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KDDI、陸海空すべての領域を駆使して対応する防災訓練を実施。5Gの電波も実際に発信

自衛隊や民間企業の連携も重視した多彩な訓練内容。最重要視するのは「技術と手順の継承」

Hirotaka Totsu
2018年3月13日, 午後05:00 in Networking
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KDDIは3月8日に災害対策訓練を実施しました。訓練の舞台は宮城県仙台市、東日本大震災から7年経った現在、当時の被災地支援で得た教訓から、新しい取り組みや技術を駆使した内容となりました。



今回訓練では、KDDIの社員のほかUQコミュニケーションズやTOHKnet、イオンなど民間企業各社のほか、自衛隊も参加しての本格的なものとなりました。


訓練に先立って、7年前の体制と現在の体制を比較して紹介。東日本大震災では、主要キャリアの中で最も早く被災地支援を行ったKDDIですが、支援を実施しての反省点や、(当時としてはできる限りのことをしたが)もっとできることがあったのではないか?という思いから災害対策の強化、充実化を進めてきたことを紹介。今回の訓練でも展示すると説明がありました。

迅速な通信インフラ復旧のための取り組み


訓練は7つのシーンを想定し行われました。一つ目のシーンは、大型車載基地局の出動訓練。KDDIでは、災害復旧のための移動基地局(車両)を緊急車両に登録し、被災地への迅速な展開を行うとしています。大型車載基地局は、10m以上の高さまでアンテナを伸長し広いエリアをカバーします。



2つ目のシーンでは、災害により通信障害が発生した地域に通常車両では入れない事態を想定。途中まで組み立て式の可搬型基地局を運び、中継地点で陸上自衛隊の車両に積み替え、被災地での災害復旧にあたるというものです。







続いてのシーンは、陸上からの移動が困難な沿岸部、沿岸部に近い内陸部での通信障害が発生したエリアへの対策が想定されました。沿岸部に対しては船上基地局、内陸部への対策はドローン基地局を飛ばして通信復旧を目指すというものです。



今回の想定は、気仙沼沿岸への対策に対して、陸路が寸断されたため栃木県小山市から陸上自衛隊のヘリに機材を積載。横浜港まで移動します。


横浜港より海路で気仙沼沿岸部まで移動の後、船上基地局にて沿岸部の通信復旧を行い、ドローン基地局が内陸部に向けて飛行して通信復旧を行います。



今回の訓練では、船上と想定した高所作業車にアンテナを設置。KDDIでは、2015年に海上保安庁と協力し船上基地局設営の訓練を行っています。ドローン基地局の訓練は悪天候により中止となりましたが、船上基地局でカバーできない内陸部への中継を、ドローン基地局によってカバーするという対策が計画されているということです。




続いての訓練では、想定した避難所にイオンがバルーンシェルターを設置。KDDIが通信復旧を行います。





そのバルーンシェルターのある避難所の通信が逼迫しそうになったという想定で、UQコミュニケーションズ、TOHKnetが車載基地局を出動させ通信を拡充させます。TOHKnetは、電柱にある既存の光ケーブルからUQの車載基地局に回線施設を担当。UQが移動基地局にてWiMAXの電波にてトラフィックの負荷を下げました。



UQコミュニケーションズは、3大キャリア以外では数少ない車載型移動基地局を所有、災害復旧訓練への参加となりました。過去にはKDDIとの災害時の防災協定に基づき、防災訓練にて可搬型基地局を通常車両で運搬して展開する訓練を行っていますが、コミックマーケット92で初お目見えした移動基地局が今回の訓練でも出動しました。

現地の状況把握や安否確認には5G通信を活用

最後の訓練は、避難所における5G通信を活用した被災地支援のデモとして、避難所に避難した家族と遠方にいる家族が高速大容量通信を活かしたコミュニケーションをとるシーンが展示されました。




避難所に設置された360度カメラによって撮影された映像を、遠隔地にいる家族がVRゴーグルをかけて無事を確認するというシチュエーション。高速大容量通信を必要とするイメージとしてVRが使用されましたが、4Kによる双方向通信や、複数家族が同時にコミュニケーションするなど、高速大容量通信が被災地支援に生かされるシーンは多いだろうとのことでした。



今回、5Gのデモに際しては28GHz帯の試験電波を実際に発信して行われました。被災地支援、災害復旧に際して、今回の被災者の無事などを確認するコミュニケーション以外に5Gが果たす役割について聞きました。

5Gの高速大容量通信を活かすと、高画質な映像伝送やセンサーや計測器などの多くのIoT機器からの情報を取得できます。それによって、今までは安全確認が済むまで支援要員を送り込めないといった事例で、迅速な確認作業が行える可能性もあるということです。



今回の訓練では、自衛隊以外にも多くの企業が共同で訓練にあたりました。KDDIとイオンは災害時の相互協力協定を結んでおりこれまでもイオンの防災訓練にKDDIが参加するなどの事例もありました。イオンが支援する避難所に通信支援する理由としては、シェルターや物流などの支援が集まる場所には被災者も多く集まり通信の必要性が多くなること、小規模な避難所に分散して支援するよりも一定規模の避難所に支援を行うことで、より多くの被災者に支援が行えるのではないかとしています。



また、多くの企業、省庁と連携した訓練を行う意義としては、支援時のスムースな連携があるといいます。いざ支援というときに、連携する企業の担当者と「初めまして」から開始するのと、あらかじめ協力手順を取り決めてやるべきことや調整すべきことを取り決めておくだけでも大きな差があるのだそうです。



訓練終了後に、東日本大震災発生時、実際に対策本部で支援チームをバックアップしていた方にお話を聞くこともできました。震災発生時は、突然のことで混乱やパニックもあったということですが、少しでも早い支援のために「まずは行けるとこまで行く。そこで次の指示を待つように」と現地に向けて支援チームを送ったのだそうです。

混乱やパニックの主な原因は情報不足によるもので、現場に近いチームが「(道路も通れるので)まだ行けます!」という主張に対して「(安全が確認できないので)状況が確認できるまで待機せよ!」という緊迫したやり取りもあったことなども話してくれました。

「現地に乗り込んだ支援チームのスタッフが実際の状況を一番よくわかってるのは理解していますが、彼らも目の前の人を助けたいという思いで判断を誤っているかもしれない。今だとドローンで確認したり、5Gがサービス開始されたらより高品質な画像で確認できるので、GOサインを出せたかもしれません。」

と防災訓練に最新テクノロジーを盛り込む意義も解説してくれました。



また、災害支援で他の企業や自衛隊などの公的機関との連携を行うことに対しても、スムースな連携でつながったり、訓練によって問題の洗い出しと対策(PDCA)が回せるのはもちろん必要とした上で、最も大事なことは「技術や手順の継承」だといいます。

「異動や新しい人が入ることでわかる人が少なくなる、対応できる人がいなくなることが最も問題なので、繰り返し、繰り返し訓練をして支援が必要な時にすぐ対応できるようにしておかなければならないのです。」

と防災、災害支援にかける思いを語ってくれました。

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