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フルMVNO化で何が変わった? IIJの新プリペイドSIMを試す:週刊モバイル通信 石野純也

違いは購入時から体感可

石野純也 (Junya Ishino)
2018年4月3日, 午後06:15 in mobile
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Kiyoshi Tane, 19 時間前
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IIJは、4月2日に、国内初のドコモ網を使った個人向けフルMVNOサービスを開始しました。訪日外国人向けの「Japan Travel SIM」がそれですが、日本人もプリペイドSIMとして買うことができます。筆者も、早速このSIMカードを入手。実際に使ってみました。

Gallery: Japan Travel SIM | 18 Photos

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4月2日に発売されたフルMVNO版の「Japan Travel SIM」

SIMを入手すべく、まずはビックカメラに。ところが、プリペイドSIMはあったものの、フルMVNO版のパッケージが見当たりません。ややこしいことに、IIJはドコモSIMを借りたライトMVNO版のJapan Travel SIMと、フルMVNO版のJapan Travel SIMが混在しているのです。ネットで調べてみると在庫はあり、購入できましたが、どうやら店頭にパッケージが並べられていなかったようです。

モバイル事情を日々追いかけている我々ならまだしも、訪日外国人はパッケージがないと、売っているのかどうかはなかなか分かりません。理由は後述しますが、ライトMVNO版の方が値段が高かったり、SIMカードのサイズをあらかじめ決め打ちして買わなければならなかったりと制約が多いため、きっちりパッケージを並べておくことがユーザーフレンドリーだと思いました。

フルMVNO版のメリットは、購入時から体感できます。理由はその値段。ライトMVNO版が1GBで2656円なのに対し、フルMVNO版は1.5GBで1998円と、容量が500MB増え、価格も安くなっています。この差はライトMVNOとフルMVNOのビジネスモデルの違いに由来しています。フルMVNOの場合、MVNOが自らSIMカードを発行できるため、ドコモなどのMNOにレンタル代金を払う必要がありません。


▲1.5GBで約2000円と、従来のプリペイドSIMより容量が多くて安価

フルMVNOの特徴である加入者管理機能を使えば、店頭に並んでいる際に、SIMカードを寝かしておくこともできます。細かなところでは、SIMカードそのものの製造コストを抑えたりもできます。こうした積み重ねが、容量と値段の違いになっているというわけです。ということで、筆者はお試しのつもりで、1.5GB版を購入しました。

次に、開封の儀です。SIMカードそのもののほかに、説明書やブラステルのトップアップカードが入っています。このトップアップカードで容量をチャージできるほか、IP電話も利用できます。フルMVNOは現在、音声通話が提供されておらず、そのスキームもないため、訪日外国人向けに提供する際には、IP電話がセットになっているのです。このほか、Wi-Fiも無料で利用できるようです。

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SIMカードは、標準、mirco、nanoの3サイズから選んで切り取れる3in1タイプのものです。ドコモから提供されているSIMカードがサイズ別になっている関係で、ライトMVNO版のJapan Travel SIMはサイズを指定して買わなければならず、間違えてしまうリスクがありましたが、3in1タイプであれば、手持ちの端末がどのサイズでも問題ありません。細かな点ですが、こうしたところもユーザーフレンドリーになっていると感じました。

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▲SIMカードは3in1のタイプ

開封の儀を終えたら、早速SIMカードをnanoサイズに切り取り、新しいiPad(第6世代)に挿入します。ここでiPadに挿したのは、人気の端末をキーワードに入れてページビューを稼ぐため......ではなくデータ通信専用SIMに合ったユースケースだと思ったからです。iOSでの挙動を見てみたいという動機もありました。そんなわけで、iPadにSIMカードを差し込んだら、再起動をかけます。

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▲新しいiPadに挿入

すると、端末が電波をつかみ、ピクトマークが表示されました。電波を示すピクトの横には、「IIJ」の3文字が表示されています。ネットワークサーチをかけてみたところ、ドコモの代わりに、IIJと表示されていることが分かりました。次に説明書に従って、APNを設定します。


▲ピクトエリアにIIJの文字が表示された


▲最初は3G表記だが、しばらくすると4G表記になる


▲ネットワークサーチするとドコモの代わりにIIJと表示される

iOSの場合、日本の3大キャリアのSIMカードを挿すと、自動的にAPNも設定されます。iPhoneの場合は、設定項目自体が隠されてしまい、ユーザーが自由にいじることができません。一方で、IIJのSIMカードは、iOS側から不明なキャリアと認識されるため、APNの設定項目が現れます。iPadでは、ドコモのSIMでもAPN設定はできますが、iPhoneを利用するユーザーにとっては、設定が簡単になるうれしい仕様といえるでしょう。通常のMVNOのように、Wi-FiなどにつないでAPN構成プロファイルをインストールする必要がないからです。


▲iOS側からは不明なキャリアとして認識されるため、APNは手動で設定できる

設定し終えたあと、Webを開こうとすると、利用者登録のページにリダイレクトされました。ここでは、パスポート情報を登録しなければなりません。といっても、登録はすこぶるスムーズ。パスポート番号と名前、生年月日などを入れ、いつアクティベートするかを指定するだけで、利用者登録は完了です。利用開始日を「今すぐ」にしたところ、すぐに使い始めることができました。


▲とりあえずYahoo!JAPANを表示しようとしてみたところ、リダイレクトがかかり、利用者登録のページに飛ばされた




▲利用者登録は名前、生年月日、パスポート番号、国籍と利用開始日を指定するだけ

あとは、いつも通り通信するだけ。真っ先にスピードテストをしてみましたが、東京・渋谷にある筆者事務所では、90Mbps弱とかなりの高速ぶりで、純正ドコモ回線とほぼ同レベルでした。ただし、帯域はIIJmioと共有しているそうで、MVNOが混みあう12時台になると、速度は低下してしまいます。12時半前に計測したところ、0.37Mbpsと悲しい結果になってしまいました。


▲11時台に東京・渋谷で測定したスピードテストの結果


▲12時台になると、速度の低下が顕著に

10Mbps単位で帯域を買う日本のMVNOの場合、利用時間が平準化されればされるほど、一部時間が極端に遅くなることを防ぎやすくなります。そのため、フルMVNOで対人向け以外のビジネスが拡大できれば、一般ユーザーが混み合ってしまう時間帯の速度も上ってくる可能性はあります。こうした間接的なメリットにも期待したいところです。

このように、プリペイドSIMでは、フルMVNOのメリットが主に価格とiOSで利用した際の利便性に出てきます。逆に、SIMカードを自由に休止・再開できるライフサイクル管理機能は提供されていません。海外渡航時にSIMカードの中身を切り替えて、安価に国際ローミングするという機能もまだ未提供です。ただし、価格が安くなっている点で、ユーザーには十分なメリットがあります。

特にiPadのように、常時LTEで通信をする必要がない使い方をすることが多いデバイスには、プリペイドSIMがうってつけです。必要なときだけ、SIMカードを買ってくればいいからです。欲を言えば、SIMカードの休止ができ、1.5GBを1年間かけて使えるようにできれば、なおタブレット向きではないかと思いました。このあたりの機能向上については、今後の展開に期待したいところです。

関連キーワード: iij, japan travel sim, mobile, mvno, sim, smartphone, travel
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