアプリを動作させるべく、「Windows on Snapdragon」では32ビットのx86アプリをエミュレーションしていますが、少なくともWordやExcel、PowerPointは引っかかりを感じることなくスムーズに操作できました。


ただし、これらの2モデルはOSにWindows 10 Sを採用しており、展示機ではアップグレードもできなかったため、その他のx86アプリは試せていません。
スペックを考えると、解像度の高い複数の画像をまとめて処理したり、パフォーマンスを要求されるゲームを遊んだりといったことをするには力不足でしょう。クアルコム関係者もパフォーマンスについてはお茶をにごしていたことがそれを裏付けます。
ただ逆に、文書作成や動画視聴、比較的軽めの画像処理といった用途であれば、問題なく使うことができそうです。


▲Officeアプリや手書き系のアプリはスムーズに動いていた


また今回の2モデルはどちらも2in1タイプのPC。NovaGoがディスプレイ回転タイプで、ENVY x2がキーボードを取り外せるデタッチャブルタイプです。省電力性の高さやネットワーク常時接続といった特徴を考えると、タブレットスタイルで使うことも多くなるでしょう。
その意味でWindows on Snapdragonのライバルは、タブレット市場でシェアの高いiPadや、ファーウェイなど一部メーカーのAndroidタブレットといえるかもしれません。

また、今回のWindows on Snapdragonはあくまで第一弾という位置づけ。そのためか、NovaGo、ENVY x2ともに見た目は"PCの枠内"に収まるものでした。しかしSnapdragonを搭載しファンレスでここまで動くことを考えると、フォームファクターの自由度は高そうです。

さらに言えば両モデルとも、スペックはハイエンドのスマホと大差がありません。筐体がスマホよりも大きいぶんバッテリーなどの容量は増やせていますが、逆に駆動時間を犠牲にすれば、コンパクトさを追求できるでしょう。
商品性があるかどうかは別の判断になりますが、スマホサイズのPCも技術的には不可能ではないというわけです。

もしグーグルやマイクロソフトの"政治的判断"がなければ、普段はAndroidでスマホとして使えつつ、ディスプレイに接続した際はWindows 10が起動する......といった製品も作れるかもしれません。

スマホに目を向けると、大きな画面に出力した際にマルチウィンドウで操作できる機能が、徐々に増えています。サムスンのGalaxy S8、S8+、Note8が対応する「DeX」や、ファーウェイのMate 10 Proが対応する「PCモード」などがそれです。
こうした機能は便利な反面、Androidのマルチウィンドウを使っているため、できることに限りがあるのも事実。ここでWindowsが動けば、本当に重たいPCを持ち歩く必要がなくなりそうです。

▲Galaxy Note8などが対応するDeX。専用クレードルDeX Stationを使うことで、マルチウィンドウのAndroidを大きな画面に出力できる

▲Mate 10 ProはPCモードを搭載。単体でDeXと似た環境が使える


さて、Windows搭載の携帯電話といえば、かつてドコモが、Windows 7を搭載した富士通の「F-07C」を販売していました。当時はWindows用と携帯電話用のSoCを別に搭載するなどの変態ぶりに度肝を抜かれたものですが、Windows on Snapdragonであれば、実用性も兼ね備えた端末が作れるかもしれません。

デバイスの多様化が進むかもしれないという点でも、Windows on Snapdragonには期待したいところです。

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