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ついに実現、auの「空飛ぶ基地局」1km四方をエリア化、大災害に備え:週刊モバイル通信 石野純也

携帯の基地局がドローンに

石野純也 (Junya Ishino)
2017年12月23日, 午後12:15 in kddi
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国内初となる「空飛ぶ基地局」が、ついに実現しました。KDDI、鹿児島県の屋久島で公開した、ドローンによる実証実験を、報道陣に公開。災害時の捜索や、通信が不可能になった地域でのコミュニケーションが、その目的です。

携帯電話の基地局をドローンに搭載

基地局機能を搭載したドローンによる実験は、総務省の受託研究として行われているもの。同省の総合通信基盤局 電波部移動通信課 課長補佐の村井遊氏によると、東日本大震災などの災害を受け、「通信が途絶したときに、どうやってエリアをいち早く復旧するか」という目的意識で始められた実験だといいます。

通信手段の復旧は、陸・海・空の3が想定されており、空路には「人が立ち入れないところに、ドローンやヘリコプターで、いち早く基地局を持っていく」(同)ことが求められます。こうした観点で実験を進め、3年目にして、「皆様にお見せできる一定の形ができた」(同)といいます。


▲総務省の村井氏が、実証実験の目的を解説

実証実験は、大きく分けて2つのパターンで行われました。1つが「単独型」と呼ばれるもの。これは、基地局機能が外部のネットワークにつながっていない状態です。そのため、単独型では、電波がつながっていても、「基本的には」、電話やインターネットが使えません。ただし、例外もあり、配下の端末に一斉に情報を送ることができる上に、同じ基地局につながっている端末同士であれば、電話やSMSを送受信することは可能です。

もう1つが、衛星エントランスを使った「連携型」ですが、こちらは災害時や通信の混雑時に出動する、移動基地局車のドローン版です。移動基地局車は、コミケなどにも出動している上に、ドコモがトミカのミニカーを発売していることもあり、目にしたことがある人は多いかもしれません。その設備の一部をドローンに載せ、地上で受けた電波を衛星経由でキャリアのネットワークにつなげるというのが、連携型の仕組みです。


▲単独型と連携型、それぞれの実験概要

小型化した「モバイルコア設備」をドローンに搭載

ここまでの話で、「単独型がなんで電話やSMSがつながるの?」と思った方もいるでしょう。携帯電話がつながる仕組みに詳しい人にとっては、疑問を感じる部分といえるでしょう。携帯電話は基地局につながっただけでは通信ができないからです。ざっくり言うと、端末が基地局に接続したあと、加入者情報を確認したうえで、位置情報を登録して、同様に登録された相手側とつなげ、コアネットワークにある音声交換機を介して通話するという流れになります。基地局だけでは、それができないのです。

では、なぜ通話やSMSができているのかというと、ドローンに、小型化した「モバイルコア設備」が搭載されているからです。通常の設備をそのまま搭載することは重量の関係で不可能なため、「必要な機能だけに集約して、処理系をシンプルで軽量なものにした」(KDDI 電波部 マネージャー 遠藤晃氏)結果、モバイルコア設備はスティックPCに収まることに。当初はヘリコプターでの実験を検討していたようですが、小型化に成功したため、「ヘリだけでなく、ドローンにも積載可能になった」(同)といいます。つまり、ドローンには、基地局だけでなく、簡易版のコアネットワークも載っているというわけです。


▲モバイルコア設備を搭載することで、基地局配下の端末同士で通話やSMSの送信が可能になった


▲ドローンに積まれたスティックPCが、コアネットワークの一部の役割を担う

高度150mから地上1キロ四方をエリア化

単独型での実験内容は2種類。1つ目が加入情報をあえて持たない状態で、基地局に接続した端末に、一斉に情報を配信するという実験です。この場合、ドローン側では契約者や電話番号が把握できないため、電話などは使えませんが、「○○○へ避難してください」といったメッセージを送付することならできます。また、電波が到達する範囲から、その端末、つまり被災者が大体どの範囲にいるのかも推測できます。

