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懐かしの「PDA」が20年を経て復活──フルキーAndroid「Gemini PDA」の『祖』を実機で振り返る

20年前からスタイリッシュ、ノキアスマホの生みの親

山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2018年1月10日, 午前10:00 in Ericsson
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2017年にクラウドファンディングで資金調達に成功したPlanet Computersのスマートデバイス「Gemini PDA」。横型に開くQWERTYキーボード搭載マシンで、LTE搭載版も用意されます。

"PDA"という懐かしい名前が製品名に入っていますが、それもそのはず、Gemini PDAは元々イギリスのPDAメーカー、Psion(サイオン)の関係者が約20年の時を経て製品を復活させたものなのです。Gemini PDAについては以下の動画記事をご覧ください。

動画:QWERTYキー搭載スマホ決定版!いち早くGemini実機に触れてきた。日本語配列もチラ見せ

1980年にソフトウェア企業として創業したPsionは、その後ハードウェアにも進出してPDA、すなわち今のスマートフォンの通信機能の無い製品をリリースします。横開き型のQWERTYキーボード搭載端末は1991年に登場した「Psion 3」が最初でした。その後1997年に機能強化とスタイリッシュなボディーに身をまとった「Psion Series 5」が登場します。このSeries 5は赤外線ながら通信機能を備え、WEBにも接続可能。電話帳やスケジュールなどPDAとして一通りの機能を持ったハイエンドマシンでした。



Series 5は手ごろなサイズと押しやすいキーボードを備えていたことからその後もマイナーチェンジを繰り返します。メモリ強化の「Series 5mx」「Series 5mx Pro」や、携帯電話メーカーであるエリクソンブランドとして「MC218」も発売されました。さらには小型ボディーの「Revo」など多くのモデル展開が行われます。Series 5mxは日本語化キットも登場し、日本でも正式に販売されたことがありました。とはいえ日本ではPalm OSを搭載した「Palm」シリーズがヒット、ソニーも互換機を出すなどしたため、Psionはマイナーな存在だったのです。



そんな忘れ去られた存在だったPisonですが、2017年にGemini PDAがアナウンスされると、元ユーザーたちから大きな反響が寄せられました。筆者もエリクソンMC218を実際に愛用していたので、Gemini PDAを実際に触った時は十数年の記憶がよみがえってきたほどです。この2機種をCES2018の会場で並べてみましたが、20年の進化が十分に感じられました。



では20年の時を経ても愛されていることが証明されたPsionとはどんな製品だったのか、筆者が長年保存していたエリクソンMC218で振り返ってみましょう。まずは本体サイズ。閉じた状態は170 × 90 × 23ミリで、片手で楽に持ち運べる大きさです。



しかしPsionらしさは上蓋を開くところから始まります。ただ開くだけではなく、キーボードが前にせり出してくるのです。このおかげでPsion Series 5シリーズの各モデルは、机の上においても見やすい角度のディスプレイと、打ちやすいキーボードを備えたミニノートPCのような使い方もできたのです。



開いた状態で横から見ると、キーボードがせり出していることが良く分かります。上蓋の開閉とキーボードの動きはスムースで、ポケットからさっと取り出して開けばすぐにタイピングが可能な状態になるのです。



Gemini PDAはこのようにキーボードは動きませんが、ヒンジ部分の金具がばねのように開く、ちょっとしたギミック構造になっています。コストがかかるものの、これらの構造は美しさと実用性を備えています。Psionの端末開発フィロソフィーを垣間見ることができる部分です。なお下記の写真はモックアップから。


さて側面に収納されているスタイラスペンも独特なデザインです。断面は三角形になっているので、この細さでも握りやすくしっかりと保持できます。ペン先は突起のようになっていますが、くぼんだ部分が本体内部の爪に引っかかり、使わないときはしっかりと収納できるわけです。



キーボードも台形で、左右のキーをミスタイプしにくい構造になっています。Gemini PDAは一回り小さいサイズながらも同様の形をしています。小型機器のQERTYキーボードは押しにくいものも多いのですが、Series 5シリーズやGemini PDAならその心配はありません。



OSはEPOC(エポック)。画面の下のアイコンをタップすればアプリが一発で起動しますし、アプリを切り替えながらコピペもできるなど進んだ機能を持っていました。よく使われた「Jotter」という統合メモソフトは、手書きはSketchに切り替えて書いたものを直接貼り付けるなど、マルチタスク的な使い方も出来たのです。このEPOC OSはその後Symbian(シンビアン)OSとなり、ノキアのスマートフォンなどに搭載されていきます。つまりPsionはSymbianスマートフォンの生みの親でもあったわけです。



Psionの中核製品であったSeries 5シリーズの上には、7インチのカラーディスプレイを搭載した「Series 7」シリーズが存在しました。ポータブルなノートPCとも言える大きさで、キーボードも画面サイズも大きく業務用端末としてもよく使われたようです。こちらもその後「netbook」など後継モデルが登場しました。


Psionはスマートフォン時代を見据えてOS部門をSymbianとして切り離し、ハード部門はその後カナダ企業を買収してPsion Teklogixとなり、物流管理端末への転身を図りました。Series 7のボディーに中身をWindows CEとした「netBook Pro」などを出しましたが、メインは業務用のハンディー型端末。同社はその後モトローラに買収されたのち、Zebra社傘下となっています。

クラウドファンディングでは製品化がなかなか進まない例もよく見られます。しかしGemini PDAはPisonという過去のすぐれた製品をベースにしているため、スムースに製品化が進んでいます。製品の出荷は1月中とのこと。名機Psionを思い起こさせるGemini PDAは、Psionを知らなかったユーザーにも新たな感動を与えてくれるデバイスになるでしょう。

関連キーワード: ericsson, MC218, pda, psion, PsionTeklogix, series 5
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