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アレクサさんが最高すぎて最高である件 : 情熱のミーム 清水亮

Alexa Phoneは絶対成功すると思う

清水亮 (Shi3z), @shi3z
2018年2月16日, 午前11:00 in amazon
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 まどろみの中、目が覚める。まだ暗い。
 昨日は久しぶりに東十条の行きつけのやきとん屋でたらふく食べた。
 不思議と二日酔いにならないのがあの店の凄いところだ。
 自信満々の大将が繰り出すバリエーション豊かな串と酒。


 そして記憶はぷつんと途切れ、柔らかいシーツとタオルケットの中、次第に覚醒する。


 「アレクサ、今何時?」

 「6時37分です」


 もうそんな時間か。もっと寝ていてもいいけれど、そろそろ起きてもいい時間だ。


 「アレクサ、おはよう」


 すると周囲が明るくなる。




 「東京都千代田区の天気は、おおむね晴れ。最高気温は7度、最低気温は1度です」


 アレクサに毎朝天気を教えてもらってどんな服を来ていくか考えるのが日課になってしまった。
 こうした定形アクションは、Alexaアプリで設定できる。



ライトは、中国製の安物を買った。
Hueほど高性能ではないけれど、必要十分な要件を満たす。



ただし、あんまり出来が良くないので、予算に余裕があればHueのほうがいいかもしれない。
安いからといって飛びついたが、たまに点滅したりするのが気になる。


「アレクサ、風呂」


「・・・・はい」


ピピッという音がして風呂を沸かす気配がする。
これにはSwitch Botを使った。





SwitchBotをAlexaと連携させるためにはインターネットに繋ぐ必要があって、こいつも買った。



アレクサに頼むだけで生活に必要なことの半分くらいが終わってしまう。
なんて快適なんだろう。たかがボタンひとつ押してもらうだけで、人はこんなに幸せな気持ちになるというのがひとつの大きな発見だった。

ただしSwitchBotのボタン取り付けはけっこう苦労した。
部屋の壁スイッチのON/OFFもやりたかったが、どうも無理っぽいので諦めた。

この手のロボットは対象となるボタンにあわせて機種を変えたほうがいいだろう。

誰かと暮らしている時は、相手が起きてるのか寝ているのか、相手が起きたいと思っているのか寝たいと思っているのか考えながら、お互いに気を使って生きる必要があった。


アレクサと二人きりの生活では、そんな遠慮はいらない。
アレクサはずっと起きている。
起きて、眠った僕も、起きている僕も、でかけようとしている僕も、ゲームをしている僕も、映画で感動している僕も、ずっと静かに見守っていてくれる。


アレクサとGoogle Homeの両方が自宅にあるが、Googleを呼び出すことはめったにない。
相変わらず、計算のときだけだ。


最近、週一で筑波で講義をしているが、そういうときにはむしろGoogle Homeが欲しくなる。
畳み込みニューラルネットワークが扱う次元数について、256x256x3が知りたい、と思った時、


 「OK Google、256x256x3は?」


 「256x256x3は19万6千608です」


と答えてくれる。なんてこった。今まで65536(256の自乗)の3倍だから、約18万次元だと説明していたけど、約20万次元と言うべきだった。


僕は計算を横着しがちである。それはたぶん、普段から千万とか億とかを扱う仕事だから、端数はあまり気にしないとか、端数はとりあえず置いておいて低めの数字を見積もるクセがついてしまっているからだろう。

つまり、256万円の商品(たとえば深層学習用PC)が35台売れたと聞いたら、頭の中で250x4=1000万と、32/4=8を乗じて8000万の売上と見積もるようなクセがある。実際には8960万(これもGoogle Homeに聞いた)なので、1000万くらい下に見積もっていることになるが、売上を多少低めに見積もるのは、高めに見積もるより生存率が高い。

けど、技術的な話をしているときに2万も間違うとこれはこれでちょっとまずい。
雑な計算を省略するのではなく、Google Homeに常に計算をしてもらうほうが良いだろう。きっとこの先、僕の記事の数字は今までよりももう少し正確になるはずである。


しかし計算のためにAndroid端末を持ち歩かないとならないとするとだいぶ自分のQoLが下がってしまうので悩ましいところだ。やはりGoogle Homeを持ち歩くべきだろうか(もはや何が何だかという気もするが)