2つ目が先に挙げたモバイルコア設備を持ち、加入者情報が登録された状態の実験。こちらは情報の一斉配信だけでなく、配下の端末同士で通話をしたり、SMSを送り合ったりすることができます。災害で通信が途切れてしまっても、ドローンから電波が届く範囲内に家族や友人がいれば、連絡を取り合うことができるということになります。

ドローンには、このモバイルコア設備のほか、2GHz帯用のアンテナや基地局、さらにはWi-Fiのアクセスポイントに映像伝送用のカメラも搭載されています。実験には、エンルートラボ社のドローンを使用。高度約150メートルまでドローンを浮上させ、電波を実際に吹いて、端末側の挙動を確認できました。端末は合計8台。150メートルの高度から電波を吹くことで、約1キロメートル四方が通信可能になっていたそうです。


▲アンテナや基地局のほか、モバイルバッテリーなども搭載

実験の様子は、ドローンの打ち上げ場所からやや離れた路上で見ることができました。まず見ることができたのが、単独型の実験。元々圏外だった端末に電波が入り、KDDI担当者の合図とともに、一斉配信されたSMSが届きました。通信が使えない状況で、避難場所やザックリとした災害の情報が届くは非常に心強いと感じたのが、筆者の第一印象です。


▲飛行時には、カバーがかけられスタイリッシュに








▲ドローンのセッティング完了後、離陸は無事に成功。そのまま150メートルの高度まで上がっていった


▲基地局に接続した端末の数をカウント




▲「被災された方は、〇〇小学校に集合してください。」というメッセージを一斉配信して、端末側で受信

次の実験では、モバイルコア設備を使い、配下の端末同士でSMSを送り合いました。実験結果が目の前で分かるようにするため、端末は同じ場所にありましたが、実際には、ドローン基地局のエリアの範囲内であれば、同じことができます。電話番号を知っている家族や友人がたまたま1キロメートル範囲内にいることがあるのかという疑問はありましたが、この実験も成功。モバイルコア設備も、きちんと動作していたようです。


▲加入者情報を持たせると、端末側の契約者名や電話番号まで分かる。


▲GPSの測位結果も返せるため、先の実験より正確な位置もつかめる


▲ドローン基地局配下の端末同士で、メッセージの送受信が可能になった

ただ、同じ環境で、電話もかけてみてほしいとリクエストしたのですが、途中で設備のトラブルがあったのか、端末は圏外に。そうこうしているうちに、ドローンの飛行時間である20分が過ぎてしまい、残念ながらそのまま打ち上げ場所に戻ることに。実験段階なので当然といえば当然ですが、安定して通信するにはまだクリアしなけれならない課題もありそうに見えました。とはいえ、やり直したタイミングで、電話にも成功。実証実験の目的は果たせたことになります。


▲場所を移して再実験したところ、通話にも成功

技術的には移動基地局車に近い形になりますが、衛星エントランスを使って、インターネットに接続する様子も確認できました。衛星回線のキャパシティが限られているため、接続は非常に遅く、まるでダイヤルアップでネットにつないでいるかのような遅さでしたが、なんとか災害用伝言板を開くこともできました。




▲衛星で、ネットワークにつなぐ実験も行われた


▲非常に速度は遅いが、インターネットにもなんとかつながった

早期の実用化に期待

大規模災害時には、基地局の倒壊やバッテリー切れ、ファイバーの切断など、さまざまな原因で、電波を吹くことが難しくなります。東日本大震災の教訓を生かし、各社とも大ゾーン、中ゾーン基地局の導入や、発電機の増強など、各種対策を施してはいますが、それでも場所によっては通信が途切れてしまう可能性は十分考えられます。もしものときに備えるために、こうした実証実験は結果を踏まえ、いち早く実用化に移してほしいと感じました。
関連キーワード: au, drone, drones, kddi
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