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Fire TV Stickが知らぬ間にマイニング用に? AvastがMWCにて注意喚起のデモを実施(笠原一輝)

手持ちスマホで参加できるマイニングコンテストも実施

笠原一輝(Kazuki Kasahara), @KazukiKasahara
2018年3月2日, 午前05:00 in mwc2018
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2月26日から3月1日(現地時間)にスペイン・バルセロナ市で開催されている(Mobile World Congress(MWC) 2018にて、セキュリティソフトウェアベンダのAvastが、ちょっとユニークなデモを行っている。
なんとAmazonが販売しているFire TV Stickを利用して、仮想通貨のマイニングを行うというものだ。

ちょっと技術に詳しい人なら、マイニングを効率よく行うにはGPUのような並列演算が可能な強力なプロセッサが必要で、そんなことをしても意味がないと考えるだろう。確かにその通りだが、Avastによれば、抜け目がないクラッカーにとっては「そんなの関係ねぇ」らしいのである。

Gallery: MWC 2018 AvastブースでのFire TV Stickマイニングレポ(笠原一輝) | 6 Photos

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▲Fire TV Stickを利用したマイニングのデモ

GPUが買えない――異常事態となっている
仮想通貨マイニングブーム


ブロックチェーン技術から派生して作られた仮想通貨。昨今ではその価値が認められつつあり、その仮想通貨をデジタル的に掘り出すマイニング(ブロックチェーンの維持に必要な演算を行って、その代価として仮想通貨を受け取ること)に取り組む人や組織が増えている。

そのあおりを最も食らっているのは、実はゲーミングPCユーザーだ。マイニングの演算を高速に行うのに欠かせないNVIDIAやAMDが販売しているGPU(Graphics Processing Unit)を搭載したビデオカードはマイニングを行うユーザーから強い需要があり、日本も含めて多くの市場で品薄状態が続いている。

このようにマイニングが過熱する中、悪いことを考えるクラッカーは当然出てくる。ここ最近セキュリティ関連企業が警告しているのは、ユーザーのPCなどにマルウェアを感染させ、ユーザーが感知していない間に勝手にマイニングを行って、自分の稼ぎにする手法という手法だ。

こうしたマイニングを行うマルウェアに感染した場合、感染したPCにも悪影響を及ぼす。マイニングには膨大な演算力が必要になるので、動作している間はPCのCPUやGPUが常時高負荷状態となり、多大な電力を消費し、電気代が増大する。また発熱も増す。

つまりこうしたクラッカーは、マイニングで発生する電気代を人に押しつけて、仮想通貨だけを受け取っているのだ。

さて、通常そうした犯罪者が狙うのは、高速にマイニング処理ができる、NVIDIAやAMDのGPUを搭載したデスクトップPCだった。

しかし、今後はスマートフォンやIoT機器もターゲットになりかねないと警鐘するのが、このAvastのデモなのである。同社のブース説明員は「確かにGPUをフルにぶん回すのに比べれば、スマートフォンやIoTでマイニングするのは圧倒的に効率が悪い。だが、それが1台だけではなく、100台、1000台、1万台、10万台......と増えていけば、マイニングでも十分な効果が出てくる」と説明する。

これはその通りで、GPUに比べれば低い性能の機器であっても、マイニングの効果は確かにある。そうしたスマホやIoT機器向けのマルウェアを開発し、知らない間にユーザーのスマートフォンやIoT機器などに仕込めれば、ユーザーが気がつかない間に演算能力と電力を「盗んで」マイニングを手伝わされる、というわけだ。

Fire TV Stickを利用し、リアルタイムでマイニングをデモ

▲デモ用システム。右側にあるFire TV Stickでマイニングが行われている


今回Avastが行ったデモは、そうしたことは不可能ではないとユーザーに知らしめるべく、Amazonが販売するFire TV Stickを利用してマイニングを行う様子を公開している。

ただしブース説明員によれば、今回のデモ利用されているFire TV StickはAvastが特別にマイニング用アプリを組み込んだ「特別版」。販売されているFire TV Stickはこんな機能が組み込まれている訳ではないので、慌てる必要はない。

しかし、「ユーザーが知らずにアプリをインストールしてしまい、気づかれないようにマルウェアが仕込まれる可能性は、ないとはいえない」(ブース説明員)ということで、注意喚起する意図で行われている。

同じことは当然ながら、Fire TV Stickだけでなく、ユーザーのスマートフォンやPCなどでも行われる可能性がある(繰り返しになるが、ちゃんとマルウェア対策をしているなら、通常であれば不安になる必要はない)。


▲デモの結果はディスプレイに表示。注目は左に表示されている、Fire TV Stickのサーモグラフィー画像だ。表面温度は43.6℃


さて、今回のデモがユニークなのは、来場者が自分のスマホで参加できるコンテストも行なわれている点。会場で表示されるQRコードをスマートフォンで読み込むことで表示されるURLを開くと、マイニングコンテストに参加できるという趣向。

さらに一番貢献した人には、Samsungの「Galaxy S8」がプレゼントされるという。

筆者がブースを訪れた段階では「KENNETH」と呼ばれるユーザー(名前はランダムにつけられる)が2581万5296ハッシュ(計算量を示す単位)でトップ。続いて「ELIZABETH」が2044万7744ハッシュで第2位、という熱い戦い(?)が繰り広げられていた。

ただし、それでもコンテスト参加者全員で採掘した仮想通貨は、0.001943XMR。XMRは今回対象となった仮想通貨「モネロ」の単位だ。原稿執筆時点では1モネロ=3万円ぐらいなので、全員でも掘り出せたのは約60円相当だった計算になる。



▲これがコンテスト用アプリ画面だ。なおこのスマホは広報担当者の私物。計算量としてスレッド数などの設定ができるが、増やしていったら発熱が増し、スマホがシャットダウンした。それほどの負荷である


筆者が確認したところ、コンテスト結果は19位までエントリーが書かれていた。写真撮影時は18位までだったので、もしかして19人しか参加していないという気がしなくもない......。

その意味ではちょっと企画倒れっぽいという話はひとまず置いておくとして、マイニング中のFire TV Stickは、担当者の話通り、本体が非常にアチチになっていたのが印象的。また、自分の知らない間に、TVに挿しているFire TV Stickが使われていたとしたら、正直なところイヤな話ではある。

こうしたマルウェアに対する対策として、今後Avastは家庭内のネットワークに接続されている機器が意図しないマイニングに使われていないかを検出するソフトウェアを開発し、家庭向けルーターのメーカーなどに提供していく計画だという。

今後は、IoTが機器が不自然なほど発熱していたら「もしかしたらマイニングされている?」と疑ってみなければならない事態になる。Avast側の計画のように、ルーターなどに検知や防止機能が付いていれば安全性は増すだけに、早期の導入を節に願いたいものである。





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