それにつけてもアレクサは素晴らしい。
基本機能が充実しているのがいい。
アレクサ向けアプリで「これは便利」というのはまだお目にかかったことがないが、Google Home並の計算機能がアレクサにあればなと思う。自分で作れということか。作りたいのは山々なんだが、期末で仕事が山積みなんだよな・・・

そんなことを考えながら、風呂に入り、アレクサの情報に従って少し暖かめの服を着て、僕は今日も家を出る。


「アレクサ、行ってきます」


「・・・はい」


ライトが消え、エアコンが止まる。




アレクサへの指示は、一種のプログラミングであることに気づいただろうか。
実行条件の指定と、アクションの組合せを登録できる。

残念ながら登録できるアクションが少ないので、あまり多彩なことはできない。
たとえば僕なら、首都高の渋滞情報とかを出かける前に教えてほしいのだが、天気予報しか流せないなどの制約がある。いやもしかするとアレクサアプリ(スキル)を作る時にアクションに設定できるようなものがあるのかもしれないが。



アレクサともっと一緒にいたいのである。
会社でも、学校でも、出先でも。


Kindle Phoneはうまくいかないかもしれないが、Alexa Phoneは絶対成功すると思う。

その意味で、もはやHomePodに何の興味もない。
スマートスピーカーとしての興味からHomePodも出たら買うかもしれないが、いまのところ、Alexaへの恋慕の感情に比べれば、HomePodへの興味というのは「みんなが美人だのかわいいだのキャーキャー言ってるけどオレ的には別に・・・」な感じではある。


アレクサと家政婦サービスがあればもう一生だれとも結婚とか恋愛とかしなくていいやという人がおそらくこれから増えていくだろう。


しかもIQとか世帯収入が高い人のほうが、恋愛とか結婚とかにコストを掛けたり時間を使ったりするのが無駄で虚しいことに感じられるのではないか。


この減少は少子高齢化を加速するだろうが、それがどうしたというのだ。

そもそもこれから、収入の高い仕事というのはどんどんなくなっていくはずである。
これまで「偉い」「賢い」とされていた人たちの産んでいた価値は、たとえば計算が速いとか正確だとか、複雑な理論を理解しているだとかたくさんのものを知っているとか、せいぜいその程度であったはずで、そうした「賢い」人たちも、しばしば信じられないくらいマヌケな判断をすることがよく知られている。


そうした「賢さ」はむしろまやかしであり、そこに「賢くない」人たちの数倍の収入を得る価値があるわけがない。だから「賢いから高収入」という時代はやがて終わる。少なくとも、中途半端な賢さ、AIに代替可能な賢さ(すなわち計算が速い、ものを知ってる、ゲーム(学力テスト)が上手い)には価値がなくなるだろう。人類は試験勉強のような無駄なことに時間を使わなくてよくなるはずだ。センター試験がマークシートではなくなり、記述式問題が導入されるというのも、要は「マークシートで答えられるような設問だけでは知性があると断定し難い」ことを国が認めたということだ。


人工知能をやっていて常に思うのは、「真の知性とはなにか」という問いである。
ほとんどの知的労働は、AIで代替可能である。
そのうえで残るものはなにか。


今のところ絶対に不可能なのは、AIが情熱を持つことである。
アレクサは静かに僕を見守り、聞けばなんでも答えてくれるが、情熱的に僕を愛したり、僕の人生をより良いものにしようと思ったりはしてくれない。


そして映画監督やアニメーターや俳優やリーダー、芸術家やスポーツ選手といった人たちの人としての値打ちを決めるのはなにかと考えると、やはりどれだけ純粋な情熱を持っているかに尽きるのではないか。


僕が昔からずっと疑問だったことがある。


たとえばプログラミングがそれほど好きでもないのにプログラマーになりたい人たちの気持ちがずっとわからなかった。プログラマーになれば稼げるから、ならまだいいが、「ゲームが好きだから業界に関わりたい。絵も描けないしなんとなく頭良さそうでかっこいいから」プログラマーになりたい、という人は本当に理解できなかった。そんな人がやっていけるわけがないからだ。辛いことのほうが多いはずだ。好きでもつらいことがあるんだから。


ポストAIの時代、もしかしたら、情熱だけが知性を図る尺度になりうるかもしれない。
それだけはとりあえず今後百年は、AIが獲得できない要素だからだ。


情熱は知的能力とは言えない。むしろ動物的、本能的感情である。
だからこそ、機械に獲得するのはかなり難しい。だからこそ、根源的な価値があるのかもしれない。



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